━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【 1 】特集 「インターネットをより深く理解するために ~これだけは読んでおきたいRFC紹介」 JPNIC 広報教育課 秋山智朗 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ インターネットを使って情報をやりとりする場合、広く普及した一般的な方法 を使うのが普通です。これは一般にRFC(Request For Comments)と呼ばれる 文書群で規定されています。といっても、すでにRFC文書群は3600を超えてい ます。また、インターネットの発展に伴って順次更新されてもいます。ですか ら、とある規格を確認したくてもなかなか大変です。ここでは、インターネッ トの基本的な技術に関して、おおざっぱに分類して、どのRFCを参照すればよ いのかをざっとまとめてみました(なお、RFCは英語で書かれています)。 □RFCについて詳しく知りたい方は下記をご覧ください。 Newsletter No.24「インターネット10分講座●RFC」 http://www.nic.ad.jp/ja/newsletter/No24/090.html ◆プロトコル全般 データをやりとりするには、その方法や形式を決めておかないといけません。 これは当事者同士で決めてしまえばよいことなのですが、不特定多数を相手に する場合はそうもいきません。また、新たにデータをやりとりすることになっ た相手に対して、いちいち説明するのも大変です。そこで、標準的な方法がい くつも規定されています。この中から、インターネットにおける公式なプロト コル(方法や形式のことです)をまとめたのが、RFC 3300です。このドキュメ ントは重要視されていて、STD 1という別の分類番号も与えられています。 □STDについての説明は下記をご覧ください。 http://www.nic.ad.jp/ja/newsletter/No24/090.html#note01 ◆ネットワークインフラストラクチャー関係 まず基礎となるネットワークインフラストラクチャー関係です。ちなみにこれ はここだけでの定義で、実際にはトランスポート層、インターネット層、ネッ トワークインターフェイス層と呼ばれる複数の階層をまとめてそう呼んでいま す。 ※以下の数字はRFC番号です ・UDP 768 ・TCP 793、814、1144 ・NetBIOS 1001、1002、1088、2097 ・IPv4 791、917、950、1071、1141、1349、1624、1878、1918、1919、 2474 ・IPv6 1887、2460、2553、2893、3493、3513 ・CIDR 1517、1518、1519 ◆DNS関係 DNSは、ホスト名からIPアドレスやメールサーバなどを知るための広域分散型 データベースです。それを規定したRFCは、1034、1035が基本です。また、ド メイン名の国際化に関してはRFC 3490、3491、3492で規定されました。 ◆SMTP関係 一言でいってしまえば、メールサーバ間で電子メールを送信する際のプロトコ ルがSMTPです。これはRFC 821で規定され、2821で改訂されています。さらに 1652、1845、1869、1870、1891、1983、1984、1985、2034、2197、2821、3461 などで拡張されています。さらにMIME(multipurpose Internet Mail Extensions)の導入に伴って2045、2046、2047が規定されました。日本語を扱 うのであれば、1468も必須です。 ◆Web関係 インターネットの普及に貢献したのがWebであることは、論を待たないでしょ う。そこで使われるのがHTTPです。バーション1.0はRFC 1945、バージョン1.1 は2068から2616に改訂され、2817で補強されています。 ◇ ◇ ◇ ほかにもまだたくさんRFCはありますが、キリがありません。まずはこのあた りから読み始めてみてはいかがでしょう。 ◆RFCの探し方 ほとんどのRFCは、公式WebであるRFC-Editor(http://www.rfc-editor.org/) から入手できます。トップページから「RFC DATABASE」のリンクをたどると、 「RFC index」という一覧へのリンクがあります。また、特定のRFCを検索した いときは、トップページから「RFC SEARCH」というリンクをたどってください。 番号やタイトル、著者などから検索できます。