1994/09/13 資料3-1 高度情報通信社会推進本部殿(案) 平成6年9月30日 日本ネットワークインフォメーションセンター 拝啓 時下いよいよご清祥のことと拝察申し上げます。 さて、貴本部が設置され、さらにインターネットを介して国民の意見を吸い上げる 体制を採られましたことに対し、インターネットの普及に努めてきた当センターと いたしまして、大きな喜びを感じると共に、責任の重さを改めて自覚した次第です。 さっそくですが、インターネットの推進に携わってきた経験から、高度情報通信 社会のあるべき姿について、意見を述べさせていただきます。 首相の所信表明演説でも述べられていますように、高度情報通信社会は経済フロン ティアの拡大により実現できるものであり、経済の活性化・新たな雇用を創出 します。さらには、高度情報通信社会は諸外国との文化交流を通じて、国際 協調・国際平和に貢献する社会でもあります。 このような高度情報通信社会を実現するために、政府が下記の施策をとることが 至要と思われます。 ・基礎的研究の充実 ・高速・広域の実験ネットワークの研究開発 ・規制緩和による民間ネットワーク活動の活性化 ・官民の区別なく、ネットワークの公平な支援 ・世界、特にアジア太平洋地域に対する貢献とリーダシップ 高度情報通信の基盤の一つとしてインターネットが注目されています。 我が国でもインターネット環境の整備は着々と行われてきており、 インターネットに接続されたネットワーク総数は、米国についで世界第二位と なっています。当センターは、官民の区別なく、国内のインターネットを 維持管理するために必要な、以下のネットワーク支援活動を行っています。 ・番号資源等(IPアドレス、ドメイン名等)の割当と管理 ・サーバ(アドレス変換サーバ、情報サーバ等)の運用 ・上記の国際協力、国際標準化 当センターは、センターに共感する人々のボランティア活動とインターネット を運用している団体から徴収した会費をベースとして、支援活動を推進して いるのですが、貴内閣の施策に呼応して、高度情報通信社会へ向けて一層活発な 活動を展開したいと考えています。 つきましては、教育、電気通信、情報処理、医学等の分野に片寄らず、 かつ、官民を区別しない、高度情報通信社会におけるネットワーク支援 活動のあるべき姿について、当センターが貴本部と意見交換する機会を与えて くださるよう、要望いたします。 以上