2002/12/12 評議委員会 資料 2-9-2 JP-DRPに関する課題解決方針に関する報告 2002.12.12 JPRS 1. はじめに 2002年度の活動結果としてDRP検討委員会が作成した「JP-DRP改善の可 能性についての検討報告書」において報告書内の検討課題のうち、下記重要 2課題について、DRP検討委員会の検討を参考にしJPNICドメイン名事業 部とJPRSが協力して対応方針の検討を行った。本資料では検討結果の概要 を報告するとともに実装内容を紹介する。 2. 課題と検討結果 2.1 JP-DRPの移転裁定後、勝訴した原告による移転手続きが行われない場 合の取り扱い [課題] JP-DRPに勝訴した申立人が移転手続を行わない場合、永久に移転が実施さ れない。 <現在の規則> DRPにおいて申立人が勝訴した場合、移転手続きの実施期限が定められ ていない。 <問題点> 申立人から移転手続きが行われない場合、裁定結果が実施されず、敗 訴した者が登録者であり続けるという状態が続く。 [対応方針] 申立人からの移転手続きが行われない場合でも、裁定実施日(裁定日の15営 業日後)にそのドメイン名の登録者を、敗訴した登録者から勝訴した申立人 に変更する。さらに申立人に対し、一定期間内(最長6週間程度を想定)に登 録者に関する情報をJPRSに提供するよう通知する。その期間内にも情報の 提供がない場合は、ドメイン名の移転登録の意思がないものとみなし、そ のドメイン名は廃止する。 [方針の実装] 上記対応方針を実装するため、ドメイン名の登録規則に所要の改訂を行う。 「紛争処理方針」および「紛争処理のための手続規則」には変更を加えな い。 2.2 裁判の判決確定後に敗訴した登録者から出される廃止・移転申請の取 り扱い [課題] JP-DRPを経ずに直接裁判による紛争処理が行われ登録者が敗訴した場合、 登録者がそのドメイン名を廃止もしくは移転できる場合がある。 <現在の規則> JPRSは原告または登録者から、紛争処理が始まったことの連絡を受ける と、そのドメイン名に対する申請を制限し、紛争処理が終了したことの 連絡を受けると、制限を解除する。 <問題点> JP-DRPを経ないで裁判に訴えた場合で、その判決がドメイン名の使用 差止を命ずる内容である場合(原告側が勝訴した場合)、敗訴した登録者から ドメイン名の廃止や移転の申請があればそれを実施せざるを得ず、それは 勝訴した原告の意図と異なる場合がある。 [対応方針] 原告が、まず JP-DRP を申立て、移転裁定を得ておけば、その後に裁判と なった場合でも上記問題は生じない。このため、本課題への対応として、紛 争処理方針および登録規則の改訂を行うことは、現時点では必要性に乏しい。 本件も含め、さらにJP-DRPに関する教育普及および利用促進をはかる。 [方針の実装] 上記方針に基づき、ドメイン名の登録規則およびJP-DRP関連の規則の改訂 は行わない。その代わりにJP-DRPの教育普及および利用促進に努めること とし、JPNIC、日本知的財産仲裁センターにも協力を求める。