=================================== __ /P▲ ◆ JPNIC News & Views vol.1288【臨時号】2015.3.23 ◆ _/NIC =================================== ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆ News & Views vol.1288 です ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ JPNICは、APRICOTカンファレンスが日本で10年ぶりに開催されるということ、 また今回の会合はAPAN会合とも同時開催になるということもあり、日本におけ る実行委員会メンバーの一員として、このAPRICOT-APAN 2015カンファレンス の開催前から、このメールマガジンで、その魅力をお伝えしてきました。 APRICOT-APAN 2015関連記事 https://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/apricot-apan-2015.html その締めくくりとして、本号から、実際の会合がどうだったか、さまざまな角 度から連載でお伝えします。最初の報告は、会合全体についてのご報告です。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆ APRICOT 2015/APNIC 39カンファレンス報告 [第1弾] 全体報告 JPNIC インターネット推進部 坂口康子 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2015年2月24日(火)から3月6日(金)まで、福岡にてAPRICOT 2015/APNIC 39カ ンファレンスが開催されました。海外主催組織であるAPIA (Asia Pacific Internet Association)の速報によると、54の国と地域から835名が参加した そうです。近年、APRICOTの参加者数は600~700名ほどであることが多く、今 回は例年より多くの方が参加しました。詳しくは後述しますが、「APAN 39」 という会合との同時開催だったためと考えられます。 ■10年ぶりの日本開催とAPAN会合との同時開催 今回のAPRICOT/APNICカンファレンスには、今回ならではの特徴が二つありま した。 1点目は、何と言っても日本で開催されたことです。APRICOT/APNICカンファ レンスはアジア太平洋地域内で定期的に、開催地を変えながら行われている 会合です。前回の日本開催は2005年、京都でのAPRICOT 2005ですから、実に 10年ぶりにAPRICOTが日本にやってきたことなります。 もう一つは、APAN (Asia-Pacific Advanced Network)会合との同時開催です。 APANはアジア太平洋地域における、学術ネットワークプロジェクトの相互接 続を調整する団体です。研修成果の発表などを目的に、APRICOTと同様にアジ ア太平洋の各国・各地域で定期的に会合を開いています。開催頻度は年に2回、 そのうち毎年1月下旬から3月上旬の時期に行われている会合が、APRICOTの開 催時期と近いことなどから、2011年に香港で初めて共同開催され、過去最高 の約1,200名の参加者を集めました。4年経った今でも、そのときの盛り上が りが関係者間で話題になることは多く、まさに「伝説の会合」となりました。 香港の成功に刺激を受け、日本でもAPRICOT/APNICカンファレンスとAPAN会合 の共同開催「APRICOT-APAN 2015」を実現すべく、JPNICを含む関係者が準備 を進めてきたのは、以前このメールマガジンでJPNICの前村昌紀がご紹介した 通りです。 ・JPNIC News & Views vol.1250 特集 「福岡にきんしゃい!「APRICOT-APAN 2015 福岡会合」へのお誘い」 https://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2014/vol1250.html#feature ■開催形態‐ワークショップとカンファレンス APRICOT-APAN 2015は、大きく前半のワークショップと後半のカンファレンス に分かれます。 2月28日(土)までのワークショップは、JR博多駅の駅ビル内にあるJR博多シティ 会議室で行われました。会議室を一歩出るとそこは数年前にできた駅ビルの レストラン街、1階下にはシネコンもあり、参加者は誘惑と戦うのが大変だっ たかもしれません。DNS/DNSSEC、Advanced BGP、セキュリティなど五つのク ラスが開講され、1クラス20名前後の少人数制で、参加者が自ら持ち込んだ PCを使用してのハンズオンなどが行われました。 3月2日(月)からのカンファレンスは、博多駅からバスで約10分の福岡国際会 議場に会場が移ります。ここからは参加者も大きく増え、5階建ての施設を全 館貸し切っての会合が行われました。会場のすぐ裏は博多湾で、晴れた日に は海がキラキラと輝く風景が見え、一方で天気が悪い日には海風が冷たく、 福岡が日本海側に位置することを実感させられました。 ■APRICOTとAPANの共同セッション: Opening Ceremony & PlenaryとClosing Plenary カンファレンス期間中はAPRICOT 2015、APAN 39、APNIC 39のセッションが並 行して複数、多いときには9セッションも走っていて、参加者は自分の興味に 応じて各セッション会場に散らばっていました。しかしながら一つのセッショ ンしか開催されない、APRICOT-APAN 2015の参加者が一つの会場に集まる時間 帯が2回ありました。それが以下にご紹介する二つのPlenary(全体会合)です。 ◇ Opening Ceremony & Plenary 1回目はカンファレンス初日(3月2日)の「Opening Ceremony & Plenary」です。 はじめに各主催団体代表の挨拶が行われました。APANは理事会議長の Sureswaran Ramadass氏、APRICOTの主催団体であるAPIAは理事会議長の Philip Smith氏、APNICは事務局長のPaul Wilson氏、そして最後にホストと してAPRICOT-APAN 2015日本実行委員会委員長の細谷僚一氏が登壇しました。 4人全員が共通して触れたのは、またAPRICOTとAPANを共同開催できる喜び、 そしてこれから始まるカンファレンスへの期待感でした。Philip Smith氏か らは、今回が20回目のAPRICOTであること、そして10回目のAPRICOTも日本開 催(APRICOT 2005、京都)だったという不思議な巡り合わせが紹介されました。 10年も先のことですが、「もしかしたら30回目のAPRICOTも!?」と思わずには いられない、日本からの参加者も多かったのではないでしょうか。 その後はハワイ大学のDavid Lassner氏とICANNのElise Gerich氏による基調 講演が行われました。Lassner氏からは太平洋の島々における研究ネットワー クに関する活動が紹介され、Gerich氏はインターネット資源管理の仕組みが 作られた1980年代の出来事を自らの経験を交えて語りました。Elise Gerich 氏の言葉を借りると、Lassner氏が未来を語り、Gerich氏が過去を振り返ると いう、興味深い組み合わせとなった2本の基調講演でした。 ◇ Closing Plenary カンファレンス最終日である木曜日(3月5日)には、Closing Plenaryが行われ、 再び全参加者が大きなホールに集まりました。招待講演では、東京大学の早 野龍吾教授が、東日本大震災および福島第一原発の事故から私たちが何を学 んだのかを解説すると共に、原子物理学者の立場から、心配すべきは事故の 科学的な影響よりも心理的な影響であることが示されました。 最後には再び各主催団体からの挨拶がありました。Sureswaran Ramadass氏は、 設立から20年が経ちメンバーが増えた今でも変わらないAPANの精神を"APAN is you."というフレーズで表現し、APNIC理事会の議長でJPNICの前村昌紀は 「福岡にまたきんしゃい!」という言葉で会を締めくくりました。 ■レセプションも共同で プレナリーセッション以外にもう一つ、APRICOTとAPANが合同で行ったのがレ セプションです。カンファレンス初日と最終日の夜に、それぞれ福岡国際会 議場とホテルオークラ福岡で行われました。 どちらとも多くの方が参加し、特に初日は人と人の間をすり抜けるようにし ないと会場内を移動できないほどの賑わいでした。会の中ほどでは、博多の 伝統芸能である、和太鼓と獅子舞、和楽器の演奏、博多独楽(コマ)、博多芸 妓の余興が行われました。特に博多独楽は外国人参加者の心を捉えたようで、 カメラやスマートフォン、タブレットを構えてステージ付近に集まった方々 は最後までその場を離れず、最後にロープを伝ったコマがくす玉を割った瞬 間には大きな歓声が上がりました。会の様子はAPNICのBlogに写真付きで紹介 されています。 ・APRICOT 2015: Arigato Fukuoka! http://blog.apnic.net/2015/03/09/apricot-2015-arigato-fukuoka/ ■APRICOT-APAN 2015を振り返って 会期中は「前回参加したAPRICOTよりも人が多いな」くらいにしか感じていな かったAPRICOTとAPAN会合の共同開催ですが、最終日に初めてAPAN側のセッショ ン(APAN General Assembly)に参加してみて気付いたことがありました。 JPNICは期間中、APRICOT/APNICカンファレンスのセッションが開催される会 場付近にブースを出していましたが、そこに来てくださった方、熱心に話を 聞いてくださった方、パネルをご覧になっていた方、写真を撮らせていただ いた方、パンフレットを受け取ってくださった方の中にはAPANの方々(=共同 開催でなければ出会えなかった方々)も、実は多くいらっしゃったということ です。私が想像していた以上に、会場内ではAPRICOT/APNICカンファレンス側 とAPAN側の間で、人の行き来は活発に行われていたようです。それに最後の 最後で気付いたことを少しもったいなく感じ、時間を巻き戻したいと思うと 同時に、APRICOT-APAN 2015の大きさをあらためて感じた最終日でした。 ◇ ◇ ◇ 次回のAPRICOT、APNICカンファレンス、APAN会合はそれぞれ以下の日程で開 催されます。 [APRICOT 2016] 2016年2月16日~26日、オークランド(ニュージーランド) [APNIC 40] 2015年9月3日~10日、ジャカルタ(インドネシア) [APAN 40] 2015年8月10日~14日、クアラルンプール(マレーシア) ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。 https://www.nic.ad.jp/ja/tech/glossary.html ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ┃ ◆◇◆◇◆ 本号のご感想をお聞かせください ◆◇◆◇◆ ┃ ┃良かった ┃ ┃→ http://feedback.nic.ad.jp/1288/ad754eb5da7d5043266692b64959cede┃ ┃ ┃ ┃悪かった ┃ ┃→ http://feedback.nic.ad.jp/1288/0a09da0e5a4a2ceabd63adef53b29ffd┃ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ___________________________________ ■■■■■ JPNICの活動はJPNIC会員によって支えられています ■■■■■ ::::: 会員リスト ::::: https://www.nic.ad.jp/ja/member/list/ :::: 会員専用サイト :::: https://www.nic.ad.jp/member/ (PASSWORD有) □┓ ━━━ N e w s & V i e w s への会員広告無料掲載実施中 ━━━┏□ ┗┛ お問い合わせは jpnic-news@nic.ad.jp まで ┗┛  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ =================================== JPNIC News & Views vol.1288 【臨時号】 @ 発行 一般社団法人 日本ネットワークインフォメーションセンター 101-0047 東京都千代田区内神田3-6-2 アーバンネット神田ビル4F @ 問い合わせ先 jpnic-news@nic.ad.jp =================================== ___________________________________ 本メールを転載・複製・再配布・引用される際には https://www.nic.ad.jp/ja/copyright.html をご確認ください  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 登録・削除・変更 https://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/ バックナンバー https://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/ ___________________________________ ■■■■■ News & ViewsはRSS経由でも配信しています! 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