━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ __ /P▲ ◆ JPNIC News & Views vol.1725【臨時号】2019.11.8 ◆ _/NIC ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ---------- PR -------------------------------------------------------- 【株式会社SRA】 ┏━━━■ WEBアプリテスト、まだ手作業で行いますか? ■━━━━━┓ ┃ WEBアプリケーションテストの省力化を加速させる、実現させる ┃ テスト自動化ツール「Testablish」 詳しくはこちら↓ ┗━━━━━━━━━━━━━━━ https://www.sra.co.jp/testablish/ ---------------------------------------------------------------------- ---------- PR -------------------------------------------------------- ★Internet Week 2019★ インターネット最新技術動向を学ぶ! 主催:JPNIC ┏━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳┓ ┃IPv6への新陳代謝進行中!実例でご紹介『Hello IPv6,Good bye IPv4』┃ ┗━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻┛ 詳細はこちら ⇒ https://internetweek.jp/program/s02/ ---------------------------------------------------------------------- ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆ News & Views vol.1725 です ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2019年9月上旬に、タイのチェンマイでAPNIC 48カンファレンスが開催されま した。vol.1721に続けて、本会合における技術関連の動向として、WHOISや IPv6に関連した話題をご紹介します。 なお、本カンファレンスの全体概要や、アドレスポリシーに関する動向につ いては、下記のバックナンバーをご覧ください。 □APNIC 48カンファレンス報告 [前編] 全体概要およびアドレスポリシー関連報告(vol.1721) https://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2019/vol1721.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆ APNIC 48カンファレンス報告 [後編] 技術動向報告 JPNIC 技術部 澁谷晃 JPNIC 技術部 佐藤秀樹 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ APNICカンファレンスでは、IPアドレスポリシーの議論が行われるPolicy SIG や、APNICの総会であるAMMの他に、技術的なセッションも開かれています。 今回のカンファレンスは、RPKIやセキュリティに関する話題が広く取り上げ られていた印象ですが、その他にもAPNICのサービスの紹介や、IPv6などの セッションも開催されましたので、このメールマガジンではその紹介を行い ます。 ■ APNICサービスの紹介 1日目に行われた"APNIC Products & Services"セッションでは、APNICの提供 サービスについて広く紹介がされました。ここでは特にWHOIS等のレジストリ 運用技術の動向についてご報告します。 ○WHOISのスタブ対応 RIR間でIPアドレス移転ができるようになってから発生している、WHOIS検索 の問題についてAPNICのGeorge Michaelson氏から発表がありました。 問題の内容は、下記のような場合のことでした。 RIR間でIPアドレスの移転があった際、RIRに割り振られたネットワーク(例: あるIPv4ネットワークの/8)のうち、一部分のみ(例:該当ネットワークの/24) が別RIRに移転する場合があります。 その場合、該当の一部分(/24)について元のRIRにWHOISの問い合わせがあった とき、WHOISの挙動としては、移転で無くなった部分そのもの(/24)ではなく、 そこを含むネットワーク(/8)を答えることになるため、WHOISを参照するだけ では移転のあったことがわかりづらくなります。 APNICではこの問題の対応として、RIPEのモデルを参考とし、移転があった ネットワークについて、移転があったことを示す表示をした上で、WHOISが応 答をするようにシステムの改修を行うことにしました。このような移転があっ たデータを「スタブ」のレコードとして扱い、下記のような表示をすること になります。 国コード : ZZ (ISO 3166 にて国名コード不明のものとして定義) (不明のものとするのは、移転があった後は移転元で は最終的にどこになるのかわからないため) ステータスコード : allocated portable 発表当時は、APNIC 48後に実装予定と発表していましたが、本稿執筆現在は APNICのWHOISサービスにて、実際にスタブの旨の表示がされることが確認可 能になっています。 ○RDAP (Registration Data Access Protocol)の開発について WHOISの次世代プロトコルとして各レジストリで実装が進められているRDAPに ついて、Tom Harrison氏からAPNICの取り組みの発表がありました。 現在、APNICと連携している各NIRから受け取った、WHOIS表示用のデータを APNICは保持していますが、これをRDAPで表示できるような形式に変換して、 APNICはRDAPサービスを提供しています。ただし、機械的に変換するだけでは RDAPとして適したデータにならない場合もあるので、個別にNIRと調整が必要 な場合があります。 また、RDAPの仕様として、IPアドレスなどの資源情報の問い合わせがあった とき、他のレジストリが管理する資源情報であれば、当該レジストリに問い 合わせを転送できる機能があります。RIR間の問い合わせであれば、APNICも この機能は実装済みです。この機能をNIRの資源情報についても実装できるよ う、該当NIRのRDAPサーバに転送できる仕組みを構築しているとのことです。 現在のところ、APNICと連携しているNIRではRDAPはサービス実装されていな いので、便宜的な名前空間として<nir-name>.rdap.apnic.net といったURLで 応答する検証をしています。 なお、発表の時間外でJPNICは別途APNIC技術陣と対面で相談の時間を取り、 JPNICがRDAPを実装する場合の連携など詳細を情報交換しております。JPNIC のRDAP実装については検討を進めていますので、またご報告できる段階にな りましたら別途何らかの手段でお知らせいたします。 当日の様子や資料は下記Webページで紹介されていますので、ご興味のある方 はご覧ください。 APNIC Products & Services https://conference.apnic.net/48/program/schedule/#/day/6/apnic-products--services ■ IPv6 Deploymentからの話題 2日目に行われたIPv6 Deploymentのセッションでは、タイ、日本、ベトナム、 トンガ各地域の事例紹介と、IPv6 Performanceと題した利用動向分析の紹介 がありました。 ここでは、APNICのGeoff Huston氏によるIPv6 Performanceセッションを紹介 します。 「IPv6のパフォーマンスがIPv4と比較して良いのか」ということはIPv6化の 検討を行う際に話題に上がることがあると思います。これをAPNICにて測定、 分析を行った結果が紹介されました。 測定は毎日行われており、結果はWebサイトで公開されています。また、地域 やAS番号別に、誰でも参照することが可能です。 計測は約1200万のサンプルのうち、デュアルスタックとなっている22%の端末 に対して行われています。方法ですが、一つのサーバにIPv4とIPv6のそれぞ れを利用する二つのURLを用意し、パケットキャプチャーをすることにより、 それぞれのTLSセッションのSYN/ACKの交換の成否と遅延を観測しています。 分析の結果、IPv6のパフォーマンスは地域により異なる傾向にあることが紹 介されています。トランスレーション技術などにより、影響が発生している 可能性があることが指摘されていました。 日本の状況は以下のリンクで確認することができます。 Average RTT Difference (ms) (V6 - V4) for Japan (JP) https://stats.labs.apnic.net/v6perf/JP 2018年6月頃まではIPv4のパフォーマンスが勝っていることが多かったようで すが、それ以降改善し、2019年では、その差は若干ですがIPv6の方が勝って いる時期が長いようです。 なお、地域別の事例の紹介として日本の事例を紹介されていたのは、ソフト バンク社の安力川幸司氏です。日本のモバイル事業者におけるIPv6サービス の対応状況の説明でした。 その他、タイの通信事業者True社によるIPv6化の事例や、近年急速にIPv6化 を進め、APNICの分析では日本を上回る普及率となったベトナムの動向や、ト ンガでのIPv6導入の苦労話が紹介されました。 当日の様子や資料はWebページで紹介されていますので、ご興味のある方はご 覧ください。 IPv6 Deployment https://conference.apnic.net/48/program/schedule/#/day/7/ipv6-deployment2 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ まわりの方にもぜひNews & Viewsをオススメください! 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