2008年 6月 20日 第35回総会 資料 1 IPv4アドレス在庫枯渇問題 第2期活動計画の件 ■報告の目的 IPv4アドレス在庫枯渇問題対応に関する第2期活動に関して、第1期活動の総括、 現況の分析を踏まえ、活動計画をお示しします。 ■現在までの活動の流れと現況 JPNICのIPv4アドレス在庫枯渇問題対応の目指すべき目標は、IPv4アドレス在庫 枯渇というインターネットが生まれて以来の大きな危機を、利用者を始めとする インターネットに関係する全ての人々が混乱なく乗り越えることであり、この 観点から必要となる対応の内容は以下の3つとして活動を行った。 [対応促進] インターネットの円滑な運営を支えることを目的とした社団法人として、 インターネットに関係するステークホルダーがIPv4アドレス在庫枯渇に 対する対応策を自律的に検討・実施することを支援・促進する [アドレス政策] 日本における国別インターネットレジストリとして、IPv4アドレスの 在庫枯渇期に対応したアドレスポリシーの検討・調整を行い、在庫枯渇 期に起こりうるアドレス管理上の問題点を解決を図る [体制整備] IPv4アドレス在庫枯渇期・それ以降のJPNIC自身の役割を再定義し、 体制構築を行う。 この認識から、2007年度に実施した第1期活動では次のような活動を行った。 [対応促進]の観点から、IPv4アドレス在庫枯渇が引き起こす状況の分析を行い、 それに対する対応策の検討を行った。この結果は「IPv4アドレス在庫枯渇問題 に関する検討報告書(第一次)」としてまとめられ、Webや製本版によって広く 公開された。これと他関連団体の活動の成果として、IPv4アドレス在庫枯渇 問題に関する事業者の認知は進み、大規模事業者を中心に一部の事業者で対応 策の検討が始まった。 [アドレス政策]の観点から、RIRコミュニティにおける在庫枯渇期アドレス ポリシーの提案と調整を行った。この活動はグローバルにJPNICが口火を切った 形となり、RIRコミュニティに本問題が喫緊の課題であることを認知させ、議論 の喚起に成功した。 ■第2期活動内容案 第1期活動と現況の分析と課題洗い出しから、第2期活動は以下を活動内容として 計画している。 [対応促進]に関する活動案 目標: 事業者,ベンダー,SIerの対応計画を策定済み、または策定中とする 備考: 関連諸団体との連携・分担により網羅的に実施する。各団体の現状の 活動対象・領域をベースとして、漏れがある部分の体制整備を行うと ともに、全体把握・進捗管理が必要 活動内容(連携活動全体の活動内容として挙げ・分担は今後調整する): + 各ステークホルダーに対する働きかけの方法論検討と実施 + 技術的課題の検討 + 中小事業者に対するモデルケース検討 + 情報提供・共有・流通方法の確立と実施 + 全体把握・進捗管理 [アドレス政策]に関する活動案 目標: 現在提案中のカウントダウンポリシーの成立を含め、枯渇期ポリシー のあるべき姿を固めるとともに、在庫枯渇時点までのスケジュールを 明確に意識したアクションプランを確定する 活動内容: + 積極的回収再分配に向けたポリシー提案の検討と実施 + アドレス移転に関する検討,立場の確定 + グローバルな議論の把握とそれに対する適切な対応 (特に在庫枯渇時期を意識した検討の推進) [体制整備]に関する活動案 目標: 体制の見直しと整備の計画策定を完了する 活動内容: + 事業環境変化を織り込んだIPアドレス事業の中期的な事業方針を策定 + IPアドレス管理業務における枯渇時期に想定される問題,業務量・ 内容の変化に対応する体制の検討 以上