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    /P▲        ◆ JPNIC News & Views vol.2087【臨時号】2024.7.1 ◆
  _/NIC
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◆ News & Views vol.2087 です
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プエルトリコ・サンフアンで開催された第79回ICANN会議を受けて、恒例とな
る第69回ICANN報告会を開催しました。今回のICANN会議でも、次期新gTLDの
募集やDNS Abuse、登録データリクエストサービス(RDRS)に関する話題が議論
されたほか、ASO ACによるワーキングセッションや、ルートサーバシステム・
ガバナンス・ワーキンググループのセッションが取り上げられました。

なお、本報告会の資料はJPNIC Webで公開しておりますので、こちらも併せて
ご参照ください。

  第69回ICANN報告会
  https://www.nic.ad.jp/ja/materials/icann-report/20240416-ICANN/

また、2024年6月中旬に開催された第80回ICANNキガリ会議の報告会(第70回
ICANN報告会)については、2024年7月25日(木)午後にオンラインにて開催予
定となっております。プログラムなど詳細につきましては、追ってお知らせ
いたします。

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◆ 第69回ICANN報告会レポート
                                 JPNIC インターネット推進部 藏増明日香
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2024年4月16日(火)に、第69回ICANN (The Internet Corporation for 
Assigned Names and Numbers)報告会をオンライン形式で開催いたしました。
報告の対象となった第79回ICANN会議(以下ICANN79)は、2024年2月20日(火)か
ら22日(木)にPrep Week(会期前インプットセッション)が開催され、本会議が
3月2日(土)から7日(木)に開催されました。同会議の開催地はプエルトリコ・
サンフアンで、現地開催とオンライン開催とのハイブリッド開催の形式で行
われました。


■ プログラム

今回のICANN報告会のプログラムは、次の通りでした(話者敬称略)。

1. ICANN79会議概要報告
    ICANNジャパン・リエゾン  大橋 由美

2. 国コードドメイン名支持組織(ccNSO)関連報告
    株式会社日本レジストリサービス  高松 百合

3. ICANN政府諮問委員会(GAC)報告
    総務省 総合通信基盤局電気通信事業部データ通信課  片柳 早苗

4. GNSOレジストリ・レジストラ部会報告
    株式会社インターリンク  ジェイコブ・ウィリアムズ

5. 次期新gTLD申請手続きポリシー検討状況報告
    GMOブランドセキュリティ株式会社  寺地 裕樹

6. 理事会を中心とした活動の報告
    JPNIC  前村 昌紀

7. ICANNの技術政策情報に関する報告
    JPNIC  大谷 亘

それぞれの報告の内容について、以下、簡単にご紹介します。


■ ICANN79会議概要報告

ICANNジャパン・リエゾンの大橋氏からは会議概要に関連し、開催地や参加者
数について報告いただきました。現地参加1,189人、リモート参加が114ヶ国・
地域から548人の参加があったとのことで、北米からの参加が現地参加全体の
57%と最も多かったとのことでした。大橋氏からは会議中に注目を集めたト
ピックとして、以下の紹介をいただきました。

・新gTLDの次回ラウンド(次期募集に向けた進捗状況)
・DNS不正利用
・Registration Data Request Service (RDRS)
・地政学的動向と規制・政策動向

新gTLD次回ラウンド開始に向けた進捗状況についてはスケジュールに変更は
なく、2026年第2四半期開始をめざしていることや、申請者ガイドブック
(Applicant Guidebook/AGB)について2025年5月までに作成作業を終了させ、
2025年第2四半期に意見募集を行う予定であること、その後AGBは2025年12月
までに承認し公開を予定していること等が報告されました。

DNS不正利用に関連した話題としては、2024年4月5日付でレジストリ契約(RA)
およびレジストラ認定契約(RAA)の改正が施行されたことが報告されました。

他に大橋氏からは、RDRSに関連する話題として、登録者情報開示のための試
験的なシステムであるRDRSについて、データ収集のために法執行機関や知的
財産権関係者からのフィードバックを求めており、システムの試験運用への
参加や情報の提供が呼びかけられました。

地政学的同行と規制・政策動向(Geopolitical, Legislative, and 
Regulatory Development Update)とは、近年のICANNの世界的な動きへの取り
組みについてICANNのGovernment and Intergovernmental Organization 
Engagement (GE)チームにより報告されたセッションであり、WSIS+20やITU
への関与、ICANNに影響を及ぼす可能性のある世界的な規制等の監視といった
取り組みについて報告されたとのことでした。

大橋氏からはその他の話題として、2024年ICANNコミュニティ・エクセレンス
賞に前GAC議長のManal Ismail氏が選ばれたことや、ICANNの倫理方針につい
て改正が検討されており、ICANNのポリシー策定への参加者に自身が代表する
組織等の情報開示を求めることが検討されていることが報告されました。

他に大橋氏からは、アジア地域でのイベントスケジュールの紹介と、ICANNが
意見募集を実施している案件について解説がありました。


■ 国コードドメイン名支持組織(ccNSO)関連報告

ccNSOに関しては、JPRSの高松氏より、ICANN79におけるccNSOの会合全般につ
いて報告いただき、また、ICANN79におけるトピックとして以下のトピックと
会合について報告いただきました。

・IDN ccTLDに関するポリシー検討
・ccTLDの管理のあり方に関する議論

IDN ccTLDに関するポリシーについては、IDN ccTLDを早期に実現するための
プロセスとして「ファストトラックプロセス」と呼ばれるプロセスが実施さ
れていました。このプロセスの検討結果を正式なポリシーとするための作業
(ccPDP4 と呼ばれている)が実施されており、ICANN79でccNSO評議会にて承認
され、ccNSOでの投票を経た後にICANN理事会に送られる予定とのことでした。

高松氏からは、.lb(レバノン)の管理者不在のケースがきっかけとなって
ccTLDの管理の問題について議論が行われていることも紹介されました。この
ケースというのは、.lbの管理責任者(個人)が死亡し、.lbの管理者が一時的
に不在となってしまったというものです。実はこうしたケースを想定したルー
ルが無かったため、ccNSOでは評議委員会にて議論が行われており、ICANN79
でも例えば管理責任者が辞任したいと申し出た場合や、管理責任者が突然死
亡した等のケースを想定した議論が行われたとのことでした。

高松氏からは他に、ccNSO執行部(議長、副議長2名)の交代があったことについ
て、報告をいただきました。


■ ICANN政府諮問委員会(GAC)報告

総務省データ通信課の片柳氏からは、ICANN79でのGACにおける話題を中心に
報告いただきました。ICANN79でのGAC会合には71の国・地域と9の団体(オブ
ザーバー)から出席があったとのことでした。会合での主なトピックとしては、
以下の三つを挙げていただきました。

・新gTLDの募集に向けた整理等
・DNS不正利用(DNS Abuse)
・登録データリクエストサービス(RDRS)

新gTLD募集については、発展途上国からの申請への支援(Applicant Support
Program/ASP)や、新gTLD申請者による誓約事項(PIC/RVC)が主な話題だったと
のことでした。ASPについては前回の2012年のラウンドで200万ドルの予算が
用意されていたにもかかわらず3件しか申請が無く、また、実際に申請手数料
の減免の適用を受けた申請者が1社しかなかったことから、次期申請ラウンド
では制度がもっと利用されるよう、周知等が必要ではないかとの結論となり、
ICANNへの勧告も行われたとのことでした。
 
誓約事項(PIC/PVC)については、ICANN Bylawsの修正の可能性も含めた法的な
問題の側面もあるため、慎重な議論が行われるべきであるとの結論に至り、
ICANN側にもそのように勧告したことが報告されました。
 
DNS不正利用(DNS Abuse)については、大橋氏からも報告された通り、2024年
4月5日付でRA・RAAの改正が行われ、改正によってDNS Abuseへの対応や措置
がレジストリ・レジストラに明確に義務付けられました。ICANN79でのセッ
ションでは、総務省の西潟暢央氏が、米国、欧州委員会とともにセッション
を主導され、改正された項目の取り扱いについてICANNの見解を聴取したり、
またセッションでは米国連邦取引委員会よりオンライン詐欺の現状について
報告があったりしたとのことです。

また片柳氏からは、RDRSをめぐる状況について報告いただきました。ICANN79
ではRDRSについて、ベライゾン社および米国(FBI)等から、RDSに情報開示を
依頼しても必要な情報が手に入らないといった指摘や改善点の指摘がなされ
たとのことでした。総務省もRDRSを通じて海賊版サイトである疑いがあるペー
ジのドメイン名について情報公開を申請した結果をもとに、同様の指摘を行っ
たとのことです。

片柳氏からは他に、ICANN79の初日に行われた能力開発ワークショップや、
2024年6月9日開催のハイレベル政府会合開催に向けての準備状況、GAC新議長
による戦略計画(Strategic Plan)の作成、また、ICANN79で他の会合同様に
GAC会合でもオープンマイクが実施されたことについて、報告をいただきまし
た。


■ GNSOレジストリ・レジストラ部会報告

インターリンクのジェイコブ・ウィリアムズ氏から、ICANN79でのレジスト
リ、レジストラ部会でのトピックを紹介いただきました。ICANN79ではそれぞ
れ三つの会合が行われたとのことです。レジストラ部会での主なトピックと
して、以下を報告いただきました。

・DNS Abuse
・登録データリクエストサービス(RDRS)
・登録者データポリシー
・AGP(登録猶予期間)制限ポリシー(AGP Limits Policy)
・立法・規制事項に関する議論
・その他のポリシー関連アップデート

DNS Abuseに関しては、2024年4月5日施行のレジストリ契約(RA)・レジストラ
契約(RAA)に関連して、ICANNコンプライアンスがDNS Abuseについて監査を行
う予定があるかどうかを確認したところ、実施予定は無いとの回答だったこ
とが報告されました。

登録者データポリシーについては、2024年2月21日にポリシー実施以降の移行
スケジュール(完全な移行完了は2025年8月21日予定)の説明があったほか、新
ポリシーへの完全な移行に向けてCPHからデータ処理仕様(DPS)の案の提示が
レジストリとレジストラにあり、調整のセッションが開催されたとのことで
した。

RDRSについては、ICANN79でのセッションで、2023年11月に試験的なプログラ
ムとして開始して以降の運用状況について、IPCとBCが経験と見解を共有した
とのことでした。情報開示申請の35%ほどしか認められず、プライバシーを
理由に開示が拒否されたケースがあり、また、情報開示は拒否されたものの
Abuse利用されているページは閉鎖されたケースがあった等の事例が紹介され
たとのことでした。RDRSの試験運用に参加していないレジストラもあるため、
実際に情報開示まで至るケースは限定的で、一方、レジストラはこの新たな
仕組みに実質手弁当で参加している実情があるため、情報開示申請者からも
レジストラからも、多くの不満が表明されている状況が報告されました。

AGP(登録猶予期間)制限ポリシーについては、これまでの議論に引き続き、ド
メイン名テイスティング(試し登録)を制限するための方策について議論が行
われたことについて報告いただきました。大量のドメイン名を登録し、登録
猶予期間内にアクセス数がある程度あったドメイン名だけを残して残りのド
メイン名の登録を取り消すことによって、レジストラに負担が生じているに
もかかわらずレジストリはあまり問題意識を持っていない状況で見解の相違
があり、引き続き議論が行われる予定とのことでした。

ポリシーに関連するトピックとしては、レジストラ間のドメイン名移転ポリ
シーについて、進捗状況と今後のスケジュールについて報告いただきました。
各検討課題の検討作業はほぼ終了しており、年内にPDPとしての最終報告書を
まとめる予定となっており、その後2025年前半にGNSO評議会の承認を得た後
に、実施の作業が順調に進めば2026年下期または2027年中に新たな移転ポリ
シーが完成する可能性があるとのことでした。

ウィリアムズ氏には、筆者からRDRSへの好意的な評価の有無や、動きが見え
ないEDDPおよびERRP各ポリシーに関する進捗状況について質問させていただ
きました。ウィリアムズ氏によればRDRSについては好意的な評価はあまり聞
かれなかったとのことで、EDDPおよびERRPについてはICANN79では未決事案と
して挙げられた程度で、特段話題には挙がらなかったとの回答をいただきま
した。

ウィリアムズ氏の発表中、RDRSへの情報公開リクエストの中には純粋に問い
合わせをしているのではなく、データを収集する目的でリクエストを送って
いるケースがあるとの指摘がICANN79での会合中あった点について、会場から
どの程度あるかとの質問がありました。


■ 次期新gTLD申請手続きポリシー検討状況報告

GMOブランドセキュリティの寺地裕樹氏からは、次期新gTLD申請手続き
(SubPro)に関する進捗状況について報告いただきました。

寺地氏からは、ICANN78以降の進捗として、申請者ガイドブックや類似文字列
のレビューガイドライン等について意見募集期間に入ったものがあることを
挙げていただきました。また、次期新gTLD申請開始に向けて、以下の四つの
大きな流れがあることについて説明いただきました。

・申請者サポートプログラム(Applicant Support Program/ASP)
・レジストリサービス事業者の技術評価(Registry Service Provider 
  Evaluation)
・システム開発等のための要件定義
・開発

意見募集については、申請者ガイドブック(ASP)の内容やASPが根拠とする原
則について意見を募集する形となりました。例えば地理的な名称を含む文字
列の申請があった場合には、関係組織から異論が出ないことが登録の条件に
なるとの原則や、赤十字/赤新月/国際オリンピック委員会(IOC)/政府間国際
機関(IGO)等の名称を含む文字列は「予約語」として第三者が登録できないと
いった原則、ユニバーサルアクセプタンス(UA)の理解やUAを考慮に入れるこ
とが登録条件に含まれること、ベンダーに求められる行動規範や利益相反に
関する原則、文字列の類似性の判断基準、レジストリの評価方法等に関する
原則が含まれます。寺地氏からは、各原則や意見募集のポイントについて解
説がありました。

次期新gTLD申請開始は、2026年の第2四半期(具体的には4月)を予定していま
すが、新gTLDを扱うレジストリとしての評価を受けるための申請については
申請費用は未定ながら、申請期間は2024年11月から2025年5月20日となること
が決まっているとのことでした。

寺地氏からは最後に、理事会の判断待ちのため保留となっている項目につい
て説明がありました。この中には、Registry Voluntary Commitments 
(RVCs)に従った新gTLD運用を、次期新gTLDラウンドで認めるか否かとの問題
も含まれていました。

前回の新gTLDラウンドでGACからの勧告をきっかけとして導入されたPublic 
Interest Commitments (PICs)に関する定めは、現在ではSPECIFICATION 11と
してすべてのレジストリ契約に含まれています。PICsが含まれていることに
よってレジストリは、ICANNとレジストリ契約を取り交わす時点で、特定の
gTLDにAbuse行為に利用させないことや定期的な技術分析を行うこと等の内容
をレジストリ・レジストラ間の契約に含めることを、レジストリ契約内で
ICANNに対して誓約する形となっています。

一方、次期新gTLD申請ラウンドから、レジストリが自主的な誓約事項として
設定することを検討していたRegistry Voluntary Commitments (RVCs)という
概念は、PICsとは別の誓約事項となるものであり、特定のgTLDの使い方に関
する約束事等まで含める可能性があるため、コンテンツ等への介入の根拠と
なる可能性があるものです。

このRVCsを次期新gTLD導入時に本当に取り入れ、内容に強制力を持たせるの
であれば(つまり誓約違反があった場合等にICANN側がRVCs違反を理由に介入
できるような効力を持たせるのであれば)、ICANN Bylawsに改正も必要とな
る、大きな変更であることが問題視されてきました。理事会は、RVCs導入を
認めるか否かについては判断保留を継続していました。

寺地氏からはRVCs以外にも、プライベートオークションの扱い等、ICANN理事
会の判断が確定していない項目について、説明いただきました。


■ ASO・理事会を中心とした活動の報告

JPNICの前村からは前回の報告会以降の、ICANN理事会決議を中心とした理事
会の動向について報告したほか、ICANN79で印象に残ったセッションとして、
ASO ACによるワーキングセッションとルートサーバシステム・ガバナンス・
ワーキンググループのセッションを紹介いたしました。
 
ASO ACは、ICANN79で3日間にわたって毎日四つのセッション(計12セッション)
を開催し、Internet Coordination Policy (ICP)-2と呼ばれる、地域インター
ネットレジストリ(RIR)新規設立のためのルール(Criteria for 
Establishment of New Regional Internet Registries)の改正作業をテーマ
にしていました。この既存のルールは、RIRの新規設立については定めていた
ものの、RIRが適性を欠く事態に陥った場合のことが想定されていなかったた
め、AFRINICの運営問題をきっかけに見直しが行われているものです。本件は
NRO Executive CouncilからNRO Number Councilに検討が依頼され、2年ほど
かけて改正を完了させる予定のようだとのことでした。

また前村からは、ルートサーバシステム・ガバナンス・ワーキンググループ
の活動状況に関連するセッションを紹介いたしました。同グループの活動は、
JPRS堀田博文氏からもICANN報告会で過去に何度か報告をいただいています
(直近では、2023年11月30日開催の第68回ICANN報告会にて報告いただきまし
た)。第68回ICANN報告会で堀田氏からも、「ルール策定の前に、前提となる
べき原則の確認を行っている」旨の報告をいただいておりましたが、ICANN79
でのセッションでも、「ルートサーバシステムのガバナンスに意見を言うこ
とができるステークホルダーとは誰か」ということがテーマになっていたと
のことでした。

また、ICANN大橋氏からも報告があった、ICANNのGlobal Engagement (GE)チー
ムによるセッションに言及いたしました。同セッションでは、国連、ITUの動
向やEUにおけるデジタル法制等の動きが分かるようになっており、充実した
内容となっていたとのことで、セッション中、IGOによる動きが激しい中、技
術コミュニティからも声を上げていくことを呼びかける発言が多く聞かれた
とのことでした。また前村からは、WSIS+20をはじめとするIGOの動向に関す
る情報共有のためのメーリングリストが作成されたことがアナウンスされ、
自身も参加していることをお話しいたしました。

前村からは最後に、2010年から14年間ICANN幹部職員としてICANNにおける
Policy Development Supportグループを率いたDavid Olive氏が、2024年5月
をもってICANNを退職することが発表されたことを紹介いたしました。


■ ICANNの技術政策情報に関する報告

JPNICの大谷からは、JPNICによるICANN関連情報提供状況について報告をいた
しました。

JPNICでは、2023年よりICANNの動向に関する情報提供を強化しており、技術
情報についてはJPNICブログでの配信を開始しています。ブログでは主に、
ICANN OCTO/RSSAC/SSACの公開文書の要約等を日本語で提供しています。

大谷からは最近の注目されるテーマとして、プライベート用途TLD (SAC113)
を紹介いたしました。プライベート用途TLDは本来内部システムのみで使用さ
れることが想定されていますが、万一インターネット上で使用された場合に
グローバルDNSにおけるTLDと衝突を起こす可能性があり、また、ルートサー
バへの負荷を増大させる可能性がある等の問題を抱えています。SAC113は、
問題回避のために順守されるべき原則(プライベート用の文字列の予約、ルー
トゾーンからの委任の絶対的禁止、文字列選定基準に関する取り決め)を示し
ています。

また大谷より、ICANN OCTOによるITHI Projectを紹介いたしました。ITHIと
は、Identifier Technologies Health Indicatorsの略で、IPアドレスやドメ
イン名の健康度やトレンドを継続的に計測し、トラフィックや脅威情報の分
析結果がほぼ毎月公開されているものです。OCTOが行っているプロジェクト
としては、Abuseに関する長期的な調査分析を目的とする、Domain Abuse 
Activity Reporting (DAAR)もあり、DAARについてもICANNの以下のページで
情報が公開されています。

  Domain Abuse Activity Reporting
 https://www.icann.org/octo-ssr/daar

JPNICが公開する、ICANNの技術政策関連文書は以下のページでご覧いただけ
ます。

  ICANN技術政策文書の記事一覧
  https://blog.nic.ad.jp/category/icann技術政策文書/


■ 質疑応答

最後に質疑応答として、2024年4月5日から施行されている、改正されたRA・
RAA が定めるAbuse対策として、業者の立場としてはどの程度のことをしなけ
ればならないのか、ホールドをかけた場合の解除の手順などについて質問が
あり、インターリンクのウィリアムズ氏から回答いただきました。

ウィリアムズ氏によれば、この改正の目的は、Abuse対策が何も採られないと
いう事態を禁止するものであって、Abuse疑いがある場合の即時のクライアン
トホールドが義務化されている等ではないとのことでした。ハッキングされ
悪用されている場合もあるので、状況に応じた判断でよいとのことでした。


■ 最後に

本メールマガジンでご紹介した第69回ICANN報告会は、資料と録画を以下の
Webページでご覧いただけます。

  第69回ICANN報告会
  https://www.nic.ad.jp/ja/materials/icann-report/20240416-ICANN/

第80回ICANNキガリ会議の報告会(第70回ICANN報告会)については、2024年7月
25日(木)午後にオンラインにて開催予定ですので、ご予定の確保をお願いし
ます。プログラムなど詳細につきましては、追ってお知らせいたします。ぜ
ひ多くの皆様に参加いただければと思います。


     ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
      わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。
             https://www.nic.ad.jp/ja/tech/glossary.html
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