━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【 2 】News & Views Column 「インターネット = ○ * ○」 メディアエクスチェンジ株式会社 三ツ木 絹子 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ さぁ、2007年 新しい年がはじまりました。 昨年は、「現在のAS番号が足りなくなるので、4byteAS番号を利用できるよう にしましょう」とか、「IPv4アドレスの枯渇が遠からず起きるので周知し備え ましょう」とか、「そろそろ広報経路数が20万経路を超えてしまうが大丈夫 か?」など、「足りなくなる前にきちんと備えましょう」という、注意喚起の 年だったような気がします。その中で、20万経路超えは、私にとってちょっと した事件でした。 私達の使っているルータの中に、20万経路までしかサポートしていないとマ ニュアルに記述されていたものがありました。19万経路を超えたあたりから気 にしており、そろそろルータメーカに20万経路を超えた際の挙動を確認せね ば、と思っていた10月のある日、あっという間に広報されてきた経路は20万を 超えてしまいました。 困っているだけでは何も解決しません。私達はまず、経路をまとめる(大きな CIDRにする)努力をすることにしました。幸いまとめられそうな経路は十分に あり、20万未満に経路数を抑えることができました。でも、いつ再び20万経路 を超えるかわかりません。すでに21時近かったのですが、メーカに20万経路超 え時の挙動を確認したいと連絡を入れました。もちろん、サポート時間外です から、なんらかの回答が得られるのは翌日だろうと思っていたら……メーカか ら「テストをする」という連絡があり、日付が変わろうとする頃、「25万経路 までは問題ないことを確認した」という回答が来たのです! こんな小さな事件ではありますが、私は彼らの、製品に対する誇りと、責任感 を見たような気がしました。そして一段と彼らと、彼らの作るものに対する信 頼を厚くしました。 2007年、また色々な問題が見つかることでしょう。でも、インターネットに関 わる人々の誇りと努力と信頼できっと解決できる。そう信じて、今年もがんば りましょう。 ■ 著者略歴 三ツ木絹子 ISPのバックボーンネットワーク構築・運用、およびデータセンタの運用業務 に従事。社内CSIRT(Computer Security Incident Response Team)(*1)メン バーとしても活動中。 (*1) インターネット用語1分解説 ~CSIRTとは~ http://www.nic.ad.jp/ja/basics/terms/csirt.html