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                                                     2002/10/09 評議委員会
                                                     資料 3-1-1


                      ドメイン名検討委員会からの審議事項
[タイトル]

     IDN-adminに関するJPドメイン名の対応について

[審議していただきたい事項の内容]

 IDN-adminに関するJPドメイン名の対応について検討しましたので
その内容について審議いただきたい。

[IDN-adminに関する検討内容]

1. はじめに

   IDN(国際化ドメイン名:Internationalized Domain Name)に関連する最近の話
題として、異なる複数のドメイン名を等価なものとして扱うという新しい考え方
(IDN-adminという)を紹介し、JPドメイン名におけるこの考え方への対応を提案
する。

2. IDN-adminとは

(1) IDNに関する中国語圏からの要請
   国際化ドメイン名の技術的な標準化は最終段階にある。これは、インターネッ
ト上で国際化ドメイン名(ex. 日本語ドメイン名協会.jp)を対応するIPアドレスに
変換して使用する方式が決まることを意味する。
   しかし、昨今、国際化ドメイン名登録管理サービス開始にあたり、
     ・同一文字の別表現(たとえば、中国本土における繁体/簡体、ex. 國と国)
     ・異体字(たとえば、日本における異体字、ex. 辺と邊と邉)
     ・形が酷似した文字(たとえば、日本における一(数字の一)とー(長音記号))
をどう扱うべきかという議論が起こっている。
   この議論は、中国本土では政策的に繁体(ex. 國)と簡体(ex. 国)は同一のものであ
るとみなす必要があり、たとえば、國.net.cnと国.net.cnは同じドメイン名とみな
す必要があるという要求に端を発している。
   これは、「異なるコードポイント(計算機内で文字を表現するための0,1の列)を持
つ文字はドメイン名においても異なるものである」という技術上の一般則に対し、
「繁体(ex. 國)と簡体(ex. 国)は異なるコードポイントを持っていても同一文
字として扱う」という例外的な処理を必要とすることを意味する。この必要性は、
中国語圏のNIC(CN, TW, MO, HK)により提起された。

(2) 解決への努力
   JET(Joint Engineering Team : JP, KR, CN, TWの各NICよりなる技術検討グル
ープ)にて、ドメイン名において複数の文字を同一の文字とみなすことができるメカ
ニズム(IDN-adminと呼ぶ)を検討し、下記を標準化機関IETFに提案している。そ
の概要は後述するが、一言で言うと「ドメイン名登録時に、登録する文字列と等価
とみなすべき文字列はすべてその登録者が予約したことにしてしまう」ということ
である。
   Internationalized Domain Name Administration Guideline
   by James SENG, Kazunori KONISHI(JP), Kenny HUANG(TW),
      QIAN Hualin(CN), KO YangWoo(KR)
   (http://www.ietf.org/internet-drafts/draft-jseng-idn-admin-00.txt)


(3) 日本語JPドメイン名におけるこれまでの考え方
   JPNICでは、2001年2月のサービスイン前に本件に関しても検討を行い、JP
ドメイン名においては、「異なるコードポイントを持つ字は異なる文字として扱う」
という方針を決定しサービスを進めており、JPRSもこの方針を引き継いで登録管
理サービスを行っている。これは、下記理由による。
   - 異なる文字に対し異なるコードポイントが与えられているのであるから、コー
     ドポイントが異なる文字はドメイン名においても異なる文字であるとみなすべ
     きである
   - 等価な文字同士が存在すると考えることとした場合でも、どの文字とどの文字
     を等価とみなすべきかを決定することは非常に困難である

3. IDN-adminの概要

(1) 定義
文字のvariant        複数のコードポイント(文字コード)が一つの文字を表現す
                      る場合、それぞれのコードポイントは互いにvariantと呼ば
                      れる
ドメイン名のvariant  ドメイン名を構成する個々の文字のvariantを並べた文字
                      列のすべての組合せに対応するすべてのドメイン名は互い
                      にvariantと呼ばれる


例:國と国、澤と沢が同一の文字であるとみなすすると、
       - 國と国は互いにvariant
       - 澤と沢は互いにvariant
       - 國澤と國沢と国澤と国沢は互いにvariant


代表コードポイント           互いにvariantな文字集合を代表するひとつのコ
(recommended code point)     ードポイント
代表ドメイン名               ドメイン名のvariantのうち代表コードポイントを
(recommended domain name)    並べたもの


例:國と国の両方を国とみなしたい場合、国を代表コードポイント(recommended
     code point)と定義することができる。同様に沢を澤と沢の代表コードポイント
     とできる。この場合、國澤と國沢と国澤と国沢の代表ドメイン名は国沢となる。


(2) ドメイン名処理メカニズム
(a) 事前(ドメイン名登録サービス開始事前準備)
   レジストリが等価文字表(locale character variant table)を準備しておく。その
要素は、



   注) 代表コードポイントを指定しないことも可能
(b) ドメイン名登録時
   step1 レジストリは、登録者が登録申請したドメイン名aに対し、aのvariant
         集合およびその代表ドメイン名bを計算する
   step2 申請ドメイン名aおよび代表ドメイン名bをDNSに登録する
   step3 他のvariantは予約する
   注) 役割分担によりレジストラがこの役割を担う場合もありうるが、便宜上レ
       ジストリと表記した


例:前述の例では、ドメイン名登録者から国澤を登録したいとの申請があった場合、
     国澤(申請されたもの)および国沢(代表のもの)を実際にドメイン名登録し、國
     澤と國沢は予約する(他の人からは登録不能とする)。


注:ある文字と等価な文字はその文字だけであるというvariant表を作ることが
     可能であり、その場合は、現在のJPドメイン名と同様、すべての文字は異な
     るものとして扱うというができる


4. ドメイン名検討委員会での議論と結論
   9月24日のドメイン名検討委員会で本件に関し議論した結果、
   - 汎用JPドメイン名導入時にも2.(3)に示したように検討が十分行われており、
     その後問題が生じていないこと
   - 等価な文字を定義しないことにより万が一知的財産に関する問題が生じた
     場合でも、DRPにより処理可能であること
等の理由により、

   これまでどおり、異なるコードポイントを持つ文字はドメイン名においても
   異なるものであるとみなすことが適切である

という結論となった。

5.JPドメイン名としての提案
     - 言語名:日本語
     - variant表:コードポイントは1:1に対応
            

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