━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【 2 】News & Views Column 「地域ネットワークとコミュニティ」 東北学術研究インターネットコミュニティ(TOPIC) 仙台電波工業高等専門学校 脇山俊一郎 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 東北学術研究インターネットコミュニティ(TOPIC:Tohoku Open Internet Community)は、東北地区の大学・短大・高専のキャンパスネットワークを相互 接続する地域ネットワークの運用母体として1992年に設立された団体です(*1)。 TOPIC設立当時、日本には学術系をはじめ多くの地域ネットワークが運用され ていました。それらの多くは、商用のインターネット接続サービスへと移行し、 いまだに自分たちで地域ネットワークを維持・運用している団体はとても少な くなってしまいました。そのような歴史の流れのなか、なぜTOPICが生き永ら えているのか。それは、TOPICが会員サービスとして、インターネットに関す る様々な情報収集と啓発活動を行い、地域のネットワークコミュニティとして 根付いているからに他なりません。 TOPICでは、春の総会時と秋の年2回、ネットワーク担当職員向けの研修会を企 画・開催しています。特に秋の研修会は、東北各地の温泉地を会場に、各県持 ち回りで開催しており、毎回100名程度の参加者を集めて盛大に行われていま す。今年も9月28日・29日の2日間、福島県の磐梯熱海温泉を会場に開催されま した(*2)。 秋の研修会の特長は、初日のプログラムが、13時半から深夜0時まで組まれて いるところにあります。せっかく温泉でやっているのに、温泉に浸かっている 時間がなくなってしまうのが悩みの種ではありますが。ただ、ずっと堅苦しい 雰囲気でやっているわけではなく、夕食会(宴会ともいう)後のプログラムは、 とてもカジュアルな形で行われ、お酒を片手に様々な話題が取り上げられます。 このような場を通じて、人と人とのネットワーク、コミュニティ作りが出来て いくところが、TOPICが長続きしている大きな要因の一つと言えるでしょう。 TOPICはJPNICの非営利会員として、非営利団体協議会の活動にも積極的に関わっ ていこうとしています。その一環として、今年春の研修会からプログラムに JPNIC枠を設けて、JPNICの活動やインターネット全般の動向について、JPNIC の理事・職員の方からTOPIC会員に直接お話しして頂けるようになりました。 このような取り組みを通じて、TOPIC、JPNIC双方のコミュニティの融合・拡大 を図っていきたいと思います。 (*1) JPNIC会員と語る●[特別編]JPNIC非営利団体正会員特集 JPNICニュースレター No.31 (2005.11) http://www.nic.ad.jp/ja/newsletter/No31/062.html (*2) 平成18年度TOPIC ネットワーク担当職員研修会 http://www.ipc.fukushima-u.ac.jp/Seminar2006/ ■ 著者略歴 脇山俊一郎 仙台電波工業高等専門学校にて、コンピュータネットワークとマルチメディア 技術の応用について、様々な視点からの研究と教育に従事。また、東北学術研 究インターネットコミュニティ(TOPIC)の幹事として東北地方の学術系イン ターネットの運用管理にも従事している。