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    /P▲        ◆ JPNIC News & Views vol.1537【臨時号】2017.10.11 ◆
  _/NIC
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◆ News & Views vol.1537 です
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2017年9月上旬から中旬にかけて台湾・台中でAPNIC 44カンファレンスが開催
されました。このカンファレンスのレポートを、本号より連載にてお届けし
ていきます。

連載の第1弾となる本号では、本カンファレンスの全体概要についてご紹介し
ます。次号以降では、技術関連の動向やアドレスポリシー関連の動向をご紹
介する予定です。

また、本カンファレンスの様子は、JPNICブログでも写真を交えてご紹介して
いますので、ぜひご覧ください。

    APNIC 44 フォトレポート
    https://blog.nic.ad.jp/blog/apnic44_photo/

    APNIC 44 ライトニングトークレポート
    https://blog.nic.ad.jp/blog/apnic44-lt/

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◆ APNIC 44カンファレンス報告 [第1弾] 全体概要報告
                                               JPNIC IP事業部 川端宏生
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■ APNIC 44カンファレンスの概要

APNIC 44カンファレンスは、2017年9月7日(木)~14日(木)の日程で、台湾・
台中で開催されました。

主催者からの報告によると、40の国や地域から470名の参加登録がありました。
470名の登録者のうち、383名が実際に会場に足を運んだとのことでした。

開催地である台湾からは152名の登録があったようです。次いで登録者が多
かったのは、バングラデシュの45名です。最近のAPNICカンファレンスでは、
南アジアからの参加者が多いようです。この地域でのインターネットの普及
とも関連があるのかもしれませんね。台湾は日本から近いこともあり、いつ
もは参加されない方とお会いできることを期待していましたが、日本からの
参加は23名にとどまり、次いで、ネパール(19名)、中国および米国(18名)の
順となっていました。

APNICカンファレンスでは、各種セッションを通じて、APNICの現在の状況を
知ることができます。ちょうど1年前に開催されたAPNIC 42カンファレンスで
は、APNIC会員の総数は5,600であったのが、2017年9月上旬時点では6,400と
なっていました。1年で800もの会員が、新規加入しているということがわか
ります。この6,400会員のうち、今回のカンファレンスに参加した会員数は128
ということも併せて発表されています。

これまでのカンファレンスと同様に、会期前半は「ワークショップ」が開催
されました。9月12日(火)からは「チュートリアル」「SIG (Special Interest
Groups)」「BoF (Birds of a Feather)」「AMM (APNIC Member Meeting:APNIC
総会)」の会議・セッションが開催されました。これら以外にも、APNICと関
連の深い、APIX (Asia Pacific Internet Exchange Association)や
FIRST (the Forum of Incident Response and Security Teams)が主催する、
会議・セッションが設けられていました。

当日の資料、ビデオ、発言録は、以下のAPNICカンファレンスのページに掲載
されています。今回参加できなかった方や現地での発言を聞き逃した方も、
これらの資料を一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。

  https://conference.apnic.net/43/program

また、カンファレンス当日の模様は、既にJPNICブログでご紹介していますの
で、こちらも併せてご覧ください。特にカンファレンスの模様は、文字だけ
ではなかなかお伝えできない雰囲気を、写真からお伝えできればと思い、掲
載しています。

  JPNICブログの記事:APNIC 44 フォトレポート
  https://blog.nic.ad.jp/blog/apnic44_photo/


■ Opening Ceremony and Plenaryについて

9月12日(火)から始まった会期後半は、APNIC理事会の議長を務めるGaurab Raj
Upadhaya氏による、Elise Gerich氏への感謝の言葉から始まりました。Gerich
氏はネットワーク関連企業での勤務経験を皮切りに、Internet Planning Group
(IEPG)のCo-Chair、NANOGのCo-Founder、National Science Foundation (NSF)
におけるFederal Engineering Planning Groupメンバー、Internet
Architecture Board (IAB)メンバーなど、インターネットの基盤に関わる活
動において鍵となる役割を担ってきました。身近なところでは、地域ベース
のアドレス分配として、現在のレジストリによる分配モデルのベースとなっ
たRFC1366の著者として知られています。

現在は、ICANNにおけるIANA部門のVice Presidentおよび、米国商務省電気通
信情報局(NTIA)からのIANA機能監督権限移管後に、IANA機能の運用を担うPTI
(Public Technical Identifiers)のPresidentを務めていますが、2017年10月
に双方からの退任が予定されています。

  ICANNによるアナウンス:Elise Gerich to Leave ICANN After Seven Years of Service
  https://www.icann.org/news/blog/elise-gerich-to-leave-icann-after-seven-years-of-service

Gerich氏は会期中、ICANNの立場から、ルートゾーンKSKロールオーバーに関
する対応について積極的に発言や質問を行っていました。JPNICのようなNIR
(国別インターネットレジストリ)がそれぞれの活動について情報共有を行う
NIR SIGにおいても、各国のルートゾーンKSKロールオーバーに関する取り組
みへの反響を質問するなど、ICANNとして重要な課題として取り上げられて
いるルートゾーンKSKロールオーバーに対して、真摯に取り組む姿がとても印
象的でした。Gerich氏への賛辞は、AMMにおいても事務局長Paul Wilson氏か
らもあらためて表明され、存在の大きさに気づかされました。

その後のオープニングセレモニーでは、台湾政府からは運輸通信大臣、開催
地を代表して台中市長、APNIC 44カンファレンスのローカルホストを務めた
TWNICからは理事長が出席し、それぞれ講演を行いました。

運輸通信大臣によると、台湾では、高速ブロードバンドネットワークを推進
しており、人口の90%に対して、2020年までには最大1Gbpsのネットワークを、
2025年までに最大2Gbpsのネットワークを提供することを目標としているそう
です。また、モバイルネットワークの高速化や、空港や高速鉄道でのWi-Fi
ホットスポットの導入などにより、モバイルを利用したインターネット利用
率が急速に上昇したそうです。また、高速ネットワークの展開やIPv6への移
行を促進し、ICTを活用したスマート都市を作り上げていくことに注力してい
るとのことでした。

台中市長やTWNIC理事長からは、開催地の台中は精密機械工業の中心地となっ
ていることの紹介や、有名なスマートフォンのカメラは台中で作られている
ことが紹介されていました。官民が共に協力して、台湾の経済発展につなげ
ようと取り組んでいる姿勢が感じ取れました。


■ 選挙結果のご紹介

APNICカンファレンスでは、情報提供やポリシー提案に関する議論のほかにも、
各種選挙が行われます。今回行われたNRO NCおよびNIRに関わる事項について
議論を行うNIR SIGのCo-Chair選挙結果をご紹介します。

(1) NRO NC: Aftab Siddiqui氏(ISOC・オーストラリア)

  NRO NCは、ICANN理事会がグローバルポリシーを承認する上で、アドバイス
  を行う役割を担います。ポリシーフォーラムより選出された2名と、RIRの
  理事会が指名する1名の合計3名を、各RIR地域の代表者としています。五つ
  のRIRから合計15名で、NRO NCを構成しています。

  Aftab氏は、2018年1月から2年間の任期でNRO NCの役割を担います。

(2) NIR SIG Co-Chair: Zhen Yu氏(CNNIC・中国)

  NIRに関する議論を行うNIR SIGでは、任期満了に伴うCo-Chairの選出が行
  われました。現職Co-Chair 2名のうち、Ajai Kumar氏(NIXI・インド)は退
  任しました。Zhen氏は再選され、今後2年間Co-Chairを務めます。


■ 次回以降のAPNICカンファレンスについて

次回のAPNIC 45カンファレンスはAPRICOT 2018およびSANOG 31カンファレン
スと共催となり、2018年2月19日(月)~28日(水)の日程で、ネパール・カトマ
ンズでの開催が予定されています。

また、APNIC 46カンファレンスはニューカレドニア・ヌーメアで、2018年9月
6日(木)~13日(木)の日程での開催が予定されています。2019年春に開催予定
のAPRICOT 2019/APNIC 47カンファレンスは韓国・大田広域市で、APNIC 48カ
ンファレンスはタイ・チェンマイでの開催が予定されている旨も、併せて発
表されています。

APNICカンファレンスは、RIRやNIRのスタッフ、APNICメンバーに限らず、ど
なたでも自由に参加することが可能です。今回の報告に目を通されて、興味
を持たれた方は、一度参加してみてはいかがでしょうか。特に日本国外での
開催の場合には、ポリシーに関わる議論のほかに、開催地のインターネット
事情を垣間見られる場面に遭遇するかもしれません。また、現地の事業者と
交流する機会もあれば、今後のビジネスチャンスにつながるかもしれません。
JPNICからは職員が毎回参加していますので、多くの方と会場でお目にかかれ
ることを楽しみにしています。


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       わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。
             https://www.nic.ad.jp/ja/tech/glossary.html
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 JPNIC News & Views vol.1537 【臨時号】

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