━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【 3 】News & Views Column 「アジア太平洋地域のセキュリティ」 有限責任中間法人 JPCERT コーディネーションセンター 山賀正人 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 京都でのAPRICOT 2005が無事終わり、実行委員などなどの役目が終わった(?) という安堵感からすっかり気が抜けてしまっていたのですが、ふと我に返って みれば、もう年度末がすぐそこに! のんびりしてはいられない状況に軽いめ まいを覚えつつ、この原稿を書いています。 APRICOT 2005の併設カンファレンスとして、APCERT(Asia Pacific Computer Emergency Response Team)の年次会合であるAPSIRC 2005が開催されました。 今回は、APCERTとAPSIRC(Asia Pacific Security Incident Response Coordination Conference)を紹介します。 APCERTは2003年2月のAPSIRC 2003(台湾)において正式に発足したアジア太平洋 地域のCSIRT(Computer Security Incident Response Team)(*5)のフォーラム で12 地域15チームで設立されました。APCERTメンバーは、互いにインシデン トに関する情報を交換/共有すると共に、個々のインシデントへの対応を協力 しあうなどの活動を日常的に行っています。 http://www.apcert.org/ JPCERT/CCはAPCERTのSteering Committeeメンバーであると同時に事務局とし てAPCERTの活動に貢献しています。 一方、APSIRCは2002年3月に東京で最初に開催され、その後、APRICOTと併設す る形で年に1回開催されています。2003年2月のAPRICOT 2003(台湾)において、 フォーラム名がAPCERTと正式に決まった際に、APCERTの年次会合の名称として 「APSIRC」が使われることになりました。 今回のAPSIRC 2005は以下の日程で開催されました。 - 2月22日(火) Steering Committee Meeting (Steering Committeeメンバー のみ) - 2月23日(水) Annual General Meeting (メンバー + オブザーバー) - 2月24日(木) APRICOT Security Track (公開カンファレンスプログラム) 2月24日(木)の公開カンファレンスプログラムは、午前の2コマのセッションと して開催されました。1コマ目はphishingを中心に最近のアジア太平洋地域の インシデントの傾向などを紹介しました。2コマ目は「早期警戒」をテーマに マイクロソフトの脆弱性対応や世界のいくつかの国/地域で行われている観測 系の活動の紹介を行いました。プレゼンテーション資料はAPRICOT 2005のWeb サイトに公開される予定です。 なお今回、新たに2チームの加盟が承認され、現在APCERTは13地域17チームに よるフォーラムとなりました。 (*5) CSIRT(Computer Security Incident Response Team) http://www.nic.ad.jp/ja/basics/terms/csirt.html