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    /P▲        ◆ JPNIC News & Views vol.1210【臨時号】2014.7.9 ◆
  _/NIC
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◆ News & Views vol.1210 です
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2014年7月7日に、総務省によって「IPv6対応ガイドライン」と「IPv6対応調
達仕様書モデル」が公開されました。これは、昨年度の事業として総務省が
株式会社インテックに委託して取り組んだもので、このガイドラインを見る
と、どう段階を追ってIPv6の導入を進めていけば良いかがわかります。

JPNICでもこのガイドラインの作成や、またその普及啓発活動にも協力してき
ました。

本号では、このガイドラインとそれに伴って実施したセミナーを紹介します。
ガイドラインと調達仕様書のモデルの内容は多くの方に役立つものですので、
ぜひチェックしてみてください。

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◆ 総務省による「IPv6対応ガイドライン」の公開と、IPv6早わかりセミナー
   のご紹介
                                                 JPNIC IP事業部 佐藤晋
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2014年2月20日発行のNews & Views vol.1170でもお伝えいたしましたが、総
務省では、IPv6の速やかな普及を促進すべく、「インターネット利用環境の
変化に伴う情報セキュリティ対応推進事業」として、通信事業者や一般企業
などに向けた「IPv6対応ガイドライン」と「IPv6対応調達仕様書モデル」の
案を作成していました。その内容を中心に、IPv6の普及に向けた内容も折り
込み、株式会社インテックが中心となり「IPv6早わかりセミナー」を開催し、
普及啓発活動を行ってきました。JPNICも2013年度の活動として、これに協力
いたしました。

「IPv6早わかりセミナー」については、2014年3月20日の東京開催をもって、
すべてのセミナーが終了しましたが、これらのセミナーでの意見等も受けて、
つい先日の2014年7月7日には、セミナーで紹介していた「IPv6対応ガイドラ
イン」と「IPv6対応調達仕様書モデル」の「中小通信事業者編(ガイドライン
のみ)」「企業編」「地方自治体編」とが、総務省のWebサイトで公開されま
したので、お知らせします。

    - IPv6対応ガイドライン(中小通信事業者編)
      http://www.soumu.go.jp/main_content/000301462.pdf

    - IPv6対応ガイドライン(企業編)
      http://www.soumu.go.jp/main_content/000301464.pdf
    - IPv6対応調達仕様書モデル(企業編)
      http://www.soumu.go.jp/main_content/000301466.pdf

    - IPv6対応ガイドライン(地方自治体編)
      http://www.soumu.go.jp/main_content/000301465.pdf
    - IPv6対応調達仕様書モデル(地方自治体編)
      http://www.soumu.go.jp/main_content/000301467.pdf

本号では、「IPv6早わかりセミナー」においてどのようなプログラムを行っ
ていたのかも含め、この「IPv6対応ガイドライン」について簡単にご紹介し
ます。

◆セミナーの概要について

「IPv6早わかりセミナー」は、2014年1月17日の高松開催を皮切りに、全国
11ヶ所で合計12回開催されました。参加者数は総計で1,139名でした。

開催都市  開催日            会場                         参加者数
--------------------------------------------------------------------
高松    1月17日(金)   高松センタービル                      71名
広島    1月24日(金)   広島国際会議場                       112名
名古屋  1月28日(火)   TKP名古屋栄カンファレンスセンター    150名
大阪    2月 4日(火)   大阪アカデミア                       160名
那覇    2月 7日(金)   ホテルオーシャン                      72名
福岡    2月14日(金)   九州ビル                             116名
仙台    2月17日(月)   TKPガーデンシティ仙台                 85名
長野    2月25日(火)   JA長野県ビル                          32名
金沢    3月 4日(火)   TKP金沢ビジネスセンター               84名
札幌    3月 7日(金)   TKPガーデンシティアパホテル           48名
東京    3月14日(金)   AP東京八重洲通り                     141名
東京    3月20日(金)   TKP御茶ノ水会議室                    103名

企業や自治体の情報システムを担当されている方を対象としたセミナーで、
多くは企業からの参加申し込みでしたが、開催場所によっては3割程度が自治
体からというところもあり、地方自治体においてもIPv6導入に関する関心が
高まりつつあることを実感しました。


◆講演プログラム

各回ともプログラムは大きく3部構成で、第1部は主にJPNICが、第2部は三菱
総合研究所が、そして第3部はインテックが担当しました。第3部はいずれの
会場でもIPv6導入ガイドラインと調達仕様書モデルの解説でしたが、第1部と
第2部はおおよそ3種類の講演内容を、会場ごとに変えていました。

JPNICからは、下記の三つのタイトルと内容で講演を行いました。

  (1)IPv4アドレス枯渇とIPv6インターネット
     https://www.intec.co.jp/ipv6/download/document/seminar01.pdf

     IPv4アドレスの枯渇状況と、枯渇後のIPv4アドレス入手方法、そし
     て現在のIPv6サービスの進展状況に関する説明をしました

  (2)IPv6時代のインターネットガバナンス
     https://www.intec.co.jp/ipv6/download/document/seminar03.pdf

     IPv4アドレス枯渇や新gTLDプログラムの導入の説明、ICANNを中心とし
     たインターネットガバナンス議論についての解説をしました

  (3)IPv6のキホン
     https://www.intec.co.jp/ipv6/download/document/seminar02.pdf

     IPv6プロトコルの基礎的な説明と、IPv6アドレス取得手続きに関する解
     説をしました

三菱総合研究所からは、下記の三つの講演がありました。

   (1)オープンデータの拓く新たな可能性
      https://www.intec.co.jp/ipv6/download/document/seminar04.pdf

      オープンデータの説明と自治体などにおける活用事例の紹介、IPv6を
      用いたデータ収集と活用に関する解説がありました

   (2)自治体クラウドの新たな展開
      https://www.intec.co.jp/ipv6/download/document/seminar06.pdf

      自治体クラウドの導入事例の紹介、番号制度と自治体クラウドの活用、
      自治体クラウドにおけるIPv6対応の解説がありました

   (3)サイバーセキュリティ最新動向
      https://www.intec.co.jp/ipv6/download/document/seminar05.pdf

      サイバー攻撃の手法や最新のインシデントの紹介、IPv6導入によるセ
      キュリティリスクと対応に関する解説がありました

その他リーフレットや、導入としての「IPv6導入の早わかり~こうやればで
きるIPv6導入~」といった資料についても、下記のURLで公開されております
ので、ご興味のある方はご参照ください。

       https://www.intec.co.jp/ipv6/download/index.html


◆ガイドラインと調達仕様書モデル

第3部が本セミナーのメインプログラムである「IPv6導入の早わかり」です。
企業や自治体の情報システムやネットワークをIPv6対応させるため、モデル
ケースを提示しながら、実際にシステムインテグレーターなどに発注する場
合の調達仕様書の作成モデルまでを解説していました。

一般企業の場合、調達仕様書という名称には馴染みがないと思われますが、
自治体や省庁などで発注を行う際に用いる、一般企業で言うところの提案依
頼書(RFP)に近いものだということです。

今般の総務省の事業として作成された「IPv6対応ガイドライン」には、企業
や自治体、そして通信事業者に対して調査を行い、それを元に、それぞれの
一般的なネットワーク構成や運用体制をモデル化して、それをIPv6対応させ
ていくための確認ポイントを網羅しています。

これを参考にしながら、自社のネットワークや運用体制と照らして、「IPv6
対応調達仕様書モデル」で示されている雛形に沿って、項目を取捨選択して
いくことにより、IPv6対応のための調達仕様書ができ上がる形になっていま
す。ガイドラインの末尾にはチェックシートも添えられており、これを用い
ることで、導入計画策定から実際の運用開始までの手順について、漏れなく
確認しておくことができるようになっています。

セミナーでは、架空企業のネットワークをモデルケースとして例示し、その
企業のDMZ (DeMilitarized Zone)からインターネットに接続する部分を、
IPv6に対応するための調達仕様作りを実際に行うという形で解説していまし
た。

そのため、IPv6対応をどこから進めていけばいいのか、と思い悩みながら、
なかなか着手できずにいる場合などは非常に参考になるのではないかと思い
ます。ただし、現在の自社のネットワーク構成や運用がどのようになってい
るかを正しく把握しておくことが、重要であることも実感しました。

それぞれのガイドラインと調達仕様書モデルは、上記でもリンクを貼りまし
たが、総務省ページ内の「2.インターネットのIPv6移行の普及促進を図るた
めの実証実験等」に、まとめてPDFファイルがリンクされています。

   http://www.soumu.go.jp/menu_seisaku/ictseisaku/ipv6/index.html


◆最後に

おそらく、JPNIC会員やIPアドレス管理指定事業者の方は、調達仕様書を作成
する側というよりも、提示される側になると思います。しかし、企業や自治
体におけるIPv6対応が今後どんどん進められていく中で、今回提示されたガ
イドラインと調達仕様書は、あらかじめどういった形式で調達仕様や提案依
頼が行われるかを把握しておく上で、事業者側にとっても参考になるのでは
ないでしょうか。

今後ユーザーネットワークのIPv6対応が大きく進展していく上での礎になっ
ていく可能性もありますので、ぜひ一度内容をご確認ください。


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       わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。
             https://www.nic.ad.jp/ja/tech/glossary.html
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 JPNIC News & Views vol.1210 【臨時号】

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