◆◆【 2 】News & Views Column ◆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇ 今年のキーワード 日本のインターネットの世界において、2001年のキーワードはブロードバン ドといわれていましたが、事実そのような年になりました。 確かに日本全国でADSLやCATVあるいはFTTHなど超高速・高速な手段でインター ネットに常時接続をするユーザーが一気に増え、ある調査会社の数字によると 今年の3月末には346万世帯が接続をしており、また2006年度末には約2200万世 帯に普及するだろうとの予測が立っています。 さて2002年のキーワードは何になるのでしょうか。情報セキュリティーだと か、ワイヤレス(無線LAN)だ、あるいはデジタルコンテンツ(以下コンテンツ) だとか、いろいろいわれていますが、私はできればコンテンツの年になってほ しいと思っています。 良質なコンテンツがインターネット上に広まるためには、コンテンツの評価 システムや有料化の問題、複雑な著作権問題、圧縮技術、配信技術……などと 多くの問題点をクリアーしていかなければならないのは必須ですが、私は中で も課金システムが適切に機能しないとうまくいかないと思っています。 今までコンテンツ代金を徴収する方法にはキャッシュカード決済を始めプリ ペイドカードや電子マネー、あるいは会員制などといろいろな方法が利用され てきましたが、いわゆる少額の課金はどれもうまくいっていないように見えま す。ユーザーから見ると少額を支払うのに便利で安心でき、そして使いやすい 支払システムが無いのも一因です。 このような中にあってNTTドコモの「iモード」など携帯電話でのコンテンツ 販売がうまくいっているのは、携帯電話会社がコンテンツの販売代行をして、 その料金を自社の通話料金と一緒に徴収代行し、コンテンツホルダーに支払う 課金の仕組みが有効に機能しているからだと思っています。 2002年の年末にはNTTドコモが「iモード」の通信網を開放することが決まっ ていますので、パソコンのネット接続と携帯ネットとの相互乗り入れが始まり、 大手プロバイダーを始めとして各社が参入し、コンテンツサービスの多様化や、 低価格化が一気に進むものと思われます。 これをきっかけに誰でもが安心して使える課金システムの発展が一気に進ん でほしいと思っています。 でも、このように考えてみると2002年のキーワードをコンテンツというのは ちょっと無理かなとも思い始めています。さっさと別なキーワードに乗り換え ようかな……。 JPNIC 評議委員会リエゾンメンバー 境 輝正 (JAIPA・株式会社インプレスコミュニケーションズ)