2001/05/10 運営委員会 資料 3-2 DBAHT 報告 1) 今月のトピックス 特になし 2) 会議開催報告 前回の運営委員会より現在まで、以下の会議を開催しました。 2-1) DBAHT 4 月 20 日 議題 : データベースのポリシーについて 5 月 2 日 議題 : データベースに関する方針のまとめ 3) その他の報告 今回の運営委員会で、現在のデータベースに関する問題点およびポリシーに ついて検討した結果を報告するので、これらの結果をどのように扱うかにつ いては、今後検討していただきたい。 また、DBAHT (データベースをアドホックに検討するチーム)は、この報告を もって終了とする。 2001/05/10 DBAHT データベースに関する基本ポリシーについての報告 目次 1. はじめに 2. 報告内容 2.1 ポリシー改訂の動機 2.2 ポリシー素案 2.3 JPドメイン名情報およびIPアドレス情報に関する取扱いに関する詳細(素案) 2.3.1 機能とユーザからみたポリシー(ドメイン名編) 2.3.2 機能とユーザからみたポリシー(IPアドレス編) 3. データベースに関する問題点 3.1 全体的な問題 3.2 ユーザインターフェイスに関する問題 メンバ : 佐野 晋 奥山 徹 久保 次三 近藤 邦昭 藤野 貴之 前村 昌紀 川本 比佐雄 近藤 慎一 佐藤 香奈枝 中山 幸尋 待山 昌寛 松丸 真紀子 丸山 敦子 森 健太郎 ====================================================================== 1. はじめに DBAHT (データベースをアドホックに検討するチーム)は、システム検討部会 からの依頼にもとづき、JP ドメイン名検討部会、IP アドレス検討部会、シス テム検討部会からのメンバにより構成され、これまでデータベースの問題点、 今後の実装を意識したポリシーの検討を行なってきた。 2. 報告内容 2.1 ポリシー改訂の動機 データベースに関するポリシー改訂を行う理由は以下のとおり。 (1) JP-DRP の発効、汎用JPドメイン名の登録開始などの状況変化 (2) データ収集・管理責任主体の分離 (3) 国際的なコンセンサスの変化、特に情報公開に関する国際的な合意形成 の醸成 (4) 業務システムの簡素化の要求 (5) 個人情報保護法案の今通常国会への上程 2.2 ポリシー素案 ポリシー素案の基本的な考え方は、全体の情報の取扱についてのポリシー (「JPNICにおける登録・割当情報の取扱いについて(素案)」)を策定した後、 より詳細な部分についてJPドメイン名およびIPアドレスについて、それぞれの 担当者レベルで策定・改訂ができるようにしておくべきである。 素案を、「JPドメイン名情報およびIPアドレス情報に関する取扱いに関する詳 細(素案)」に示す。 ---------------------------------------------------------------------- JPNICにおける登録・割当情報の取扱いについて(素案) ■文章の位置付け JPNIC における情報公開のポリシーを規定する。なお、このポリシーは 主に WHOIS データベースを検索、更新するインターネットユーザーを対象 とするものである。 なお、このポリシーは国際的な枠組みで合意されたものではなく、JPNIC の独自の判断に基づいて制定したものである。現在、インターネットのリ ソースの登録・割当についての情報公開についての基本的な合意作りが国 際的に進展している。本ポリシーは、そのような動きはもとより、国内に おける個人情報保護に関する法制定の動きなどを考慮して、柔軟に変更さ れる可能性がある。 ■情報の公開の目的 JPNIC は、収集した情報の中で、以下の目的を達成するために必要な情 報を公開・開示するものとする。公開・開示される情報、条件、手続など は別途定め、公表する。 (1) インターネットのリソースに関連する申請・届出のために、インターネッ トユーザーが必要とする情報については、これを公開・開示する。 (2) インターネットに関する種々のトラブル解決のために、インターネット ユーザーが必要とする情報についてはこれを公開・開示する。 (3) JPNIC によるリソース割り当てが、規則に定められた通り行われている ことを示すために、インターネットユーザーに対して、必要な情報を開 示する。 (4) 登録データの確認・更新のために、リソースの運用・管理に携わる人に 対して、登録されているデータを公開・開示する。 (5) その他、上記4項目に該当しないが、JPNIC が特に必要と認めた場合は、 必要な情報を必要なユーザに公開・開示する。 ここで、『公開』とは、オンラインデータベースを介して、不特定多数 のインターネットユーザーに情報を提供することを指し、『開示』とは、 別に定める開示請求の手続きを経たユーザーに対して、適当な手段により 情報を提供することを指す。 ---------------------------------------------------------------------- 2.3 JPドメイン名情報およびIPアドレス情報に関する取扱いに関する詳細(素案) 2.3.1 機能とユーザからみたポリシー(ドメイン名編) 1. SPAMや不正アクセス対応を含むネットワーク上の技術的な問題を 解決するために、技術的な対応を必要とする人にドメイン名を 検索キーとして、当該ドメイン名の情報を提供する 2. 登録者本人および該当するドメイン名の利害関係者に、ドメイン名 に関わるあらゆる問題を解決するためにドメイン名あるいは当該利 害関係者に関連する項目をキーとしてドメイン名に付随する全情報 あるいは必要とするリスト情報を提供する 3. 情報を更新する必要がある人の為に、当該ドメイン名あるいは適切 なデータをキーとして、ドメイン名の情報あるいは必要なリスト 情報を提供する 4. インターネットユーザに対して、ドメイン名あるいはその他の公開 されているデータをキーとして、ドメイン名に関する情報を提供 する 5. ビジネスユースを目的とするユーザに、ドメイン取得者の利益にな ると考えられる場合に限り、必要とされる情報を提供する 6. 研究者やビジネスユーザの為に、ドメイン名の登録状況に関する適 切な統計情報を提供する 7. 上位レジストリなどに対して、国際的なドメイン名に関する取り決 めにしたがって、必要とする情報を提供する 8. JP-DRPに関する利害関係者および調停機関に対して、必要な情報を提 供する 9. ドメイン名取得を希望するユーザに対して、登録抹消予定ドメイン 名に関するリスト情報を提供する 2.3.2 機能とユーザからみたポリシー(IPアドレス編) 1. SPAMや不正アクセス対応を含むネットワーク上の技術的な問題を 解決するために、技術的な対応を必要とする人にIPアドレスを 検索キーとして、当該IPアドレスの情報を提供する 【技術的な問題を解決する問い合わせ先があれば十分か】 2. 登録者本人および該当するネットワークの利害関係者に、IPアドレ スに関係するあらゆる問題を解決するためにIPアドレスあるいは当 該利害関係者に関連する項目をキーとしてIPアドレスに付随する全 情報あるいは必要とするリスト情報を提供する 3. 情報を更新する必要がある人の為に、当該IPアドレスあるいは適切 なデータをキーとして、ネットワークの情報あるいは必要なリスト 情報を提供する 4. インターネットユーザに対して、IPアドレスあるいはその他の公開 されているデータをキーとして、ネットワークに関する情報を提供 する 5. ビジネスユースを目的とするユーザに、IPアドレス割当者の利益に なると考えられる場合に限り、必要とされる情報を提供する 6. 研究者やビジネスユーザの為に、IPアドレスの割当状況に関する適 切な統計情報を提供する 7. 上位レジストリなどに対して、国際的なIPアドレスに関する取り決 めにしたがって、必要とする情報を提供する 8. リナンバーに関与する者に対して、リナンバーに関連した情報を 提供する 3. データベースに関する問題点 3.1 全体的な問題 ・JPドメイン名に関する情報とIPアドレスの情報の整理とデータベースの分離 → データベースを分離して管理・責任所在を明確にすべきである。 ・データベースのビューの定義と情報提供の整理 → WHOIS、リスト情報などの情報提示形態(ビュー)を確定し、情報配布の範 囲や条件を明確化すべきである。(ポリシーの中に取り入れるべき。) ・データ取扱い部署と取扱い責任の明確化 → データの登録、管理、更新その他の業務を一元管理できるような体制が 必要である。また、そのための責任所在を明確にすべきである。 ・データ収集の目的と公開原則の明確化 → どの情報を何の為に収集するのかを明らかにすべきである。それととも に、公開原則の明確化し公表すべきである。 3.2 ユーザインターフェイスに関する問題 ・ユーザの要求を吸収したインターフェイスの設計と開発 → ユーザの多様化、要求の多様化に迅速に追従できるデータベースインター フェイスの設計と開発が必要である。 ・JP-DRP 対応 → JP-DRPはJPNICが制定して軌道にのせようとしている仕組みである。これ をサポートする仕組みが必要である。 ・データ更新方法の適正化 → 正しい情報の収集はレジストリにとって重要な課題である。そのために は、データ更新方法の適正化が必要である。