━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【 3 】News & Views Column 「ユーザー本位 ~JPNICへ愛をこめて~」 JPNIC IPアドレス検討委員会メンバー (株)インテック・ネットコア 廣海緑里 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 最近気になることが沢山あります。ファミ・コン言葉(だっけ? ファミレス とコンビニでよく耳にするアレです)。「よろしかったでしょうか?」ってど うして過去形なんだろう……とか、そんなに深刻な悩みには成り得ないけれど も、なんだか落ち着かなくなるような、敗北感が残るような、しっくりしない 類の気になる事柄です。 インターネットの世界でも同じようなことがあります。たとえば、メールの読 み書きで、返信時の元メール引用をするとか、インライン(*1)で返すのは間違 いなく30歳、いや25歳以上なのです。もしくは昭和の人というカテゴライズが 正しいかもしれません。ケータイメールやMSのOSについてくるメーラーをご愛 用の方は、インラインでなんて返事しないのです。自分の要件だけを伝えます。 よくできてるのかもしれません。 同じように、Subject: の書き換えがあります。「Re:」で始めながら、続く Subjectを書き換えて、返事になっていたりします。自分の要件だけを的確に 伝えてきます。こう考えると、若者は合理的ですごいです。 しかし。 ファミ・コン言葉もそうですが、それって自分の納得が優先していないでしょ うか? コミュニケーションはあんまり重要視してないんじゃないでしょうか? 相手のペース、考えてないんじゃないでしょうか? インラインだと明示的に 「このことだ!」とわかるのに、インラインでないと何のことに返事されてる のか論点がぼけて困ってしまうことがあります。 情報発信が重要な業務であるJPNICも、ともすると相手のペースを考えない、 自分の納得したことの羅列になりがちにみえるときがあります。前から指摘さ れていることですが、文書が分散していて読みにくいというのは、随分改善さ れたと思いますが、それでももっと整理してもらいたいものです。「どこかしっ くりこない」「なんだか落ち着かない」そういう感覚があります。たまには 「ユーザー本位」という言葉を思い出していただきたいなと思います。 JPNICに愛を込めて、「ユーザー本位」、この言葉を送ります。 そして、私もユーザー側の視点でこれからも応援していこうと思っています (「ユーザー本位」は自分の課題でもあるのですけれど)。 (*1) インライン:上記コラム中では、メール返信時に、元メールの引用の途 中に文を挿入するという意味で用いています。