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JPNICはインターネットの円滑な運営を支えるための組織です

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								  95/07/31
								  資料1-2-4

議題番号:       95-018-S
議題:           「IPアドレス割当業務委任について」の制定
決議内容:       「IPアドレス割当業務委任について」を添付
                資料1 の通りに制定する。
付帯決議:       参考文献を JPNIC の ftp サーバに置く
タイプ:         簡易vote
審議開始日:     95/06/23
承認日:         95/06/30
担当者:         小島育夫 (IP WG)

添付資料1
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-------------------------------------------------------------------------
|  JPNIC公開文書著作権表示 (Copyright notice of JPNIC open documents)   |
|                                                                       |
|  この文書はJPNIC公開文書であり、著作権は日本ネットワークインフォ      |
|  メーションセンター(JPNIC)が保持しています。JPNIC公開文書は誰でも     |
|  送付手数料のみの負担でJPNICから入手できます。また、この著作権        |
|  表示を入れるかぎり、誰でも自由に転載・複製・再配布を行なって構       |
|  いません。                                                           |
|  〒113 東京都文京区弥生2-11-16 東京大学大型計算機センター内           |
|        日本ネットワークインフォメーションセンター                     |
-------------------------------------------------------------------------

                      IPアドレス割当業務委任について

                日本ネットワークインフォメーションセンター
                        IPアドレス割当グループ
			最終更新 1995年 6月 22日 


0. この文書は、 1995年 7月 1日より有効となります。

本文書では、IPアドレスの割り当て業務に関して解説を行ないます。
実際に割り当て業務を行なう場合には、「IPアドレス割当処理手順について」
を参照して下さい。

1. はじめに

  近年、インターネットに接続される組織の数は、世界的に指数関数的な増大
傾向を示しています。それにともない、それらの組織に対して割り当てられる
IPアドレスの数も急速な勢いで増加しつつあり、近い将来次のような問題に直
面することが予測されています。

  1. クラスBのアドレス空間の枯渇
  2. ルータのルーティングテーブルのエントリー数の急速な増大により、それ
     を処理するための、ルータのメモリ等のハードウェア資源やルーティング
     管理に関わる人的資源の不足
  3. 現在の32ビットのIPアドレス空間そのものの枯渇

  これらの問題のうち、1 および 2 は、比較的短期間の内に深刻化すること
が予測され、3 に対する根本的な解決(IPngの仕様決定および運用開始)がなさ
れるまでの間、CIDR( Classless Inter-Domain Routing )[1]と呼ばれる方式
を採用し、これらの問題に対処していくことがIESG ( Internet Engineering
Steering Group )で合意されました。これを受け、JEPG/IP( Japanese
Engineering & Planning Group/IP )のAddress Space TaskForceでも日本国内
でのCIDRにのっとったIPアドレスの割り当て、ルーティングの実現に向けて、
各方面との技術的な調整を進めてきました。またJPNIC ( Japan Network
Information Center )では、文献[2]や文献[3]に基づき、CIDRを意識したIPア
ドレスの割り当てを現在国内で行っています。

  今後さらに、CIDRに対応可能な形でのアドレスの割り当てや、文献[1]や文
献[4]に述べられているCIDRのもとでの階層的なルーティングの管理の実現を
促進するために、JPNICでは次のような新しいIPアドレスの割り当て方式を、
平成7年7月1日より実施します。

  JPNICは、各会員が運営するネットワークに接続される組織(既に接続されて
いる組織もふくむ)に対するIPアドレスの割り当て業務を、会員ネットワーク
に委任します。委任に際して、CIDRに対応した連続するIPアドレスのブロック
を、会員ネットワークに割り当てます。そのアドレスブロックから、割り当て
基準に基づき、アドレスを割り当てるというものです。

  以下に、JPNIC会員ネットワークに委任されるIPアドレスの割り当て作業の
範囲、また実際に割り当てを行う際に従うべき手順およびその他の注意事項と
を概説します。

2. 割り当てを委任されたアドレスブロックの扱い

  本手続きによって、会員ネットワークに委任されるアドレスは、JPNIC が行
うアドレス割り当ての業務を委任するものです。会員ネットワークに対して、
割り当てられたアドレスではありません。アドレスは、会員ネットワークに接
続される組織に割り当てられ、JPNIC データベースに登録された時点で有効に
なります。

3. 割り当て業務委任の申請

  割り当て業務の委任を希望する会員ネットワークは、JPNIC IP-AS 作業部会
へ申請を行なってください。申請は、添付1のフォーマットを用いて行なって
下さい。申請は下記宛お送り下さい。

	request@ip.nic.ad.jp

  割り当て委任を受けた会員ネットワークが、文献[3]により定めるものから
逸脱したアドレスの割り当てを行っていることをJPNIC運営委員会が認めた場
合には、その会員ネットワークへの割り当て委任を即刻打ち切り、以後そのネ
ットワークに関わるアドレスの割り当ては全て JPNIC が引き継ぎます。

4. JPNICによる、会員ネットワーク用アドレスブロックの割り当て

  JPNICは、割り当て業務の委任を行なった各会員ネットワークのそれぞれに対
して、アドレスブロックを割り当てます。このアドレスブロックは、CIDRブロッ
クとして取扱うことができる連続した 64 または、128 または、256個のClass
C を単位とします。各会員ネットワークが割り当て業務の委任を受けた時点で、
JPNICはそれぞれのネットワークに対して独立したアドレスブロックを1つ割り当
てます。以後、各会員ネットワークに接続される組織に対するIPアドレスの割り
当ては、その会員ネットワークに割り当てられたアドレスブロックの中から行わ
れます。

  割り当てられているアドレスブロックが残り少なくなった場合には、JPNIC
に対して新たなブロックの割り当てを申請することができます。新たなブロッ
クの申請をいつ行うかは、すでに確保されているブロックの4分の3の割り当て
が完了した時点を目安とします。

申請を受理してから 10日*以内に、アドレスブロックの割当てを行い、会員ネ
ットワークに通知します。
ただし、InterNIC/APNIC から JPNIC へのブロック割当てが滞った場合など、
やむを得ない事由により、一時的に割当て作業が遅れることがあります。その
場合、JPNIC は、10日*以内に会員ネットワークに対して、状況を連絡します。

「10日*以内」とは、申請書が 電子的形式で JPNIC が受信して、JPNIC が返事
を発送するまでの、休日を除く日数です。ですから、実際にかかる日数は10日
に、休日の日数や電子メイルが往復する日数を加えていただく必要があります。

5. 会員ネットワークによるアドレスの割り当て

5-1. 割り当て方法

  会員ネットワークに委任される業務は、会員ネットワークに接続される組織
に対する、IPアドレスの割り当てです。具体的には、割り当て基準によるIPア
ドレス申請内容の判断およびClass C 8個までの割り当てです。
2章に述べたように、接続されない組織に対するアドレスの割り当ては一切行う
ことはできませんので注意して下さい。
割り当ての委任を受けたアドレスブロック以外の割り当ても行なえません。

  会員ネットワークが割り当てを行なう場合は、アドレス数が2の冪乗個である
必要はありません。RFC1466に従い、ClassC 4 + ClassC 1 の合計した基準を
満足している場合は、ClassC 5 個を割り当てることができます。ClassC 8 個
を割り当てる必要はありません。

  会員ネットワークは、接続予定組織からのIPアドレス割当申請を文献[3]に示
される基準にしたがって割り当ての判断をして下さい。判断を行う際に注意が
必要となる場合は、その組織の割当済アドレスの種類と個数も検討しなければ
ならないということです。単純に新規申請アドレスの種類と個数のみで判断し
て、割り当てを行ってはいけません。

  すなわち、会員ネットワークがJPNICに審議を依頼すること無く割り当てを行
える場合は、割当済アドレスと新規に割り当てられるアドレスとを合計し文献
[3]に示される基準と照らし合わせ判断した結果 ClassC 8個以下に収まる範囲
まで、ということになります。ClassC 8個以下の場合でも、JPNICの判断が必要
と思われる場合は、審議依頼を行なって下さい。
割り当ての判断を行う前には必ずJPNICデータベースを参照して、申請組織の割
当済アドレスの種類と個数を確認して下さい。なお、会員ネットワークに委任
されたアドレスブロック以外の割当済アドレスがある場合(割当済アドレスに
関する経路情報を外部にアナウンスしない場合は除きます。)、割当済アドレ
スを返還して、会員ネットワークのアドレスブロックから割り当てを受ける事
を、申請者に推奨して下さい。ただしこれはあくまで推薦であって、強要する
事はできません。

  会員ネットワークが、アドレスの割当を行なう場合、以下を参考にして下さ
い。RFC1466をベースにしています。

     1) 256 アドレス以下の要求       クラス C アドレス1つ
     2) 512 アドレス以下の要求       連続する2つのクラス C アドレス
     3) 768 アドレス以下の要求       連続する3つのクラス C アドレス
     4) 1024 アドレス以下の要求      連続する4つのクラス C アドレス
     5) 1280 アドレス以下の要求      連続する5つのクラス C アドレス
     6) 1536 アドレス以下の要求      連続する6つのクラス C アドレス
     7) 1792 アドレス以下の要求      連続する7つのクラス C アドレス
     8) 2048 アドレス以下の要求      連続する8つのクラス C アドレス


  Class C 8個以下の割り当てが妥当と判断され、申請組織との間で合意が取れ
た場合には、委任されたアドレスブロックの中からIPアドレスの割り当てを行っ
て下さい。
JPNICに審議依頼したものに関しては、審議結果に従って処理を行なって下さい。

  判断が難しい場合として、申請組織が2つ以上のネットワークに接続される
場合があります。その組織が一つのネットワークのアドレスブロックに含まれ
るIPアドレスのみを使用する場合は、これまでに述べた基準で割り当てを行っ
ても問題はないでしょう。それ以外の場合で、2つ以上のネットワークに接続
されるような組織からの申請があった時は、会員ネットワーク側で判断を行わ
ずに、JPNICにその旨通知して下さい。

  なお、割り当ての判断を行う際の基準となる文献[3]は、最新の状況を反映さ
せるために内容が変更されることがありますので、常に最新のものを手に入れ、
その内容に従って割り当てを行なってください。

  申請組織に対して割り当てられたアドレスの通知を行う際に必ず、JPNICへ
割り当ての通知を行なって下さい。IPアドレスの割り当てがJPNICのデータベ
ースに反映された時点で、その割り当てプロセスは”完了”したと見なされ
ます。但し、割り当ての通知を受け取った時点で、そのIPアドレスの割り当
てが技術的な問題を起こすと認められる場合には、JPNICはそのアドレスの割
り当てを差し止めることが出来るものとします。

  また、会員ネットワークへ接続される組織から直接JPNICへアドレスの申請
が行なわれた場合、申請書を会員ネットワークへ転送します。会員ネットワー
クはそれらの内容に基づいて審議を行い、割り当ての処理を行なって下さい。
申請組織からの異議申し立てがあった場合はJPNICへ通知して下さい。
アドレス申請組織が複数の会員ネットワークへ接続される場合には、どの会員
ネットワークからアドレスの割り当てを受けるか、もしくは、受けたくないと
いう選択は申請組織が行なえるものとします。

5-2. 申請手数料

  1995年6月1日より、申請手数料の導入を行ないます。
  IPアドレス割当業務を委任する場合は、手数料徴収業務も含まれます。
  アドレス割り当て状況の報告をもとに請求書を2ヶ月毎に発行します。
  「ドメイン名・IPアドレス申請手数料について JPNIC会員向け」を参照し
  て下さい。
  手数料徴収業務が行なえない会員ネットワークの場合は、アドレスブロック
  の予約申請が行なえます。

5-3. アドレス割り当て状況の報告

  会員ネットワークは、毎月割り当てを行なったアドレスに関する情報をJPNIC
へ報告して下さい。報告のフォーム等は、「IPアドレス割当処理手順について」
を参照して下さい。

6. アドレスブロックの予約

  会員ネットワークからの申請により、アドレスブロックを予約し、その会員
ネットワークに接続される組織への割り当てに使用されます。
IPアドレスの申請書は、必ず会員ネットワークを経由してJPNICに提出して下さ
い。この際、会員ネットワークへ接続されることを確認した上で行なって下さい。
申請は、申請組織からJPNICに直接申請される場合と同様に扱われます。

  アドレスブロックの予約を希望する会員ネットワークは、JPNIC IP-AS 作業
部会へ申請を行なってください。申請は、添付2のフォーマットを用いて行な
って下さい。申請は下記宛お送り下さい。

	request@ip.nic.ad.jp

7. その他

割り当て業務を実施していくなかで発生した疑問/質問は JPNIC に通知して
下さい。不安を感じた場合など、独自の判断で行なわず必ず相談して下さい。


添付1.
-----------------------------------------------------------------------
		IPアドレス割り当て業務委任申請書

[申請年月日]

[会員名]

接続予測:
[現在]
[ 6ヶ月後]
[12ヶ月後]
[18ヶ月後]
[24ヶ月後]

経理担当者:
[個人ハンドル]
[氏名]
[Last, First]
[電子メイル]
[組織名]
[Organization]
[郵便番号]
[住所]
[Address]
[部署]
[Division]
[肩書]
[Title]
[電話番号]
[FAX番号]

#接続予測は、ClassCを単位とした数字で記述して下さい。
#経理担当者は、手数料に関する連絡の窓口となって頂く方を記入して下さい。
#経理担当者は、複数名登録可能です。
#追加申請に関しても同様に、この申請書を用いて下さい。
-----------------------------------------------------------------------

添付2.
-----------------------------------------------------------------------
		アドレスブロックの予約申請書

[申請年月日]

[会員名]

接続予測:
[現在]
[ 6ヶ月後]
[12ヶ月後]
[18ヶ月後]
[24ヶ月後]

#接続予測は、ClassCを単位とした数字で記述して下さい。
#追加申請に関しても同様に、この申請書を用いて下さい。
-----------------------------------------------------------------------

参考文献

 [1] 	V. Fuller, et al., "Classless Inter-Domain Routing(CIDR): an
	Address	Assignment and Aggregation Strategy", RFC1519, Sep. 1993.

 [2] 	E. Gerich, "Guidelines for Management of IP Address Space",
	RFC1466, May. 1993.

 [3]	JPNIC, IP address Working Group, 「IPアドレスの割当てに関する
        ガイド」

 [4] 	Y. Rekhter, et al., "An Architecture for IP Address Allocation 
	with CIDR", RFC1518, Sep. 1993.

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