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								 1994/05/31
								 資料2-3

	法人化するための労力について(参考)

						1993/11/16
						FUTURE-WG
				  ( by goto@nanzan-u.ac.jp)

本(社団法人・財団法人の設立実務)を読んで気の付いたことを挙げます。

1)公益法人は社団法人(人の集合体、会費をとるのが普通)と財団法人
(財産が主体)。われわれの考えているのは社団法人が適当。
公益法人は不特定多数の利益を目的(非営利だけではない)とし、公益目的を
達成するための手段として収益事業を行うことができる。(民法の定め)
--> JPNICは財団法人ではなく社団法人になることが可能性としてある。
    建て前としては会費だけで維持運営だが、それを補うための収益事業は
許され、税制上の優遇措置もある(?)

2) 一般に言う非営利任意団体は、「権利能力のない社団」(土地を買っても
登記できない)であるが、裁判上の原告、被告になることはできる。また、
税制上は法人と同じように扱われる。

3) JPNIC会則および組織構成はいくつか手直しすれば、社団法人における
定款とすることができる。定款の変更には、総会の決議だけでなく、
主務官庁の認可が必要。給与規定、社員(会員の)資格がなくなる方の規定が必要。

4) 社団法人として所轄官庁に申請、認可後、登記が必要。その際理事などの
役員の承諾書(with 印鑑証明)が必要。

5)  事務局職員に給料を払うことは問題ないが国家公務員は無報酬でないと、
内閣総理大臣とその職員の所轄庁の長から許可が必要。(行政補完型の公益
法人の場合、出向はOK)

6) 社団法人の設立要件は公益事業を目的とする、設立行為をする(定款の作成)、
主務官庁の許可を得る。

7) 設立準備手続き
   公益性、団体性(場合により1、2年の実績)、永続性(財政基盤)、
   主務官庁(府、省、庁、委員会)、共管も有り得る。
---> 財政基盤については主務官庁と相談すると担当官から知らされる場合が多い。
近年、社団法人の予算規模を3000万円程度とする事例があった。
(財団法人は基本財産が1億以上)

8) 資産
  社団法人にあっては、会費および財産の運用によって生ずる収入等により、
  設立目的の達成に必要な事業活動が遂行できること。(一部の主務官庁では、
設立許可の審査の段階で、設立時における社団法人の財産(正味財産: 
株式とか担保付きとかあやしくないもの)につき、一応の基準額を決めている。)
---> 社団法人は、財団法人と異なり、設立当初に財産がなくとも、
設立後、確実に財産の受け入れがある場合は設立許可される。この際の資産の
総額は、「零」として登記する。変更登記は事業年度終了時に財産目録を
作成し登記する。

資産の構成(定款の例)

第xx条 本会の資産は次の通りとする。
(1) 設立当初の財産目録に記載された財産
(2) 会費または入会金
(3) 寄付金品
(4) 資産から生ずる収入
(5) 事業にともなう収入
(6) その他の収入

9)事業資金調達と税務
  寄付金、会費、事業収入、基本財産の運用、運用財産の利子、
  財産の処分、国等からの補助金助成金、金融機関等よりの借入金。

10)事業計画と予算
  設立申請時に2から3年の事業計画を作成。長期的財政展望にたって、
3年から5年の基本計画を打ち出す。

                    -- 事業以外の収入
                    |
  予算 --- 収入予算 -- 事業収入(会費、講習会、手数料など)--
        |                                                  |--- 事業計画
        ---支出予算 -- 事業費------------------------------
                    |
                    --- 事業費以外の支出(管理費など)

  支出にはどんなものがあるか
  --------------------------
     ・管理費 -- 役員報酬 役員(理事、監事など)の執務報酬
                 給料手当 職員の給料(本俸、役付き手当、交通費)、賞与
                   退職金
                 福利厚生費
                 会議費
                 旅費、交通費、、、などなど

     ・事業費 -- 給料手当
                 臨時雇賃金
                 福利厚生費
                 旅費交通費 、、、などなど

管理費は法人の維持管理のため、事業費は目的とする事業を行うための費用かな。
事務所の賃貸料は管理費のほうか?

 人件費は総支出の30%程度が適正だが実際50-60%。ほとんどの事業が
 人の力によるものだとすればあまり気にしなくても良い。これを事業費と
 管理費に振り分ける

11) 設立の順序

    ・設立発起人会 (設立主旨、定款、事業計画、予算の草案作成)
    ・社員募集
    ・設立総会 (定款、財産目録、事業計画、予算、役員名簿等の決議)
    ・設立許可申請
    ・主務官庁の許可 事前相談が十分なら、約1か月後(例外あり)
    ・登記

任意団体から社団法人となる場合はすでに会員がいるから、社員募集は不要。
設立発起人の履歴書、役員就任承諾書、印鑑証明書。

12) 設立後

任意団体のA協会は、xx日の総会における決議により資産、、負債および
権利義務のいっさいを社団法人A協会に引き継ぐこととした。(財産の移転)

設立登記(法人印の登録、会長の印鑑証明が必要)

事業者団体の届出(公正取引委員会関係、JPNICには該当しないと思う。)
各種手続き
   収益事業開始届出
   給与支払事務所等の開設届出書
   労働関係 -- 適用事業報告書、労働者名簿、賃金台帳、
               雇用保険適用事業所設置届
               就業規則届(常時10人以上の労働者がいるばあい)

各種規定を定める
   総務、人事、経理、事業の細かい規則
            

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