1993/9/17 資料1-1 第2回 JPNIC 運営委員会議事録 開催日時: 1993年7月20日(火) 10:10-19:05 場所: 東京大学 大型計算機センター 大会議室 出席委員: 加藤朗、神山一恵、小西和憲、後藤邦夫、後藤滋樹、酒井伸啓、 佐野晋、中村順一、中山雅哉、平原正樹、松方純、 村井純、 吉村伸、高田広章(午後より出席)、東田幸樹(午後より出席) 欠席委員: 相澤彰子、苅田幸雄、丸山直昌 招待者: 布施、佐藤、井爪、吉澤(以上事務局) 傍聴者: 5名 配布資料: 第2回 JPNIC 運営委員会議事次第 資料1-1 第1回 JPNIC 運営委員会議事録 資料1-2 データベース登録フォームの改正について 資料1-3 メイリングリストの管理依託について 資料1-4 JPNIC からのお知らせの方法について 資料1-5 第1回 JPNIC 運営委員会議事録の承認 資料2-1 ドメイン名割り当て報告 資料2-2 IP グループ作業報告( Report of Assigned IP-address ) 資料2-3 DB-IN グループ作業報告 資料2-4 DNS 管理グループ( 国内向け )作業報告 資料3-1 DB-IN グループからの審議事項 資料3-2 anonymous ftp server における会員ネットワーク情報の収集方法 について 資料3-3 Network Information in the Directory: a Deployment Strategy 資料4-1 ネットワークプロジェクト参加単位と JPNIC プロジェクトフォー ム記述単位の不一致について 資料4-2 事務局からの報告および審議事項 資料4-3 JPNIC ログ( 案 ) *close* 資料5-1 7/19 現在の割り当て待ち状況 *close* 資料5-2(1/2) IP グループ作業報告( IP-ALLOC SUMMARY ) *close* 資料5-2(2/2) 日本国内での CIDR ブロック割り当て方針に関するメモ *close* 資料5-3 ワーキンググループ作業報告 SOC 議事 平原 JPNIC 運営委員会委員長司会のもと、センター規程第30条第1項に基づき委員 の 2/3 以上の出席( 13名 )を確認し、第2回の JPNIC 運営委員会( 以降「運営委員 会」)の開催が宣言された。 [ 公開議題 ] 1. 前回議事録の確認 資料1-1~1-5 により、第1回の運営委員会議事録および電子メイルによる運営委員 会の議事録を確認した。 2. ワーキンググループ作業報告 2.1 DOM 神山委員より、資料2-1 に基づきドメイン名の割り当て状況が報告された。 これに対して、リジェクトした理由について質問があり、必須事項の記入漏れ等に よる旨の回答があった。 2.2 IP 吉村委員より、資料2-2 に基づき IP アドレスの割り当て状況が報告された。また、 クラスBの割り当てについて、前 WG chair との連絡が密に取れなかったこと等から 現在処理が滞っており、早急に対処しなければならない旨の報告があった。 これに対して委員より、返却分に関する情報と、これまで割り当てた積算統計に関 する情報も報告して欲しい旨要請され、了承された。 2.3 DB 中山委員より、資料2-3 に基づき DB-IN WG からの報告があった。 これに関連して委員より、MERIT から、IP アドレスのネットワーク名称が JPNIC と InterNIC とで合致していない旨の連絡があったことについて報告された。この解 決方法について種々の意見が出されたが、議論が収束しないことから DB-IN WG と IP WG とで連係して検討することとなった。 引き続き中山委員より DB-OUT WG 報告として、mail-server に ISO2022JP が入っ ているものが来た場合に発生したエラーの調査状況等について報告があった。 2.4 DNS 加藤委員より、資料2-4 に基づき国内向け作業の報告があった。 2.5 PUB 吉村委員より、以下の報告があり了承された。 ・日経コミュニケーション編集者から請求があり、JPNIC の anonymous ftp serv- er から配布している JPNIC 関連の全ての文書を渡した。 ・UNIX マガジンの紙面が与えられたので、平原委員が JPNIC の枠組み等に関する 紹介記事を掲載する。また、UNIX マガジンでは連載を希望しているため、各 WG chiar に広報イメージの原稿作成の協力が要請された。 2.6 RES 中山委員より、各 WG メイリングリストの整備状況等について報告があった。 2.7 SOC 今回報告事項が無いことが確認された。 2.8 FUTURE 今回報告事項が無いことが確認された。 2.9 CHARGE 佐野委員より、現在の会費の体系を定めた経緯等を整理し、次回の運営委員会まで に来年度の会費に関する問題等を検討するための資料を作成する旨の報告があった。 2.10 APNIC 報告者の都合により報告を後回しとし、議事を進行することとした。 2.11 RULE 丸山委員が欠席のため事務局より、電子メイルによる運営委員会( committee )に 報告された現行の規程に関して指摘されている点について、以下の報告があった。 ・書面議決の場合の定足数についての規定が無い。 ・運営委員の委任・代理人の規定について。 ・運営副委員長の規定を作るべきである。 また、今後のスケジュールについて、12月頃から、そこまでに集積された問題点 をもとに規程改定案作りを開始し、次期総会に諮る旨の報告があった。 3. ワーキンググループからの審議事項 3.1 DB-IN グループからの審議事項 中山委員より、資料3-1 に基づき高田委員から提案されたいずれの会員ネットワー クにも属さなくなったドメインの、ネームサーバからの削除手順に関する提案につい て説明があった。 これに対して、以下の意見が出された。 ・削除までの期間が事故に対する配慮であるとすると1週間では短く、1ヶ月が適 切なのではないか。 ・警告メイルが当該ドメインに対して送られるものならば、既に回線を切っている ことが考えられるので、届かない可能性がある。 ・関連して、警告メイルの送付範囲はどこまでなのか。 ・事故に対する配慮の一つとして、会員がネットワークプロジェクト情報を更新す る際に、JPNIC から返送する情報( 電子メイル )の先頭に、新旧の差異を分かり 易い形で付加することが有効ではないか。 これらについて種々議論されたが、本件提案者への確認事項もあるので、後程出席 が予定されている高田委員を交えて引き続き審議することとし、議事を進めることと した。 3.2 DB-OUT グループからの審議事項 中山委員より、資料3-2 に基づき各 JPNIC 会員の公開情報の収集方法および公開 方法に関する提案について説明があった。 これに対して委員より、収集する情報として AUP、ポリシー、マップおよび料金等 が要望された。また、本サービスの運用方法について種々議論され、情報更新等の管 理上の問題や宣伝広告に関する問題等から、JPNIC では各会員が情報を置くための場 所のみを用意し、管理を含めそこに置かれる情報に関する責任は各会員に任せる旨の 提案があり、承認された。 この提案を踏まえて DB-OUT グループでは、事務局で運用するために必要となる最 低限の技術的事項を定め、それと併せて本サービスを各会員に対してお知らせするこ ととなった。 これに関連して、JPNIC 会員以外からリクエストがあった場合の取り扱いについて 議論され、その必要性等、運営委員会で個別に審議することとなった。このことに伴 い、現状要請されている JCRN、JEPG/IP および InterNIC に関する情報について審議 され、承認された。また、JPNIC に寄付される RFC の日本語訳ドキュメントの扱いに ついて種々意見交換があり、今後 JPNIC に寄付されるドキュメントに関しては、PUB WG が内容を審議の上、公開情報として置くこととなった。 また、委員より、JPNIC でも InterNIC で公開されている情報を扱ってはどうかと の意見が出されたが、サービスとして行うためには計算機資源を見積る必要がある旨 の回答があった。 3.3 PUB グループからの審議事項 吉村委員より、各運営委員に対して、より広範囲に JPNIC を広報するために協力し てほしい旨の要請と、これに関連して UNIX マガジンより、JPNIC の紹介に関して連 載が要望されているので、各 WG は原稿作成に協力してほしい旨の要請があり、了承 された。なお、UNIX マガジンに掲載するための原稿作成にあたっては、PUB WG から 適宜各 WG Chair に依頼を行う旨の説明があった。 吉村委員より、JPNIC からのお知らせに関して、国内全てのドメインの運用責任者 および技術連絡担当者に連絡可能なアナウンスチャネルの整備が必要である旨の提案 があった。 これに対して、現状 JPNIC が整備している各会員へのアナウンスチャネルである JPNIC-INFO を、その旨活用できるよう各会員に対して依頼することとなり、その依頼 文書は事務局と PUB WG とで作成することとなった。 これに関連して、JPNIC-INFO にアナウンスを行う場合は、それを把握しておくとと もに、場合によって何らかのアナウンスを併せて行う可能性もあること等から、事前 に PUB WG に連絡することとなった。 --- 昼食 & 休息 (13:05-14:00) --- 3.4 DNS グループからの審議事項 加藤委員より、海外向けネームサーバの登録に関して以下の提案があった。 ・海外リンクを所有する会員プロジェクトフォーム中の、「海外認定ドメイン名」 レコードに記述されているドメインからネームサーバの登録依頼があれば登録を 行いたい。 ・ただし、(1) 後程 SOC グループから提起される問題、(2) ドキュメント等の整備 が必要となる。 これに対して、(1) については後程 SOC WG も交えて議論することとなり、(2) に ついては、DNS WG および DB WG で検討することとなった。 [ 3.3 PUB グループからの審議事項 ] 吉村委員より、各 WG で作成している一般利用者への各種説明用ドキュメントに関 して、「です。ます。」調に統一して行くよう要請され、了承された。 また、これに関連して委員より、今後それらの作成・改訂にあたっては利用者の立 場に立ち、より分かり易く記述するよう心掛ける旨の提案が出され、了承された。 4. その他 4.1 ネットワークプロジェクト参加単位と JPNIC プロジェクトフォーム記述単位の不 一致について 後藤(邦)委員より資料4-1 に基づき、ネットワークプロジェクト参加単位と JPNIC プロジェクトフォーム記述単位とが一致していない問題、およびその解決方法につい て提案された。 これに対して、本件は、当該参加組織と当該ネットワークプロジェクト間の問題で あり、JPNIC で扱う問題ではないことが確認された。 4.2 事務局からの報告および審議事項 報告に先立ち中山委員より、6月16日付で JPNIC 事務局長に就任した旨の挨拶が あった後、資料4-2 に基づき、以下の報告および審議が行われた。 (1) 平成5年度の海外出張旅費の執行 海外出張旅費予算執行の一つとして、APCCIRN に出席することが承認された。つづ いて派遣者の選出が行われ、APNIC WG のメンバであり、かつ、DB の情報交換の必要 性から DB WG メンバに所属する中山委員の推薦があり、決定した。 (2) アルバイトの雇用について 事務局にアルバイトを雇用するため、現在調整を行っている旨の報告があった。 (3) JPNIC に対する寄付行為について 寄付行為自体について承認された。また、寄付の申し出があった場合は、JPNIC が それを受けるか否かについて、運営委員会で個別に審議することとなった。 このことに伴い、現在事務局に申し出がある旨報告された寄付について、受けるか 否かを非公開議題で審議することとした。 関連して、寄付を受けた場合の紹介方法について質問があり、決算時に報告され、 これに伴いニュースレター等に紹介される旨の回答があった。また、委員より、寄付 を受ける場合には、寄付者に対して、以下の事項に関して説明を行う等の配慮が必要 である旨の意見があった。 ・現状、JPNIC は任意団体であることから、寄付金に関して所得税控除は適用され ない。 (4) 運営委員会会議の Audiocast による傍聴について 事務局に対して、本件の実現について要望が出されている旨の説明があり、実現す るために必要となる設備に係る経費等の問題から、当面行わないこととなった。ただ し、設備等を含めて申し出のあった場合は、これを受け付けることとした。 (5) ロゴの作成について 東海大学のご協力により、JPNIC ロゴ案( 資料4-3 )が作成された旨報告があった。 これに対して種々意見が交換され、名刺、封筒、OHP およびレターヘッド等に使用 するため、縦横比等のデザインの一部変更に関する作者との交渉、あるいは他案の作 成について等、本件は事務局に一任することとなった。 (6) 名刺の作成について 名刺に記載される連絡先は案1とし、電話および FAX 番号は、事務局のものが準備 でき次第それを記載することとなった。 --- 休息 (15:30-15:45) --- [ 3.3 APNIC グループからの審議事項 ] 村井委員より、資料3-3 に基づき IETF の OSI ディレクトリサービス WG が提案し ている、X.500 ディレクトリサービスを用いた NIC 間の DB を連係させる実験的プロ ジェクトについて説明があり、これに関して JPNIC においても検討を行ってはどうか との提案があった。 これに対して種々議論され、当面 DB-OUT WG が扱うこととした。なお、DB-OUT WG では、IETF の OSI グループと連係する等、本件に関して調査等を行い、必要に応じ て運営委員会の審議を得ることとした。 [ 2.10 APNIC ] 村井委員より、現状 APNIC に要望されている事項について以下の報告があった。 ・将来的な CIDR の運用に関連して、IP アドレスのブロック割り当てを円滑に行う ための機構。 ・DB インフォメーションの管理。 ・NCC、InterNIC および各国との情報交換の方法。 関連して、JPNIC の 10% のリソースを、APNIC 立ち上げ期における一年間提供し、 APNIC の立ち上げに協力したい旨、8月に開催される APCCIRN で提案したいとの説明 があった。 これに対して種々議論され、以下の意見が出された。 ・APNIC の担う役割を決め、そのいくつかを JPNIC が協力する旨の提案を行っては どうか。例えば、IP アドレスの CIDR ブロック割り当て部分の役割を、JPNIC が 協力する等の案が考えられる。 ・10% のリソースで処理しきれない作業量が発生した場合の検討も必要である。 これらの意見を踏まえ、APNIC WG では、APNIC 全体の仕事量の見積りおよび関連各 国の役割分担を作成し、8月の APCCIRN で提案する内容を、事前に committee で審 議することとした。 [ 3.1 DB-IN グループからの審議事項 ] 高田委員より、資料3-1 に基づく提案の説明があった。 これに対して種々議論され、以下のとおり承認された。 ・事故に対する配慮として、会員がネットワークプロジェクト情報を更新する際に、 JPNIC から返送する情報( 電子メイル )の先頭に、新旧の差異を分かり易い形で 付加する。 ・当該ドメインに対しては、ネームサーバから削除される旨電子メイルでお知らせ することとし、そのタイミングは1ヶ月前と1週間前の2回とする。 [ 非公開議題 ] 5. ワーキンググループ作業報告 5.1 DOM 神山委員より、資料5-1 に基づき 7/19 現在のドメイン名割り当て待ち状況につい て報告があった。 5.2 IP 村井委員より、資料5-2 に基づき日本国内での CIDR ブロック割り当て方針につい て説明があった。 これに対して、以下の意見が出された。 ・プロバイダ毎に割り当て基準が異なる心配がある。 ・プロバイダを変更した場合の、IP アドレスの扱いをどうするか。 ・割り当ては、プロバイダに対して義務とするか権利とするか。 関連して種々議論され、プロバイダに割り当てを委任することに関する問題より、 ルーティング情報を集約しなければならない問題を重視することが合意され、以下に ついて承認された。 (1) APNIC で CIDR ブロック割り当て用の IP アドレスを確保し、その中から日本国 内に割り当てる分を確保する旨 APCCIRN で提案する。提案する内容は、8月9日ま でに committee に流す。 (2) 申し出のあったプロバイダに対して CIDR ブロックを割り付け、そのプロバイダ 経由の申請に対して、割り付けられたブロックからアドレスを割り当てるパイロッ トプロジェクト( 運営委員会内での仮称 )を開始する。 これに伴い、現在申し出のある IIJ が承認され、公平性を期すために、他の商用プ ロバイダからも申し出があれば同じ条件でパイロットプロジェクトに参加できるよう にという意見があり、その方向で承認された。そのために、パイロットプロジェクト の紹介および申し出にあたっての条件をドキュメントとして取りまとめ、配布するこ ととなった。 また、パイロットプロジェクトを当面行うための IP アドレスとして、4×256個の クラスCを InterNIC から取得することとした。 5.3 SOC 後藤(滋)委員より、資料5-3 に基づき SOC WG からの報告があった。 DNS 問題に関して種々議論され、新たに国際リンクを所有した会員の情報は、運営 委員会に報告することとなった。また、関連して以下の意見が出された。 ・国際リンクを所有した場合、それ用のフォームを作成して届けさせてはどうか。 ・海外向けネームサーバ登録作業の迅速化を DNS WG で検討する。 ・JPNIC で海外向けネームサーバの運用を検討してはどうか。 6. 事務局からの審議事項 4.2 (3) で報告された寄付の申し出について審議され、これを受けることとなった。 ただし、税金等に関する配慮は、寄付者側で行っていただくようお願いすることとし た。 関連して、寄付者が匿名を望んだ場合の取り扱いについて審議され、運営委員会で 寄付の承認を得た後、広報等に関しての匿名は許すこととした。 以上