━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ __ /P▲ ◆ JPNIC News & Views vol.1893【臨時号】2021.12.24 ◆ _/NIC ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆ News & Views vol.1893 です ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 第112回IETFミーティングが、2021年11月8日(月)~12日(金)にかけて、オン ラインで開催されました。この会合の報告を、本号から連載にてお届けしま す。第1弾となる本号では、日程や参加者数の推移など会合に関する概要のほ か、会合でのホットトピックをご紹介します。 本号の内容は、JPNICブログでもご覧いただけます。ブログ記事では写真や図 表などを用いたよりわかりやすい内容となっておりますので、ぜひブログで ご覧ください。 JPNICブログ:IETF標準化報告 [第1弾] ~IETF 112より~ https://blog.nic.ad.jp/2021/7080/ なお、本号が2021年最後のJPNIC News & Viewsとなります。今年も1年間ご愛 読いただきまして、ありがとうございました。また来年もよろしくお願いいた します。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆ IETF標準化報告 [第1弾] ~IETF112より~ JPNIC 技術部/インターネット推進部 木村泰司 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2021年は、新型コロナウィルスの影響下、IETFミーティングがオンラインで 行われた年でした。オンライン開催のはじめの頃は、参加人数は1,000名近く にまで落ち込み、2年ほど前の1,500人よりも減った状態でした。しかし、徐々 に増加しており、1,300名台にまで回復しています。 第112回IETFミーティング(IETF 112)の様子について報告する「IETF 112 報 告会」(*1)が、2021年12月17日(金)にISOC-JPとJPNICの共催(後援:WIDEプロ ジェクト)で開催されました。順次資料が公開され、またYouTubeのJPNICチャ ンネル(*2)で録画を閲覧できるようになる予定ですので、ぜひご覧いただけ ればと思います。公開しましたら、また改めてお知らせいたします。 (*1) https://www.nic.ad.jp/ja/topics/2021/20211210-02.html (*2) https://www.youtube.com/channel/UC7BboGLuldn77sxQmI5VoPw ■ IETF 112の概要 IETF 112は、2021年11月、オンラインで開催されました。本来の開催地であ るスペイン・マドリードのタイムゾーンで行われたため、WGのミーティング は日本時間の午後9時から次の日の午前3時の間に行われました。参加者の中 には、日中の勤務の後にWGセッションに参加する方もいました。 [WGセッションの開始と終了の時刻] WGセッション開始 21:00 WGセッション終了 (+1) 3:00 sideミーティング等の終了 (+1) 4:00 以降では、IETF 112におけるホットトピックをお届けします。 ■ アプライド・ネットワーク・リサーチ賞(ANRW) アプライド・ネットワーク・リサーチ賞(Applied Networking Research Prize)は、IETFやIRTFの参加者による技術適用や応用に関わる研究に対して 一年に一度ノミネート、選考され、優れたものを表彰する活動です。 受賞者には1,000米ドルが送られるほか、IRTFオープンミーティングで講演を 行うことができ、IETFミーティングへの参加にかかる費用が支弁され、IETF全 体会合(Plenary)で表彰されるなどします。 2021年の受賞者はIETF 111から発表されており、今回はその続きで以下三つ の研究が発表されました。 ○xBGP: IETFやベンダーを待てないとき(xBGP: When You Can't Wait for the IETF and Vendors) 著者:Thomas Wirtgen, Quentin De Coninck, Randy Bush, Laurent Vanbever, and Olivier Bonaventure ○現代のWebサービスにおけるサードパーティ・サービスへの依存の分析: 私 たちはMirai-Dynのインシデントから学んでいるか?(Analyzing Third Party Service Dependencies in Modern Web Services: Have We Learned from the Mirai-Dyn Incident?) 著者:Aqsa Kashaf, Vyas Sekar, and Yuvraj Agarwal ○ありのままの自分で来て: 変更されていないクライアントのアクセスをサー バ側で検閲から回避する(Come as You Are: Helping Unmodified Clients Bypass Censorship with Server-side Evasion) 著者:Kevin Bock, George Hughey, Louis-Henri Merino, Tania Arya, Daniel Liscinsky, Regina Pogosian, and Dave Levin これらの講演の動画を、ANRWのページの「Past Prize Winners」(*3)で見る ことができます。 (*3) https://irtf.org/anrp/ ■ HotRFC IETF 112では、しばらく休止していたHotRFCが行われました。HotRFCは Request for Conversation/対話のリクエストの略で、IETFにおける活動紹介 などが行われるセッションです。今回はこれまでのようにライトニングトー ク形式ではなく、ゲーム画面中を移動して展示を見たり複数の参加者とビデ オ通話をしたりできるサービス「Gather」を使ったセッションになりました。 HotRFCで照会された活動の一覧は「HotRFC Agenda」(*4)で閲覧できます。ま た、Gatherの中で流されたプレゼンテーション動画は、YouTubeのプレイリス ト「IETF 112:HotRFCs」(*5)で閲覧することができます。 (*4) https://datatracker.ietf.org/meeting/112/materials/agenda-112-hotrfc-sessa-20 (*5) https://www.youtube.com/playlist?list=PLC86T-6ZTP5j9nbbdrjzW_Urw_NTBXbGz ■ IETF 112で行われたBoF IETF 112では、一つのBoFが開かれました。 ○priv(プライバシーに配慮した値の組み込み / Privacy Respecting Incorporation of Values) Webブラウザがユーザの個人を識別しないものの、適切にレンダリングできな いサイトの情報を収集したり、公的機関が個人を特定せずにユーザーが特定 の病気であることを調べたりするといったことに関する、仕組みの議論を扱 うBoFです。WG設立を目指しています。 人口統計や医療といったパブリックな調査を行う時に、プライバシーに配慮 するために、Prioといった暗号技術を使って値を集約して傾向を調べるよう な仕組みが提案されています。詳しくは「Privacy-Preserving Measurement」 (*6)をご覧ください。 (*6) https://datatracker.ietf.org/doc/bofreq-privacy-preserving-measurement/ ■ 日本からの参加者数の低迷 ここ5、6年ほどで、日本からの参加者数が60名弱に減ってきています。 この影響からか、WGの中には日本からの参加者がおらず、そのWGでの活動が なかったり、国内で情勢を伝えてくださる方がいなかったりする様子があり ます。 JPNICではより多くの、もしくは多様な人に国際的な標準化活動に目を向けて いただけるように、各種勉強会や報告会(ISOC-JPと共催)を開催しています。 今後も企画してまいりますので、ぜひご参加いただければと思います。 ■ 次回の第113回IETFミーティング 次回の第113回IETFミーティングは、2022年3月19日(土)から25日(金)に、オー ストリア・ウィーンで行われる予定になっています。ハイブリッドでの開催 となります。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。 https://www.nic.ad.jp/ja/tech/glossary.html ◇ ◇ ◇ メールマガジン以外でも、情報を発信しています! 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