━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ __ /P▲ ◆ JPNIC News & Views vol.1632【臨時号】2018.10.23 ◆ _/NIC ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ---------- PR -------------------------------------------------------- ★Internet Week 2018★ 11/27(火)?30(金)@浅草橋ヒューリックホール ┏━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┓ ┃技術革新を支えるDNS最新動向を紹介/Akamai様ランチセミナー 11/28(水)┃ ┗━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┛ 詳細 ⇒ https://internetweek.jp/program/l2/ ※参加費無料です! ---------------------------------------------------------------------- ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆ News & Views vol.1632 です ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2018年9月上旬にニューカレドニア・ヌーメアで開催された、APNIC 46カンファ レンスのレポートを、前号より連載にてお届けします。 第2弾となる本号では、技術に関連した話題の中からIPv6の利用状況やWHOIS、 各NIRの動向についてご紹介します。次号では、引き続き技術動向として、パ ブリックDNSの運用に関する話題や、HTTP/2、QUIC、DoHなどの技術解説セッ ションを取り上げる予定です。 なお、APNIC 46カンファレンスの全体概要およびアドレスポリシーに関する 報告については、下記のバックナンバーをご覧ください。 □APNIC 46カンファレンス報告 [第1弾] 全体概要およびアドレスポリシー関連報告(vol.1630) https://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2018/vol1630.html また、本カンファレンスの様子は、JPNICブログでも写真を交えてご紹介して いますので、ぜひご覧ください。 写真でふりかえるAPNIC46 https://blog.nic.ad.jp/blog/blog-apnic46-pict/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「APNIC 46カンファレンス報告 [第2弾] 技術動向報告」 JPNIC 技術部 澁谷晃 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 本稿では、APNIC 46カンファレンスの技術動向に関連したプログラムのうち、 APNICや国別インターネットレジストリ(NIR)に関係するものを3点報告しま す。 ■ オープニング・プレナリでの発表について APNIC 46が開催されたニューカレドニアは、日本からの距離およそ7,000kmに 位置する、南太平洋の島々から構成されています。 オープニングの基調講演では、この南太平洋地域のコネクティビティを支え る技術である海底ケーブルや衛星通信について発表がありました。海底ケー ブルについては、諸島を接続する場合に公的機関による支出が行われたり全 くの民間機関による接続が行われたり事情がさまざまで、興味深い内容でし た。 The Connected Pacific: Cables, Satellites, & Metrics Jonathan Brewer氏 / Telco2 Limited https://conference.apnic.net/46/assets/files/APNC402/The-Connected-Pacific.pdf APNICカンファレンスでは、IPアドレスポリシーの議論が行われるPolicy SIG や、APNICの総会であるAMMの他に、技術的なセッションが開かれています。 今回のAPNICカンファレンスでは、セッションが2日にわたって開かれていま した。 ■APNIC 46で開催された技術的なセッションのテーマ 1日目 https://conference.apnic.net/46/program/schedule/#/day/6 - 太平洋地域の衛星通信による接続について(パネル) - ネットワーク管理の自動化について - 1.1.1.1(パブリックDNSリゾルバ)サービスについて - IPv6動向アップデート 2日目 https://conference.apnic.net/46/program/schedule/#/day/7 - CDNのキャッシングについて(パネルセッション) - HTTP関連の新技術について(HTTP/2、DNS over HTTP、DNS over QUIC) - BGP観測で見られたバグやオペレーションミスについて - IXルータ設定の自動化について - Routing in Fat Trees (RIFT) プロトコル * * 大規模ネットワーク運用のためのプロトコルで、現在IETFで標準化に 向けて議論されている - 通信機器に使われる半導体のオープン化について - KSKロールオーバーについて 【1】技術的なセッションからの話題 ■ IPv6アップデート IPv6の利用に関する統計的な調査が、APNICで行われています。具体的には、 Google社のAdWordsに登録された小さな画像を、あらかじめデュアルスタック のサーバに置いておき、ユーザーのWebブラウザから取得される様子を観測す るというものです。 以前からの発表でも、この調査を通じた分析が紹介されることがありました。 参考: JPNIC News & Views vol.1444【臨時号】APNIC 42カンファレンス報告 [後編] 技術動向報告 https://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2016/vol1444.html 今回は、IPv6が普及している国・地域について何か共通要因があるのか、い くつか仮説を立てて検証してみた、という内容の発表がありました。 仮説の要素は以下のようなものでした。 - 人口1人あたりのGDPの高い国のISPと、IPv6普及の相関 - ユーザー数の増加が急速なISPと、IPv6普及の相関 - IPS内でのIPv4の在庫枯渇と、IPv6普及の相関 - 国別の最大手ISP各社と、IPv6普及の相関 いずれも考察材料としては興味を引くものではあったのですが、こちらも個 別の事情が多々あり、一概に上記の諸事情があるからIPv6普及の相関がある、 といった単純な関係では無いようでした。 とはいえ、多くの国・地域の情報がまとまっており、現在のIPv6普及の様子 を知る上では参考となる内容が含まれていたと思います。 講演のスライドには、詳しい数字や考察が入っています。 An IPv6 Update Geoff Huston氏 / APNIC https://conference.apnic.net/46/assets/files/APNC402/An-IPv6-Update.pdf 【2】APNIC Services からの話題 APNIC関連サービスのアップデートが報告されました。本稿では特にWHOISや RDAPに着目して報告します。 APNICのWHOIS関連サービスの利用状況については、年間の平均的な数字では WHOIS(43番ポート宛)が秒間クエリ数(qps)500であり、RDAPが10qpsであると いうことでした。RDAPのレスポンスタイム改善の手段として2018年4月に新し いサーバでのサービスを始めた他、今後はクライアントの物理的な場所にな るべく依存せずサービスを提供できるよう、クラウドサービスを活用して地 理的に分散化させたサーバ展開を検討しているそうです。 また、APNICを含む五つのRIRで現在RDAPサービスが提供されているものの、 レスポンスのデータの中で連絡先情報をどのように返すかなど、細かい点で 方式が一致していない点が課題となっています。RDAPのクライアント側ソフ トウェア開発者の利便性向上のために、RIR間で協同してドキュメントを整 備中であることも報告されました。 APNIC Registry improvements update Tom Harrison 氏 / APNIC https://conference.apnic.net/46/assets/files/APNC402/APNIC-Registry-improvements-update.pdf 【3】NIR SIGからの話題 NIR SIGでは各NIRから近況報告が実施されました。特に興味深かった点とし て、インドネシアのNIRであるIDNICではIPアドレスなどの資源を管理するシ ステム(myIDNIC)にRDAPを実装中とのことで、実際にアクセスできるデモ版の URLも紹介されていました。 デモ版のURL: http://rdap.idnic.id:1080/rdap/ip/202.182.57.1 また、myIDNICの利用者が別に利用しているIPAM (IP Address Management: IPアドレス管理のためのソフトウェア)のデータを、myIDNICに連携する仕組 みにも取り組んでいる旨の情報共有がありました。レジストリの管理システ ムもIPアドレス管理のサービスという意味では共通しているので、連携でき ると各利用者の利便性向上にはつながる可能性があると思われました。 NIR SIG myIDNIC Roadmap IDNIC Adi Kusuma氏 https://conference.apnic.net/46/assets/files/APNC402/myIDNIC-ROADMAP.pdf ■ 次回以降のAPNICカンファレンスについて APNICカンファレンスは年2回、半年に1度開催されます。今回の参加では、 JPNICでは上記の報告の他、個別にAPNICや各NIRスタッフと情報交換を行いま した。関係者と継続した議論を持てる貴重な機会となっています。 次回のAPNIC 47カンファレンスはAPRICOT 2019カンファレンスと共催となり、 2019年2月19日(火)~3月1日(金)の日程で、韓国・大田広域市での開催が予定 されています。 また、APNIC 48カンファレンスは2019年9月5日(木)~12日(木)の日程で、タ イ・チェンマイでの開催が予定されています。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ まわりの方にもぜひNews & Viewsをオススメください! 転送にあたっての注意や新規登録については文末をご覧ください。 ◇ ◇ ◇ わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。 https://www.nic.ad.jp/ja/tech/glossary.html ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ┃ ◆◇◆◇◆ 本号のご感想をお聞かせください ◆◇◆◇◆ ┃ ┃良かった ┃ ┃ http://feedback.nic.ad.jp/1632/4b0ccbe2855c4e3923c05c2d9719bacb ┃ ┃ ┃ ┃悪かった ┃ ┃ http://feedback.nic.ad.jp/1632/ad98b146cf1056708af08b7a41ad3933 ┃ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ___________________________________ ■■■■■ JPNICの活動はJPNIC会員によって支えられています ■■■■■ ::::: 会員リスト ::::: https://www.nic.ad.jp/ja/member/list/ :::: 会員専用サイト :::: https://www.nic.ad.jp/member/ (PASSWORD有) □┓ ━━━ N e w s & V i e w s への会員広告無料掲載実施中 ━━━┏□ ┗┛ お問い合わせは jpnic-news@nic.ad.jp まで ┗┛  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ JPNIC News & Views vol.1632 【臨時号】 @ 発行 一般社団法人 日本ネットワークインフォメーションセンター 101-0047 東京都千代田区内神田3-6-2 アーバンネット神田ビル4F @ 問い合わせ先 jpnic-news@nic.ad.jp ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ___________________________________ 本メールを転載・複製・再配布・引用される際には https://www.nic.ad.jp/ja/copyright.html をご確認ください  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ◇ JPNIC Webにも掲載していますので、情報共有にご活用ください ◇ 登録・削除・変更 https://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/ バックナンバー https://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/ ___________________________________ ■■■■■ News & ViewsはRSS経由でも配信しています! ■■■■■ ::::: https://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/index.xml :::::  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ■■◆ @ Japan Network Information Center ■■◆ @ https://www.nic.ad.jp/ ■■ Copyright(C), 2018 Japan Network Information Center