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【 2 】News & Views Column
      「パシフィコのリングで待ってるよ」
                                       株式会社IRIコミュニケーションズ
                                                      日本UNIXユーザ会
                                                              法林浩之
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今年(2005年)も12月6日(火)~9日(金)に、パシフィコ横浜にて「Internet Week
 2005」(以下IW)が開催されます。私は2000年からこのイベントの実行委員を務
めています。今回はその経験を踏まえて、インターネットとイベントの関係に
ついて思うことを書いてみたいと思います。

ご存じの方も多いと思いますが、IWの起源となっているのはIP Meetingという
イベントで、その初回は1990年にまで遡ります。初期の参加者は数十人から数
百人でした(IWの参加者は今では数千人です)。当時はまだインターネットが普
及する前で、当然ながらインターネットに関する情報も簡単に手に入る時代で
はありませんでした。従って、情報を手に入れたり意見交換をするためにはど
こかに集まるというのが自然な形であり、それがイベントの意義でもあったよ
うに思います。

それから数年が経過し、このイベントがIP MeetingからIWへと発展するのと時
を同じくして、日本のインターネットも爆発的な普及を遂げました。その結果、
インターネットに関することばかりか世間一般の出来事に至るまで、あらゆる
情報がインターネットで入手できるようになりました。それはとてもよいこと
なのですが、では、インターネットに関する情報を入手するための集まりであっ
たIWのようなイベントは、これからどこに向かっていけばよいのでしょうか。

まだ、その疑問に対する十分な答えは見つかっていないのですが、今考えてい
るのは、例えば音楽をCDで聴くよりもライブで聴く方が感動するのと同様に、
単なる情報提供ではない生の意見を聞ける場を提供することが、イベントに価
値をもたらすのではないかということです。特に昨今、インターネットの裾野
が広がったことで、かえって立場や意見の異なる人々が対面で話をする機会が
少なくなったように思います。掲示板やブログなどでも議論はできますが、場
の空気までは伝わりません。ライブで議論する価値はそこにあると思います。

プロレスが大好きな私はいつしか、このように異なる立場の方々を集めて議論
してもらうことを「対戦」と呼ぶようになりました。この対戦に勝ち負けはあ
りません。その議論の過程と、その場に参加した人々が感じたことがすべてだ
と考えています。そして、魅力ある対戦カードを提供することが人々の関心を
集め、会場に足を運んでもらうことにつながると考えています。今年のIWも、
力及ばずながらも知恵を絞った対戦の数々を用意して、皆さんのご来場をお待
ちしています。というわけで、「パシフィコのリングで待ってるよ」。

(付記) 表題は「ドームのリングで待ってるよ」という言葉に影響されたもの
です。興味のある方はその言葉で検索してください。なお、実際にはパシフィ
コ横浜にはリングは設置されません:-)。

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