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◆◆【 1 】特集
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  ◇ セキュリティ事業スタート!

                          JPNIC理事(セキュリティ担当)/
                          奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科 教授  
                                                                 山口 英

  現在のインターネットは企業の経済活動や私たちの生活の中でさまざまな役割
  を果たしています。電子メールの交換やwwwを使った情報検索はもちろんのこ
  と、オンラインショッピングやバンキング、さまざまな予約サービス、企業間
  での直接資材調達、さらには、国と地方自治体が取り組んでいる電子政府といっ
  た機能もインターネット上に構築されてきています。仮になんらかの原因でイ
  ンターネットが機能不全に陥ってしまったとしたら、今や社会に対して大きな
  影響を与えるに違いありません。

  このようなことから、最近ではインターネットにおけるセキュリティ対策の実
  施は必須になっています。しかも、インターネットの構成要素は多岐に渡って
  いるため、さまざまな立場から考えられたセキュリティ対策が必要になってい
  ます。たとえば、エンドユーザーとしてインターネットを利用する個人や企業
  における対策も必要ですし、インターネットサービスを提供するISPにおける
  セキュリティ対策は当然行われるべきものといえましょう。さらに現在では政
  府においても重要社会基盤としてインターネットを認知し、そのセキュリティ
  対策に注力するようになってきました。

  日本のNIR(National Internet Registry)としてインターネット関連の資源
  管理を担うJPNICにおいても、その役割を確実に果たすために、セキュリティ
  にかかわる活動が必要になっています。どのような活動をJPNICが行うべきか
  を考え実行するのが、今回発足したセキュリティ事業です。この事業では、
  JPNICの提供する役割を守るという視点で、事業展開が計画されています。

  まず、早急に行わなければならない作業が、whoisデータベースに対するアク
  セスをより強固で安全なものにしていこうというものです。現在のJPNICの重
  要な役割の一つが、インターネットにおけるIPアドレスという資源の管理です。
  whoisデータベースは、まさにIPアドレスという資源の台帳ともいえるもので
  す。現在のJPNICにおける管理運用でもさまざまなチェック機能が用意されて
  いますが、登録者からのデータベースへの直接アクセス機構を用意する段にな
  ると、JPNICが提供するオンラインサービスへのより積極的なセキュリティ機
  能の実装が必要となります。

  このことから、JPNICではX.509認証技術に基づいた認証局の立ち上げと、
  JPNICの持つオンラインサービスへの適用を、セキュリティ事業の第一歩とし
  て取り組むことにしました。これにより、登録者からのwhoisデータベースア
  クセスをより安全かつ強固なものとし、さらに直接データ更新を許容する体制
  を構築することでJPNICの運用コストそのものを低減させ、whoisデータベース
  登録者の皆様に快適なオンラインサービス利用環境を提供しようと考えていま
  す。JPNICが運用するX.509認証基盤が確立できれば、DNSSECやIPsecへの適用、
  将来的にはIRRデータベースへの適用といった利用拡大も期待できることにな
  るでしょう。

  このようなJPNICの役割に直結したセキュリティ事業を進めるにあたり、関連
  する技術についてもサービス利用者の皆様への普及・啓発活動も同時に積極的
  に展開する予定です。セキュリティ事業では、JPNICが提供するサービス利用
  者のメリットに直結した活動を展開することを目指しています。皆様からの積
  極的なご意見・ご指導をお待ち申し上げております。

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