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【 1 】特集 「ICANNカルタゴ会議報告」
                                      JPNIC ドメイン名事業部  入交尚子 
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今回は、2003年10月27~31日にチュニジアにて開催されたICANNカルタゴ会議
のトピックの中から、「Whoisワークショップ」についてご報告します。

今回のWhoisワークショップは、2003年6月のICANNモントリオール会議にて開
催された第1回Whoisワークショップに続く第二弾として、会議3日目の10月29
日(水)午前に開催されました。

6月の第1回ワークショップでは、多方面の関係者によるWhoisの利用状況報告
に始まり、Whoisにおいてプライバシー保護と情報公開の必要性とのバランス
をいかに取るかといった視点からのパネルディスカッションが行われましたが、
今回の第2回ワークショップでは、Whoisに関してICANNが優先して解決すべき
問題を特定することに焦点を当て、以下のテーマ別によるセッションが行われ
ました。


◆国際化ドメイン名(IDN)の導入に伴う問題

IDNの導入に伴い、IDNをWhoisで検索・表示する方法についての検討も必要に
なってきます。たとえば、IDNの登録者と、そのIDNのWhois情報を利用する者
が異なる言語圏にいる場合でも、Whoisによる検索は可能になるのかといった
問題があります。

このセッションでは、パネリストとして参加した中国、中東、台湾のIDN関係
者、および「.info」レジストリが、IDN Whoisについての対応や検討課題など
を発表しました。また、IETFのJohn Klensin氏からは、現在はIDN Whoisにつ
いての統一ルールが存在しないためにカオス状態になっており、早急にIDN
Whoisのポリシー策定に向けて検討を開始すべきであるとの提言がありました。


◆Whois情報の見直し

続いて、GNSO(分野別ドメイン名支持組織)の各部会メンバーおよびAt-Large
諮問委員会メンバーがパネリストとなり、Whois情報の見直しに関するセッショ
ンが行われました。

Whoisで表示される登録情報のうち、現在利用している情報は何か、また、本
当に必要な情報は何かといった点について、各分野の代表からの発表がありま
した。知的財産関係者部会やビジネス部会の代表からは、正確でアクセス可能
なWhois情報の重要性が強調される一方、レジストラ部会の代表からは、個人
情報をWhoisで公開されたくないという顧客からのコメントが紹介されるなど、
Whois情報をめぐる見解の相違が際立つ場面もありました。


◆登録者/Whois情報利用者のクラス分け

このセッションでは、ccTLDレジストリ(.au/.nz)、gTLDレジストリ(.name/
.org)、レジストラ(Register.com)より、公開しているWhois情報および
Whois情報へのアクセスに関してどのような制限をかけているかといった事例
紹介が行われました。「.au」では登録者の住所、電話番号、ファックス番号
は非公開としており、また「.name」では、登録者の電話番号、ファックス番
号、電子メールアドレスへのアクセスには認証が必要となるなど、比較的厳密
な制限を設けているようです。

また、gTLDレジストリからは、ICANNとの契約ではレジストラがWhois情報に関
しての責務を負うと規定されていることが言及され、「Whois情報の問題を検
討する際には、レジストリとレジストラにおける責務の違いを明確にすべき」
といった意見も聞かれました。


◆今後のステップ

最後に、GNSO内に設置されたWhoisに関する運営委員会(Whois Steering
Committee)のメンバーから、委員会の活動状況と今後のステップについての
報告がありました。

委員会では、Whoisにおけるプライバシー問題の検討に向けて、「Whoisへのア
クセス制限」「収集・表示するWhois情報の見直し」「収集するWhois情報の正
確性向上」の3つの分野別にタスクフォースを設置することとなり、ポリシー
策定のための第一ステップとして、まずは事実情報の収集に努めるということ
です。


□Whoisワークショップに関する情報ページ
  http://www.icann.org/carthage/whois-workshop-agenda.htm


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