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JPNICはインターネットの円滑な運営を支えるための組織です

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    /P▲         ◆ JPNIC News & Views vol.983【臨時号】2012.7.6 ◆
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◆ News & Views vol.983 です
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第22回JPNICオープンポリシーミーティングが、2012年6月19日、東京のエッ
サム神田ホールにて開催されました。

本号では、この日議論された5件の提案を中心に、ミーティングの様子をお届
けします。

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◆ 第22回JPNICオープンポリシーミーティング報告
                               ポリシーワーキンググループ/楽天株式会社
                                                                橘俊男
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2012年6月19日(火)に、第22回JPNICオープンポリシーミーティング(JPOPM)を
開催いたしました。

JPOPMは、日本においてIPアドレス、AS番号等インターネット資源の管理ポリ
シーを検討・調整し、コミュニティにおけるコンセンサスを形成するための
議論の場です。年2回の開催で、JPNICとは独立した組織であるポリシーワー
キンググループ(ポリシーWG)が主催しています。ミーティングのプログラム
は、ご応募いただいたポリシー提案や情報提供プレゼンテーションから構成
しています。今回は、前回からの継続が3件、新規が2件の合わせて5件のポリ
シー提案、および情報提供プレゼンテーションの応募が数件ありました。

ミーティングには、オンサイトで38名(関係者含まず)の皆様にご参加いただ
きました。今回も、JPNICの協力により、映像ストリーミング、Jabberチャッ
ト、Twitterによるリモート参加環境を構築しました。ストリーミングにおい
ては、平均137、最大で217の同時視聴数があり、合計視聴数は11,910でした。
同時視聴数が最大で200を超え、これまでで最も多くの方にリモートで参加し
ていただくことができました。会場で、またリモートでミーティングにご参
加いただきました皆様、ありがとうございました。

以下に、提案議論の概略、および、いくつかの情報提供トピックスについて
紹介します。


■今回議論された提案について

今回は5件の提案について議論を行いました。

  021-02 JPNICの移転ポリシーにおける移転先、移転元要件の変更
  021-03 RIR間アドレス移転提案 (prop-095 in APNIC)
  021-04 移転の際に、IPv4アドレス必要要件提示を必須とする提案
         (prop-096 in APNIC)
  022-01 返却されたIPv4アドレスの配布について
  022-02 JPNICにおけるアドレス移転支援について

前半の3件(021-02、021-03、021-04)は、前回JPOPM21で議論を行った、IPv4
アドレス移転に関連した提案であり、前回のミーティング以降、いくつかの
情報について追加調査を実施した上で再議論を行いました。この3件について
は、議論は一つの時間枠でまとめて実施しましたが、コンセンサスの確認は
それぞれに対して個別に行いました。5件のうち2件はAPNICのオープンポリ
シーミーティングでコンセンサスを得て施行されたポリシーについて、日本
国内での実施の是非を問う提案です。

移転についての議論に先立って、JPNIC事務局よりRIRごとの移転ポリシーの
状況、JPNICにおける移転制度の現状と課題の整理が紹介されました。加え
て、前回議論時のアクションアイテムであった次の事項についても、調査結
果の情報提供が行われました。

   - 移転を実施する地域によって要件を分けることの可否
     (JPNIC管理下の組織同士の移転と、APNICや他のRIR地域との移転)
   - JPNIC管理下の組織が、他のRIR管理下の組織と移転をする際の具体的な
     手続き
   - IPv4アドレスの消費状況(国内とARIN地域)

ミーティングではこれらの情報を使って再び議論を行いました。
 
前回のJPOPMにおいて移転に関する議論が一定の結論を導き出せなかったの
は、情報量の不足により、移転を実施する地域によって要件を分けることの
可否や、他のRIR管理下の組織との移転においてどのような手続きが発生し、
手続きの中でどのような基準に沿って移転可否の判断が行われるかをイメー
ジできなかったことが原因でした。

今回も議論開始後、しばらくの間は、各提案の相関関係の整理に時間を費や
しました。相関関係を整理した後は、移転の要件確認に当たり、「今後何ヶ
月間の需要を満たすサイズのアドレスとするか」の基準が、現状では地域ご
とに異なることについて、IPアドレスを利用する組織、移転を取り次ぐ事業
者等の立場から意見が出されました。

情報提供の中にあった「移転を実施する地域によって要件を分けることの可
否」に関連した議論では、現状JPNICが施行している移転ポリシーは、需要の
確認を実施せずに移転手続きが行われていますが、APNICを始めとする各RIR
で採用しているポリシーでは、移転手続きにおいて所定の期間分の需要を満
たすサイズのアドレスのみ移転を認めていることが報告されました。また、
他のRIR管理下との移転に当たっては、相手先のRIRと同等の需要確認が求め
られることも紹介されました。IPv4アドレスの移転では同じアドレスブロッ
クが複数回移転されることが想定されており、ARIN等のRIRではそのような場
合にも移転先でのアドレスの有効利用を担保したい考えがあります。そのた
め、従来RIR管理下にあったアドレスブロックがJPNIC管理下の組織に一旦移
転された後、再度移転される場合にも需要確認が求められます。

これらの状況を踏まえて検討を行った結果、JPNICにおける移転ポリシーの範
疇で移転を実施する場合は、これまで通り移転時の需要確認は実施せず、他
のNIR/RIRで登録されているアドレスブロックをJPNIC管理下に移転する場合
は、現状のAPNICのポリシーと同等の需要確認を行う方向で、合意が形成され
ていきました。

議論の最後にコンセンサスの確認を行い、021-02、021-03は提案通りに合意、
021-04についてはすべての移転を需要確認の対象とせず、JPNIC管理下で行わ
れる移転については需要確認を実施しないこととして提案を修正して合意と
なりました。加えて021-04については、現状のAPNICが実施している需要確認
期間について、JPNICコミュニティの意見である他のRIR(ARINを想定)と同等
の期間に延長するために必要なアクションを確認し、必要であればAPNICコ
ミュニティへ提案を行うための提案チームの組成を呼びかけることになりま
した。

なお、次の二つの提案については、いずれも合意に至りませんでした。

 022-01 返却されたIPv4アドレスの配布について
 022-02 JPNICにおけるアドレス移転支援について

ただし、022-02については、返却されたアドレスの活用していくことについ
て日本のコミュニティがどのような意見を持つか、その意見をどうAPNICコ
ミュニティ、さらには他RIRに説明していくのかを議論し、提案の必要の有無
を含めて検討を実施していくことに多くの賛成意見がありました。そのため
今後、オリジナルの提案者とポリシーWGが協力して議論の環境を整備し、コ
ミュニティに参加を呼びかけることになりました。

                  ◇              ◇              ◇

その他、RPKIの動向、 ITRの見直しについて、RIRのミーティング参加を通じ
てのアップデートのセッションを開催しました。以下のURLにて、当日の発表
資料が掲載中です。後日、議事録を掲載してまいりますので、ご参照くださ
い。

□第22回 JPNICオープンポリシーミーティング
  http://venus.gr.jp/opf-jp/opm22/


■ ミーティングを振り返って

今回のミーティングでも、前回と同様に参加登録時に事前アンケートを行い、
参加者のうち「初めての参加」「2~3回目の参加」という方が半分を超えて
いたことが確認できました。新しく参加された方が多かったのは、IPv4アド
レスの移転という最近の注目トピックについての議論が行われることが広く
知られていたことが一つの要因になったのではないか、と考えています。

インターネット資源管理は日本としても重要な分野です。ポリシー策定プロ
セスの紹介を含め、今後も、いろいろな機会で興味を持っていただける方を
増やすような広報をしていく予定です。

次のAPNICカンファレンスは2012年8月末に、カンボジアのプノンペンで開催
されます。リモート参加環境も充実していますので、ぜひともご参加いただ
ければと存じます。ミーティングの詳細については、下記のURLでご覧になれ
ます。

□APNIC 34 Conference , Phnom Penh, Cambodia from 21 - 31 August 2012
   http://conference.apnic.net/34/


■ チェア交代とメンバー追加のご報告

2点、ご報告があります。

一つ目は、今回のJPOPMの冒頭、ポリシーWGのチェアを藤崎智宏氏から私、橘
に変更することを藤崎氏から告知いただきました。その上で、その後の進行
も終日橘が務めました。これは2012年6月15日の第47回JPNIC 通常総会で実施
された役員選任において藤崎氏がJPNIC理事に選任され、ポリシーWGの実装勧
告対象となるJPNICの運営者となることで、ポリシーWGを抜ける必要が発生し
たための措置です。

ポリシーWGによるJPOPMの運営が開始された2004年より、長きにわたって運営
をリードいただいた藤崎氏の貢献に心から感謝を申し上げます。今後もIPポ
リシー担当理事として、継続したコミュニティの運営をサポートいただきま
すようお願い申し上げます。

もう一つは、2012年2月28日よりインターネットマルチフィード株式会社の豊
野剛さんがポリシーWGに加わっていることについてです。こちらはミーティ
ング席上でご紹介するのを失念しておりました。申し訳ありませんでした。

                  ◇              ◇              ◇

最後になりますが、オンサイト、リモートともに議論にご参加いただいた皆
様、ご発表いただいた皆様、ありがとうございました。

次回のJPNICオープンポリシーミーティングは、2012年11月頃、Internet Week
と同時期に開催予定です。アドレスポリシーに関してご意見をお持ちの方の
提案や、プレゼンテーションのご応募をお待ちしています。今回ご参加いた
だけなかった方も、ぜひともご参加ください。


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       わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。
             http://www.nic.ad.jp/ja/tech/glossary.html
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 JPNIC News & Views vol.983 【臨時号】

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