2004/1/15 評議委員会 資料 2-1-1 IPアドレス検討委員会・活動報告 IPアドレス検討委員長 近藤 邦昭 1. 活動状況 - 検討委員会開催(2003年12月19日) - JPOPMの開催 - MLでの議論 2. 報告内容 1) メーリングリスト上の議論について 2) JPNICオープンポリシーミーティングの開催について 3. 検討・活動内容 3.1 検討委員会報告 1) LACNIC IPv6ポリシ 現在、LACNICよりIPv6割振りポリシのプロポーサルが提出されている。 このポリシのポイントは、現在LACNIC以外で運用されているIPv6割振り ポリシにある「割り振り時に、200以上の/48サイズのネットワーク を集約する規模のサービスを提供する計画があること」という条件がな くなることである。 ポリシのローカライズという観点では問題は無いが、IPv6については、 グローバルポリシという考えで動いていたこれまでとは異なる方向にな る。 仮にこのポリシが制定されれば、ARINやRIPE、APNICもこの200の制限を はずす方向で動く可能性もあり、今後の動向に注目する必要がある。 とりあえずは、LACNICの意図と、このような動きに対する他のRIRsの見 解を確認しておきたいため、Global v6 Mailing List(IPv6グローバル ポリシを議論するリスト)にて、事業部職員より確認してもらうようお 願いしている。 2) 特殊用途PIの割り当てサービス提供 前回の評議委員会にて決定され、理事会審議に移す予定の件である。 前回の評議委員会にて頂いた意見を元に、事業部および検討委員会にて 再度検討をおこない、理事会向け資料を整えている。 ただし、次回APNICミーティングにて割振りブロックの縮小に関する提 案がされることがわかっており、これとの関係にて検討を行っていた。 APNICミーティングにて提案される件は、現在の最小割振りサイズが /20から/21に変更されるというものである。 検討、およびJPOPMでの意見収集などによって、割振りブロックが縮小 となった場合においても/22から/24については、以前と同じくJPNICか らのアドレス取得ができないこともあり、予定通り理事会審議に進める 方針で、事業部にて調整を依頼している。 3) JPNIC文書の改訂 IPアドレスの割り当てに関するいくつかのドキュメントを、APNIC文書 にて記載されている表現に合わせる形、およびAPNICで既に改定されて いる内容をJPNICでも有効とするための改定を実施する。 実施内容については、JPOPMにて了承済である。 この中で大きくエンドユーザに影響を与えるもを特記する。 - /30エンドユーザ割り当ての今後の扱いについて 現在まで、/30を割り当てた際はデータベース登録しなくてはならな かったが、以降、指定事業者のインフラ割り当てとして登録すること が可能になるというものである。 変更に際し、現状、データベース登録しているネットワークをインフ ラ割り当てに変更することを可能にする特別処理を行うこととしてい る。 この特別処理については、処理期間の設定について事業部より諮問さ れ、以下の2項目について検討し、実施することが望ましいと答申し た。 - 処理期間の設定は必要なく、随時受けること - 特別処理について、Q&Aなどにおいて、明文化すること 4) v6協議会 - リモコンノードSWG - 総務省実施のe!プロジェクトの実証実験テーマの中でいくつかネッ トワークによるトレーサビリティの応用実験が行われた。 この中で、サービスを実現する上で、モバイルIPを利用する形態 が話題となっているが、ホームエージェント用アドレスブロックの 取得については、現在のポリシーのままでは難しい局面がありそう だ、という議論になっている。将来の新サービスの立ち上げを考え ると、IPv6アドレス割り振りポリシーに手を加えなければいけない 可能性もある。 これらの検討を3月まで行い、必要に応じてJPNICへの提言として課 題等をリストアップする予定。 - アメリカでのv6サミット、DoDの動きなど - アメリカでのv6サミットには500名くらいの参加者があり、12社が 展示を行ったとのことである。NTT/VERIOがアメリカでサービスを 開始したことが大きいニュースだった。 - IPv6 transition office では、v6アプリケーションの開発や軍隊 へのアドレス配布など具体的な検討を始めてい模様で、2008年を ターゲットとし、予算は300億円くらいでネットワークの実証実験 などの技術検証を行う計画。 3.2 JPOPM 2003年12月5日にJPNICオープンポリシミーティングを実施した。 参加者は約100名。議題の多くはJPNICからの報告事項となったが、いくつか の点について、議論され、別途対応が必要となっている。 今回の議題、議事録等については、以下のURLを参照されたい。 http://www.nic.ad.jp/ja/materials/ip/20031205/index.html 以下に、コンセンサス事項とそれに関連する今後のアクションプランについ て報告する。 - JPNICポリシー文書の改訂 ⇒先の3.1節3)にて報告した事項であり、既に実施に向けて事業部に て調整中。 - 割り当てブロックが個人ユーザの場合に、ネットワーク情報の運用責任者 は指定事業者が代行可能とする件について ⇒議論のポイントは個人情報を公にさらしてしまうことに関する是非 についてである。 ⇒議論の結果、現行のJPNICで採用している方法とAPNICで実施してい る方法で多少の違いがあり、それが誤解・混乱を引き起こした模様 である。基本的にJPNICはAPNICとすりあわせをしながらおこなって いるため問題ないはずであるが、問題意識を持っている人がいると いうことがJPOPMにてわかった。 ⇒これについて、検討委員会で議論した結果、以下のアクションを取 ることとした。 (1) 実際に行っている運用や、ドキュメントの定義を明らかにする。 (2) それが問題であるならコメントをください、という方向で対応 する。 (3) 頂いたコメントから、さらに改訂の必要が認められれば、その 件についてまとめてJPOPMで提案することを検討する。 4. JPNIC広報に関する意見 JPNIC文書公開について、IPアドレス検討委員会から意見がでたが、IP事業 部に閉じない事柄であるため、評議委員会にて意見を提出しておく。 評議委員会を通じ、関連事業部にて検討いただければ幸いである。 - JPNICから一般に発行される文書群について IP事業部からは、IPアドレス関連ポリシ等に関する文書について改訂また は新規作成を行い、これを会員・一般に対して公表している。 これらの文書群は、JPNICから発行される文書として体裁の統一、文書品 質の維持などの面から、特定の部署内だけで査読し発行されるより、その ようなことを統一的に行う専門の部署を経由して発行することが管理面か ら見ても望ましいと思われる。 しかし、現状IP事業部発行の文書は、事業部での精査、そして検討委員で の精査を経由し発行されているのが実情である。 検討委員にて発見される軽微なミスもあるが、検討委員も文書を査読する 専門ではないためこれら表現上の問題や軽微なミスが見逃される可能性が ある。 文書品質の確保は、会員に対するサービス品質の向上という面でも重要と 考えるため、事務局内体制等の検討をしていただきたい。 以上