第1回 JPNIC 運営委員会議事録 開催日時: 1993年5月29日(土) 10:25-18:15 場所: 東京大学 大型計算機センター 大会議室 出席委員: 加藤朗、 神山一恵、小西和憲、後藤滋樹、佐野晋、 高田広章、中村順一、中山雅哉、東田幸樹、平原正樹、 松方純、 丸山直昌、村井純、 吉村伸、 相澤彰子 (午後より出席) 欠席委員: 苅田幸雄、後藤邦夫、酒井伸啓 オブザーバ: 布施、佐藤、井爪、後藤(幸)、始沢 配布資料: 第1回 JPNIC 運営委員会議事次第 資料1 JPNIC 運営委員一覧 資料2-1 第1回 JPNIC 総会、理事会報告 資料2-2 平成5年度 JPNIC 活動計画(案) 資料2-3 平成5年度 JPNIC 予算(案) 資料3-1 旅費の算出方法/支払い方法(案) 資料3-2 JPNIC 立ち上げに要した経費等 資料4 平成5年度 JPNIC 行事計画(案) 資料5-1 IP アドレス割当グループ <<Report of Assigned IP-address>> 資料5-2 DB管理グループ作業報告と議題 資料5-3 DNS管理グループ作業報告と議題 資料5-4 ドメイン名割り当て報告 2/10から5/28までの割り当て状況 *close* 資料5-5 5/28現在の状況 *close* 資料5-6 IP-ALLOC SUMMARY(1993/5/28) 資料6 ワーキンググループ(WG) の今後の運営について(案) *close* 資料7-1 JPNICからのお知らせの方法について *close* 資料7-2 S-NETWORK の扱いについて 資料8 ドメイン名割り当てグループからの審議事項 議事 0. センター長挨拶 村井センター長より総会、理事会を経て運営委員会の構成委員が承認された旨、 紹介があり、センター規定第30条第1項に基づき委員の 2/3 以上の出席(14名)を確 認し、第1回の運営委員会の開催が宣言された。 1. 運営委員長の選出 村井センター長を暫定議長として、各議事に先立ち運営委員長の選出が行なわれ、 選挙の結果平原委員が13委員の賛成により選出された。 議長交替後、資料1に基づき各JPNIC委員の自己紹介ならびにオブザーバの紹介が 行なわれた。 2. 総会、理事会の報告 2.1 総会報告 事務局(佐藤)より、資料2-1, 2-2, 2-3 に基づき総会において、規定(案)の改正 後、役員選挙、平成 5年度の活動計画・予算の承認が行なわれた旨報告があった。 また、JPNIC 会員から負担金の見直しを検討する旨の要望が出たことが報告された。 2.2 理事会報告 引続き、資料2-1 に基づき理事会に関する報告が行なわれ、運営委員会への連絡/ 依頼事項として、運営委員の枠内選出には地域の公平性と貢献がスムーズとなるよ う割振りを検討する旨の申し入れと、負担金の見直し、情報公開についての検討依 頼が出されたことが報告された。 同資料の下から 2行目の「ニュースソースをわかりやすい記述で表現する」の意 味について委員から質問が出され、これに対して、JPNIC から出された情報が議事 録であるのか資料であるのか等、出処をはっきりさせることであるとの説明があっ た。 3. JPNIC の予算執行について 3.1 予算案の確認 事務局(布施)より、資料2-3 に基づき予算案の確認が行なわれ、1993/5/29 現在 で、180 万円の振り込みが行なわれていることが報告された。また、予算案に計上 されている JPNIC用機器等に関しては、リソース担当を定め、事務局を含めて運営 グループを新規に作成することを検討する方針が提案され、詳細は議題6 において 議論することとした。 3.2 旅費算出/執行方法について 引続き、資料3-1 に基づき、旅費の算定方法に関して確認が行なわれた。算定方 法は、公務員・文部省・東京大学において定められている規則に準じて定められて いるとのこと。本算定方法より少ない自己申告を認めることや、低額の旅費はまと めて振り込む等の旅費節約方法の意見が出されたが、基本的に算出方法が承認され、 具体的な執行方法については、事務局に任せることとした。 3.3 JPNIC 立ち上げに要している経費の報告 資料3-2 に基づき、現在までに使用している経費について報告があった。今回は、 運営委員会までの必要経費の報告が行なわれたが、今後は予算案を超過しない間は 運営委員会での報告は必要としないことが確認され、超過する場合も運営グループ と監事に連絡する方法をとることとした。 4. 運営委員会の開催方法等について 4.1 代理・委任状、オブザーバの出席について 高田委員より表記の点について議論したい旨説明があった。協議の結果、JPNIC 運営委員は、個人に対して委嘱しているため代理は認めないことが確認され、委任 状は、センター規定第30条第1項において認められていることが確認された。 また、オブザーバの出席についての議論において、本運営委員会は原則公開 (傍 聴人の参加可) とするが、プライバシーに関する点を含んだ議論を行なう場合、非 公開とすることがあることが確認された。次回からは、公開可な議題についてをま とめて行ない、非公開な議論が必要な部分と分離することができるようにスケジュ ールすることとなった。更に、運営委員会 ML 等を含めて参加する常駐のオブザー バは、委員となってもらう方向で働きかけることが確認された。 また、オブザーバという言葉は、複数の意味合いを持つため、ここでは、以下に示 す様に招待者として運営委員会への参加を招聘する者と傍聴人の立場を分離して考 えることとした。 旅費 公開議論 非公開部を含む議論 運営委員 ○ ○ ○ 理事・監事 招聘者のみ○ ○ ○/× (議題による) 招待者 (運営委員長が 必要と認めた) ゲスト ○ ○ ○/× (議題による) (WG)スタッフ ○ ○ ○/× (議題による) 事務局 ○ ○ ○/× (議題による) 傍聴人 × ○ × また、招待・傍聴の手順に関しては、事務局に任せるすることとした。 --- 昼食 & 休息 (12:45-13:45) --- 4.2 開催の通知方法について 今後の運営委員会の通知方法については、電子メイルを利用し、郵送が必要な場 合は、事務局に個別に連絡する方法をとることが確認された。委任状についても同 様とすることが確認された。 4.3 電子メイルでの会議の方法について 運営委員会の議事を円滑に行なうために、電子メイルを用いることが確認され、 議事として審議が必要となった場合は、議長(委員長)がその宣言を行なうこととな った。電子メイルを用いた議論の議事録のとりまとめに関しては、議題が提供され た時点で、議事識別のための番号と、とりまとめ担当者を決定し、下記のフォーマ ットに従って議題の趣旨と結論のとりまとめを行なうこととなった。また、事務局 は、週に 1-2回程度、各議題の進行状況について運営委員会 ML に連絡することと した。 <番号> 提案時は、XX を付記し、議長が番号を発行する <担当者> 議事とりまとめ担当者 <議題> 議題名称 <決議案> 決議結果の案 <決議期限> 決議期限 <vote type> 簡易/正式 vote の区別 これに伴い、現在も行なわれている各WG からの MLへの報告と議論をアドレスに より分離することが提案され採択された。 また、ある程度成立が予想される議題に関しては、少なくとも 1週間の決議期間 を設定し、この間に反対が生じない場合は、決議が成立するといった ML 内のルー ルを利用する方法 (簡易 vote) が提案され、採択された。これに対して、正式な voting を必要とする場合は、voting 用の既存の方法を利用することが確認された。 具体的な ML 内での議論の流れは、以下の図に示す通りとなる。 +------+ | 議題 | +------+ | | +-------+ +-------+ | | V (反論あり) V 決議期限以内に反対意見が +------+ <-------- +-----------+ ない場合は議決成立 | 議論 | | 簡易 vote | +------+ --------> +-----------+ | V +------+ | vote | +------+ 決議期限までに届いた電子メイル票決で過半数 ある場合に議決成立 これに対して、次回の運営委員会までに例を示して議決の方法を示すことが提案 され、積み残し議題を用いて実際に実行することが確認された。 4.4 情報の公開範囲とその方法について 引続き、運営委員会議事録等、JPNIC から公開する情報の種別範囲と時期につい て議論が行なわれ、運営委員会議事録については、簡易 vote を行ない、公開する こととなった。委員会での配布資料についても、プライバシーに関する情報を含む 資料については非公開資料とするが、一般に公開することとなった。運営委員会ML における議事録については、簡易vote/vote 終了時点で公開することとし、添付資 料等については、次回の運営委員会において資料として確認することで公開資料と することとした。 実際の情報公開方法については、議題9.1) において行なうこととした。 4.5 今後の開催スケジュール等について 今回の運営委員会の最終議題とすることとし、議事を進行することとした。 5. ワーキンググループ作業報告 報告に先立ち、各ワーキンググループの報告資料の体裁として、割り当てた資源 の積算統計等の情報から実際に割り当てが行なわれた詳細な情報が続くような top down 形式によるまとめ方が行なわれるよう、委員から要請があり確認された。 5.1 ドメイン名割当グループ WG スタッフ(後藤)ならびに神山委員より資料5-4, 5-5 に基づき 2/10から 5/28 のドメイン名割り当て報告および、5/28現在の状況について説明があった。 これに対して、割り当て積算、報告期間内の割り当て総数、割り当て一覧の順に 資料をまとめるよう、委員からの要請があった。また、公開が適当でない情報につ いては、資料を分離する形でまとめるよう考慮することが確認された。 5.2 IPアドレス割当グループ 平原委員長より資料5-1, 資料5-6 に基づき IPアドレス割り当て状況ならびに、 5/28 現在の状況について説明があった。 これに対して、平均の割り当て待ち時間等の統計情報を作成することが、委員か ら要請があり確認された。 5.3 データベース管理グループ 高田委員より資料5-2 に基づき JPNICデータベースへの登録状況ならびに、Inter- NIC との連絡に際して誤解から、一部の国内組織の逆引き情報が海外DNS から削除 される事故が発生したことが報告された。事故は10日間程度で、現在は問題となっ ていないとのこと。 5.4 DNS 管理グループ 高田委員より資料5-3 に基づき DNS 管理グループの登録/削除作業について報告 があった。引続き、審議項目にあたるドキュメントの改訂について確認があり、以 下の訂正を加えることで了承された。 [1] 「2. 諸々の注意」の第3項目2文節目を 「なお、JNIC は、... 」 -> 「なお、JPNIC は、...」 とする [2] 「資料. 各 NOC のネームサーバ」の表中から、JAIN-OSAKA, JAIN-HOKKAIDO, JAIN-TOHOKU, JAIN-NAGOYA, JAIN-KYOTO の記述を削除する また、技術ガイドに関する記述については分離することが望ましい旨、委員から 提案があり、確認された。 5.5 APNIC 作業グループ 平原委員長より、現在作業準備中で今回は特に報告事項がないことが確認された。 6. ワーキンググループ(WG)の今後の運営について 高田委員より資料6 に基づき原則案について説明があり、審議の結果、 [1] 3番めの項目について「WG chair は運営委員が行なうこととする」を追加する [2] 最初の ? 項目において「および副委員長が」を削除する [3] 2番めの ? 項目については、そのまま採用する [4] 最後の ? 項目については削除する ことが採択された。 また、これに伴い、運営委員長の補佐/代行を行なうために副運営委員長を 1名 置くことが委員から提案され全会一致で採択された。引続き行なわれた副運営委員 長の選出に対して高田委員が推薦され、賛成多数により決定した。 更に、WG の候補について意見が交わされ、1) データベース管理グループを DB登 録グループ(DB-IN) と DB公開グループ(DB-OUT) に分離すること、2) JPNIC事務局 等で利用する資源管理について検討するリソース管理グループ(RES) を設置するこ と、3) 規約改正に関して検討する時限つきの WG (RULE) を設置することが確認さ れた。 上記、原則等に基づき、運営委員会メンバーの所属する WG について検討した結 果、以下のような構成をとることが提案された。 WG名 chair vice chair member COM 平原 高田 (運営委員会) DOM 神山 高田 相澤、酒井、平原、丸山、 村井、吉村 IP 吉村 平原 加藤、後藤(滋)、中村、村井 DB-IN 高田 松方 DB-OUT 中山 平原 中村 DNS 加藤 高田 松方、吉村 PUB 丸山 吉村 相澤、酒井 RES 中山 佐野 加藤、村井 SOC 後藤(滋) 小西 + FUTURE + CHARGE FUTURE 東田 小西 神山 + SOC + CHARGE CHARGE 佐野 後藤(邦) 苅田 + SOC + FUTURE APNIC 村井 平原 相澤、苅田、小西、中村、 中山、松方 RULE 丸 神山 東田 広報を担当する場合等、対外的な連絡に際して立場を明確にするための名刺作成 を行なう提案が委員よりあり、審議の結果、運営委員、理事、事務局において必要 とする場合は、事務局に依頼して作成することができることとした。 また、各WG の ML 管理については、RES WG が行なうこととし、内部的には *-wg として ML を作成することとした。 7. ドメイン名 WG からの審議事項について 7.1 個人に対するドメイン名の割当およびドキュメント改訂について 神山委員より資料8 に基づき、WG内で個人へのドメイン名割り当てについて検討 した結果、個人が「事業を行なっていること」を判定することが非常に困難である ことが判明したため、個人事業主への割当を一旦停止することとしたい旨説明があ った。また、個人がドメイン名を取得する方法については、(1) 個人を対象とする サービス提供者に第4レベル以降として割り当てを行なってもらう方法 (2) 10月以 降をメドに Geographic Domain の取得に関して検討する方法が提案されている旨 説明された。 これに対して各種の観点から個人に対するドメイン名提供の方法に関して協議が 行なわれ、多くの意見が出されて議論が収束しないことから、個人に対するドメイ ン名の割り当てに関しては審議未了により継続審議することとなり、6月1日付けの ドキュメント改訂に関してのみ議決が行なわれ、賛成9、反対2の賛成多数により変 更が可決された。 8. 緊急な議題について 運営委員会の時間の都合により、議事次第における 7.3) 以降についての議題の 中で、早急に審議を必要とする項目のみを取り上げることとなった。 その結果、「9.2) S-NETWORK の取り扱いについて」および、最終議題とした「4. 5) 今後の開催スケジュール等について」を取り上げることとし、それ以外について は ML 等を用いて審議することとなった。 [9.2) S-NETWORK の扱いについて] 高田委員より資料7-2 に基づき、S-NETWORK 事務局からの問い合わせにおいて、 複数ネットワークに所属する重複した組織の数え方について審議することが提案さ れ、CHARGE WG において早急に検討することが確認された。 [4.5) 今後の開催スケジュールについて] 平原委員長より、資料4 に基づき運営委員会の開催スケジュールを決定したい旨 説明があり、出席委員の現在の予定から、日程調整が行なわれ以下の通り開催予定 とすることが確認された。 第2回運営委員会 1993/ 7/20(火) 第3回運営委員会 1993/ 9/17(金) 第4回運営委員会 1993/11/16(火) 第5回運営委員会 1994/ 1/21(金) 第6回運営委員会 1994/ 3/18(金) 以上