2014/02/12 第100回理事会 資料 1 2014年度事業計画 案 本資料では、日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC)の2014年度事 業計画案について説明を行う。 ■ JPNIC全体に関わる事項 一般社団法人に移行後も会員の関心事項・意見・要望に向き合い、情報提供・普及啓発 ・調査研究等の業務を通じて会員の満足度向上に努める。また、従来から取り組んでき た事業の実施内容、体制を継承し、二事業体制を継続しつつ、着実な事業展開、法人運 営を図る。 ■ 運営体制と財源 2014年度もIPアドレス事業、インターネット基盤整備事業の二事業体制を継続する。 事業を推進する事務局組織は4部(職員数26名)で構成する。財源についてはこれまでと 同様、IPアドレス事業は事業収益(IPアドレスの維持料・契約料等)により賄われ、イン ターネット基盤整備事業は事業収益(イベント開催・業務受託等)、受取会費、インター ネット基盤整備基金資産からの運用収益およびその他の収益を財源とする。予算の執行 については、事業計画に基づく全ての活動を予算の範囲内で実施するように、費用の抑 制と効率的な業務運営に努める。ただし、JPドメイン名紛争処理およびデータエスクロ ーの二業務については、JPドメイン名の登録料・更新料の一部をもって賄うこととする。 ■各事業の内容 1.IPアドレス事業 IPアドレス事業は、インターネット番号資源の適切な分配・管理を通し、インターネッ トの円滑な運用を維持し、その発展に資することを目的とする。具体的な業務内容とし ては、資源管理業務、ルーティングレジストリ業務、方針策定・実装業務、国際調整業 務、調査研業務、情報提供業務の六つの分野に取り組むものとする。注力ポイントは以 下の点である。 ・(資源管理業務)これまで検討を進めてきたJPNICが管理するゾーンの逆引きネームサ ーバへのDNSSEC導入に向け、具体的な開発計画の立案と開発に向けた準備を進める。 ・(ルーティングレジストリ業務)模擬環境としてリソース証明書の発行と活用のため の模擬環境の提供を開始しているが、これを、IPアドレス管理指定事業者が実際に 割り当てられているIPアドレスおよびAS番号に連携する形で証明書発行を出来るよ うにし、本格的な検証を開始する。 ・(国際調整業務)今後の番号資源管理やIPv6普及促進の面で、アジア太平洋地域の各N IRとの連携、協調を進めていく。また、国際会合への国内参加者間の情報交換促進 と、日本からの情報発信力強化につなげられるようにする。 1.1 資源管理業務 (定款第4条第(5)号関係) ・ IPv4アドレス、IPv6アドレスの割り振り・割り当て ・ AS番号の割り当て ・ IPv4アドレス移転 ・ JPNIC WHOIS情報の維持管理 ・ 逆引きゾーン情報の維持管理 ・ 逆引きネームサーバの設定適正化(lame delegation削減)に向けた取り組み ・ 資源管理認証局の維持管理 ・ 各種申請等に関する問い合わせ、相談対応 ・ 逆引きネームサーバへのDNSSEC導入のためのシステム検討と準備 1.2 ルーティングレジストリ業務 (同第(1)号および第(2)号関係) ・ JPIRRの登録管理 ・ JPNIC経路奉行運営と経路ハイジャック通知 ・ ルーティングセキュリティに関する動向調査 ・ 模擬環境によるリソース証明書の発行と利用に関する検証 ・ リソース証明書活用のための実験サービスの実施 1.3 方針策定・実装業務 (同第(4)号関係) ・ 国内におけるIPアドレス、AS番号に関するポリシー検討、調整 ・ JPNICオープンポリシーフォーラムのサポートと連携 ・ オープンポリシーフォーラムでコンセンサスとなったポリシーの実装検討 1.4 国際調整業務 (同第(4)号関係) ・ APNICのポリシー議論への参加と国内コミュニティへのフィードバック ・ 各RIRのポリシー変更に関わる議論への参加と国内コミュニティへのフィー ドバック ・ 番号資源管理に関する、各NIRをはじめとする海外諸団体との情報交換およ び連携 ・ 国内外技術コミュニティ相互の連携および交流活性化に向けた検討 1.5 調査研究業務 (同第(2)号および第(3)号関係) ・ 番号資源の利用状況に関する調査分析 ・ 番号資源管理に関わる技術動向の調査 1.6 情報提供業務 (同第(1)号関係) ・ IPアドレス、AS番号、JPIRRに関する統計データ等の提供 ・ 国内外の関連諸団体との情報交換 ・ 申請業務、アドレスポリシー動向に関する情報提供 2. インターネット基盤整備事業 インターネット基盤整備事業は、インターネットの基盤整備を促進することにより、イン ターネット・コミュニティの発展に貢献することを目的とする。具体的な業務内容として は、情報センター業務、普及啓発業務、調査研究業務、JPドメイン名に関する業務、新た なドメイン名に関する業務の計五つの分野に取り組むものとする。注力ポイントは以下の 点である。 ・(情報センター業務) インターネット資源にかかる状況や統計等を英語も含め(オープ ンデータ形式等で)充実させ、インターネット白書等とも連携することで、インター ネット全般の状況を可視化する場面を増やし、インターネットのさらなる促進へ寄与 する。 ・(普及啓発業務)インターネット・コミュニティ等のステークホルダーエンゲージメン トも意識した教育・普及活動を展開する。具体的には、APRICOT-APAN2015等の開催も 含め、インターネットの基盤技術(セキュリティ・DNS・ルーティング・IPv6普及に向 けた情報等)および基盤運営への理解を深めるセミナー、講演会、勉強会等を開催す る。 ・(調査研究業務)2014年の ITU全権委員会議(総会)や2015年のWSIS 10周年評価等に向け て、インターネットガバナンスに関する議論が活発になっているため、他団体とも連 携し、ICANNに限らず1net.org、インターネットガバナンスフォーラム(IGF)、ITUや国 連の会議等の情報を収集し分析を実施する。その上で、情報発信や意見提出等の適切 な対応を行う。 なお、JPドメイン名紛争処理およびデータエスクローの二業務については、「JPドメイン 名登録管理業務移管契約」に基づいて、JPドメイン名の登録料収入・更新料収入の一部を もって賄うものとする。 2.1 情報センター業務 (定款第4条第(1)号関係) ・ JPNIC Webサイトによる情報提供 ・ メールマガジン、会報誌 Newsletterの発行 ・ DNS、WHOIS、インターネット経路制御等の技術に関する基本情報、最新情報の提供 ・ 新gTLDやIDN ccTLD等および関連する政策およびサービス、ドメイン名紛争処 理(DRP)等に関する情報発信 ・ 世界的なインターネット資源管理を中心とした政策および体制に関する情報発信 ・ 国内外のドメイン名に関する問い合わせ対応 ・ IPv6普及に向けた情報提供 2.2 普及啓発業務 (同第(6)号関係) ・ Internet Weekをはじめとした各種セミナー、講演会、勉強会等の開催 ・ 世界的なインターネット資源管理を中心とした政策および体制に関する普及啓発 ・ インターネットの技術、運用および制度等に関する普及啓発 ・ インターネット基盤整備に係る関係組織、機関等との連携 ・ 地域情報基盤整備におけるインターネット利活用促進への貢献と関係組織、機関 等との連携 ・ IPv6普及に向けたセミナー等の実施 2.3 調査研究業務 (同第(1)号、第(2)号、第(3)号、第(4)号、第(6)号および第(7)号関係) ・ レジストリデータベースを活用したルーティング技術に関する調査研究 ・ DNSの運用やセキュリティに関する調査研究 ・ レジストリにおけるセキュリティ技術等に関する調査研究 ・ 各国ccTLDおよびgTLDに関する調査研究 ・ 世界的なインターネット資源管理を中心とした政策および体制に関する調査研究 ・ ICANN等における議論参加および意見調整、提言の発信 ・ ドメイン名紛争処理の事例等に関する調査研究 ・ インターネット資源管理体制を中心としたインターネットの歴史に関する調査研究 ・ その他インターネットの基盤整備に関する調査研究 2.4 JPドメイン名に関する業務 (同第(4)号関係) ・ JPドメイン名紛争処理方針および手続規則の運用並びに普及啓発 ・ 紛争処理機関との協調作業 ・ AD.JPドメイン名申請における審査業務 ・ JPドメイン名レジストリのデータエスクロー関連業務 ・ JPドメイン名の公共性の担保に関する業務 2.5 新たなドメイン名に関する業務 (同第(4)号関係) ・ IDN ccTLDに関する業務 ・ 新gTLD等に関する対応