IP-USERS ミーティング ログ 会場: 大阪府 大阪市 グランキューブ大阪 Room NO.1009 日時: 2000年12月20日(水) 9:30-12:30 議事録担当:近藤邦昭、江面祥行 ============================== ■ 開会宣言(JPNIC IPアドレス検討部会:廣海緑里) ・プログラム説明 資源管理のあるべき姿の考えについてそれぞれの立場で話して貰う。 ・IP-USERSメーリングリスト 1996年、RFC2050のDraft提出に伴い、エンドユーザの意見を反映させるため IP-USERSで意見を募集して見ようというのが発端。 その後、MLは在ったものの有効に活用できていなかったので、本日のパネル ディスカッションでまた議論して行きたい。 ■ APNICとは(JPNIC IPアドレス検討部会:主査 前村昌紀) ・IP-USERSは何回もやっているが、思っているところが結構あり、この場を借り て、IPアドレス割当のあるべき姿を一緒に考えて行きたいと思っている。 ・最近、APNIC Executive Cluncilになり、APNICとは関係が深くなってきた。 ・ここでは、APNICの歩み、組織構造などについて話をする。そもそもAPNICとは - アジア太平洋地域のIPアドレスの割当や割り振りをする組織である。 - APNIC以外には、ARINとRIPE-NCCがある。ARINはアメリカ周辺、RIPEはヨ ーロッパを担当している。 - APNICの特徴は、NIR、LIRを代表する組織となっていることである。 - LIRはISPになるが、ISPもレジストリの一部であるという考えをもってる。 - NIRは、言語的障壁などの観点から必要だというのがAPNIC考えである。 ・APNICが他のRIRと違うところは、言語、文化のギャップを吸収しているところ である。 ・IR階層構造の中の位置付け - 階層構造のトップはIANAである。 - IANAの下にARINとかAPNICとかがある。 - IANA(ICANN)が政策を策定しており、RIRはICANNからアドレス管理の委任 を受けている。 - この階層に実は他のRIRが増えられるような構造になっており、現在 AFRINICやLACNICなどもできてきている。 - APNICには直接LIRがつく場合もあり、ISP自身がAPNICメンバになることも 可能である。 ・APNICのあゆみ - 1993年に検討が始まり、1994年に正式に立ち上げた。 - InterNICとRIPEがすでにあり、それにAP地域を加え3極体制を目指す。 - 1998年に法人格を取得してオーストラリアに移動。きちんとしたカンパニ ー化を目指す。 - 現在、Director GeneralのPaul氏が就任しており、その下に20名くらいの スタッフで稼動している。スタッフの国籍は非常に様々である。 - IPアドレスの割り当ては、メンバサービスとして行なっている。 - テクニカルサービスは、6人くらいでプログラム書いたり、サーバメンテ したりしている。 ・組織の構造 - 2つの側面がある。ひとつはIRとしての側面、もうひとつは会社としての 側面である。 - IRとしての組織構造 - 総会で意思決定が行われる。とはいえ、半年に一回のペースでおこなわ れるので日常的な意思決定はできない。これは、ECにて意思決定が行な われる。 - 総会がECを任免している。 - 会社としての組織構造 - ECがDirector Generalを任免。DGはAPNIC Pty Ltd.の社長となる。 - 総会はその会社の特別委員会である。 - 総会から任免されるのがECであり、APNICの事業運営を監督する。 - JPNICは社団法人として成り立っている。 - ECの正確な定義はWebにあるので読んでほしい。任期は2年。 - ECは現在7名、前回の10月のミーティングで前村は選ばれた。 - ECは各国から出てきている。 ・最近の動き - 大きなもとしてOpen Policy Meetingがある。特徴として、誰でも議事が 出せる。 - IRの要件としてオープンでポリシを作るというのはICANNとのMoUで決まっ ている。 - 大きな点は、APNICが勝手にルールを決めているのではなくて、メンバー との議論で決めていくことである。 - 前回2月のAPRICOTで初めて開催された。10月に初めての単独開催を開くこ とができた。 - APRICOTを含めて、年に二度実施できるようになった。 ・さらに最近の動き - Open Policy Meeting(OPM)をやるのはいいが、そこで得られたコンセンサ スを実装する手続きが不明確なことが不満である。 - ただ、OPMでコンセンサスをとることはするが、どういう風に実装している かがわからない。そこで、WGを作って、テーマ別に議論して実装に持って ゆこうというプロセスを模索している。 - JPNICからも会員から上がった意見や、JPNIC自身が疑問に思っているとこ ろを提案している。 - 特に懸念となっているのは、個人情報の取り扱いをどうしたらよいかとか、 審議のガイドラインをもうちょっと細かくしたらどう?とか、新しい、サ ービスに対する審議の基準などをどうするか?などである。 ・APNICの素晴らしいところ - ICANNとの関係がドキュメント化され、しっかりしている。 - スタッフも非常に多くなり、十分に機能できるようになってきた。 - きちんとミーティングをやって、意思決定をしてゆくことができるように なった。 - いろいろなサービスをWebなどから自動化できるようになり、Webのコンテ ンツも非常に豊富になってきている。 - これは、ここ2年くらいの話であり、改善が非常に大きい。 - JPNICもAPNICに負けないように頑張っている。 ■ APNIC報告(JPNIC 業務部 IPアドレス課:奥谷泉) ・オープンポリシーミーティングに詳しく説明する。 ・OPM(Open Policy Meeting)とはなにか - AP地域のインターネットコミュニティにおけるIPアドレス関連の議論をす る場であり、SIGやチュートリアル、APNIC総会などを行う。 - APNICの会員でなくても誰でも参加・発言できる。 - 参加者の中には、AP地域だけでなくARINやRIPEなどの多くの地域から来て いる。 ・過去のミーティング - 最初は、シンガポールで行われた。次はソウルのAPRICOTで併設された。 - 次は10月にブリスベンで単独開催した。 ・今回は、ブリスベンで5日にわたって開催され、ICANN ASOの選挙、ECの選挙も 同時に行われた。 ・SIGとは - 参加者全員から意見を求められる、非常に活発な議論を行う場所である。 - この場で、AP地域やIPアドレスに関する提案や議論をだれでも行うことが できる。 - この場で、コンセンサスが得られれば、実際のルール作りなどに反映して ゆくことになる。 - コンセンサスが得られない場合、次のSIGで訂正してチャレンジすること も可能である。 - 現在は、Address Policy、Routingなど4つのSIGがある。 - その時代の流れによってテーマは変わってくる。 ・SIGのプロセス。 - 募集案内に基づき応募を電子メールで行う。 - それは公開されるので、メールなどで最初に議論を開始できる。 - 実際にSIGの場で議論を行い、最終的にコンセンサスを挙手などで同意を 求め、過半数くらいが超えていればコンセンサスを得られたとする。 - ただ、反対意見などがあればそうはいかない。 - コンセンサスが得られれば、総会で報告して承認を得る。 - 継続となった場合、次回までに期間が空いてしまうので、SIGのメーリン グリストで議論することもある。 ・Address Policy SIG - インターネットの資源管理に関する議論を行う場である。 - IPv4,IPv6,AS番号などの共有資源をどうするか、という議論をする場であ る。 - 今回は9つの提案が行われた。 - これら提案の内、4つのコンセンサスが得られた。 ・コンセンサスが得られたもの - v6アドレスをエンドユーザへの/48一律割り当て - アジア太平洋地域ではコンセンサスは得られた。ただ、世界的なコン センサスは得られていないので、様子を見ていかないといけない。 - ARINのミーティングで出したら?というコメントもあり、当面という 条件でコンセンサスが得られた。 - GPRSインフラ用のアドレス割当 - 結果的には、GPRSは特殊な事情でしかないので、必要性が説明できれ なければ、今のポリシーでできるだろうというコメントがあった。 - RIPEは既存のポリシーで対応しており、特別なポリシーや、ガイドラ インは設けていない。 - ケーブルモデムやxDSLなどの審議ガイドラインの策定 - 従来のダイヤルアップとは異なるものであり、これらの新しいサービ スに割り当てるアドレスについて、新しいガイドラインを作成して行 きたい。 - いろいろな議論が行われたが、細かい決め事が多くなるだろうから、 直ぐに作ることは難しい。とりあえずWGなどを作ってそこで議論をし て行こうということになった。 - ポリシーではなく。それに付随するガイドラインということで対応す る。 - JPNICからは異なる状況があることを説明した。 - 審議ガイドライン策定 - これは、JPNICから提案である。 - 各レジストリで共通の審議ガイドラインを使えるよう提案した。 - 現在のポリシーという共通の文書があるが、それとはガイドラインは 別であるのかと確認された。 - これは、先の提案と重複する部分が多いので一緒になってWGにする方 向となった。 ・その他JPNICからの提案は - Address Policy SIGで、ISPとエンドユーザへの割り当てポリシーを分け てはどうか、という提案があった。 - whoisの個人情報の取り扱いに関する問題提起と解決に関する提案があっ た。 - V6 SIGでJPNICがエージェントサービスを行っていることを紹介した。 - ISPとエンドユーザへの割り当てポリシーを分けるという提案については、 ISPとエンドユーザ分けることは難しいんじゃないとというコメントがあ り、結論には至らなかった。 ・whois DB情報問題 JPNICの運用を紹介した - ARINでもすでに選択制で実施している。 - オーストラリアでの法律上の問題があるかないか検討する必要があるので はというコメントがあった。 - 活発に質疑応答があったが、結論には至らなかった。 ・JPNICのv6活動の紹介 - APNIC会員でないと申請できないが、JPNIC会員であれば申請の取次を行う ことを紹介した。 ・Routing SIG - 経路情報を管理する重要性が増してきていている。これまでは民間のIRR に委ねていたが、非営利のInternet Routing Registryの存在意義は大き いことを提案した。 - 現在、APNICでもIRRの設置を検討しているところだとのコメントがあっ た。 ・ASO AC選出 - 世界的なポリシを考えるところの人選びである。 - KRNIC Seung-Min Lee氏 が選出された。 ・APNIC総会。 - 方針が決定される場所である。 - APNICのステータス紹介や新しく立つRIRの紹介やSIGの報告が行われる。 - 今回は、APNICの理事の任期が1人切れたので、その選出が行われ、JPNIC 代表として、前村が選ばれた。 ・詳細は、各URLにアクセスしてみてください。 ・次回のAPNICミーティングが2001年2月27~3/1にクアラルンプールで実施され る。 - 現在、SIGのテーマを募集しているので、提案がある場合には、提案して みてはどうだろうか。 - 3/2にAPNICの総会が行われる。 - 会員でなくても参加可能 ・Q&A - IRRでの経路認証は重要である。 JPNICでの方針、APNICの具体的方針を教えてほしい。 (INTERNET MULTIFEED:外山氏) - JPNICでIRR検討会がある あるべき姿の検討をしており、調査報告はアップしている。 検討報告はもうすぐ公開できるだろう。 - RPSL等の技術的なドキュメントはあるがIRRを取り巻く環境をどうするな どのドラフトがないので、今後、提案していきたい。 (JPNIC IP-WG:近藤) - APNICとしては、様々なところから要望があって検討しているところ。 まだ、具体的にはなっていない。 共通プラットフォームがないという問題もある。 whois等DBと連携をはかれるようにしたい。 日本とは違い、アジアではルーティングレジストリの重要性を訴える必要 がある。 (APNIC:Paul Wilson) ■ パネルディスカッション ~資源管理のあるべき姿を考える~ - チェア JPNIC IPアドレス担当理事:荻野司 ・JPNICとしては、初の試み。多少センシティブな話をしようと思っている。 ・割り振り、割当に関しては、世界中で模索されている。こういうのを、日本で も多くの人たちで参加しながらやろうと思っている。そして、情報を世界に発 信して行きたいと思っている。 ・IP-WGでもAPNICのポリシーミーティングに提案を出している。 ・アドレスをなかなかもらえないんじゃないかという話も聞く。 ・ベーシックな前提として、昔はジャバジャバ、ちょっと前はCIDRで集約して少 し節約、今は非常に節約している。つまり延命をしている。 ・アドレスは足りているか足りないのかという議論の前に、既に多くのサービス が出てきており、アドレスのニーズは非常に大きい。 ・今回のパネルではワールドワイドな観点や実際のエンドユーザの観点での話を 少しずつ行う。 ・ポリシーも変わってきている。 ・アドレスがもらえないと言われているのはなんでなんだろう? ・例えば、韓国ではADSLのニーズが高く困っているとか、GPRSのアドレスどうす るとか、新技術が出てくると困ってくる。 ・新技術での割り振り・割り当ての基準が変わってくるのではないか?割り振り・ 割り当ては公平にするべきだ。などの問題もある。 ・ポリシーの上に立つコンシステンシーをどうとるか? ・エンドユーザはどんどん増えている。これからもどんどん増える。この状況で 今の申請プロシージャなどがきちんと使えてゆけるのかも考えて行きたい。 ・二つの目的がある。それは、審議ガイドラインと仕組みづくりであり、それぞ れが相反する。 ・先ずは、それぞれの観点でパネルを行い、その後フリーディスカッションを行 なう。 ・そのほか、こういう場からのボトムアップの方法も検討する必要がる。 - Vice-chair of Address Counsil:荒野高志 ・現在どのような議論がされているかなどを話す。 ・5つのゴールがある。経路の集成、節約、公平性とか。この5つを同時に満たす ことは非常に難しい。 ・アドレス管理の考え方としては、非営利のレジストリが独占的に統括していお り、階層構造がとられている。 ・ドメインは別の構造を持っているが、その構造と比較すると、ゴールに到達す るには非常に相反し、実現が難しい。 ・レジストリを営利、非独占にすると公平性が難しい。 ・この結果、ドメインと同じことをすることは不可能である。 ・新しい空間を用意したらいいんじゃないか?という提案があり、それがIPv6で ある。 ・地域レベルでのポリシは、大まかにはあってるが、細かいところでは不整合が ある。 - 例えば、初期割り振り - 割り振りを受けるための条件 - アメリカではもっと厳しい。/19もらえるけど、半分ホストないとだめと か ・公平性考えると、何かやらないとだめだと思っている。 ・レジストリが今までは中心的にポリシを決めていた。が、今後はコミュニティ として決めてゆくようになってきた。 ・アドレスはどういう法的根拠で配っているのか.. - APNICの成立には法的な根拠がない ・ICANN総会では、みんなが自由に発言し、提案を行なっている。 ・ACの重要な点は、Policy Deveropmentである。これは、いろんな人があげてき た意見を検討してグローバルなものにしてゆくことである。 ・グローバルポリシとローカルの整合性の問題。 - 当然地域性の問題もある。特にAP地域では島などが多く、アップストリー ムが一つしかないなど。 - 一般的なアドレス割り振り条件ではアドレスがいつまでももらえないなど が実際に起こる可能性がある。 - 地域性をどう考慮するかが非常に重要である。 ・いろんな議論がACで行われている。現状ローカルポリシが各地域でどう違って いるかも整理されていないので、それを今整理しようとしている。 ・実は、RFC2050のポリシは現実に合っていなくなっているところもある。こう いうものを改定してゆきたい。 ・IPv6に関しても議論されているが、アドレスポリシーが未規定なことが多い。 ・現実的には、非営利で独占的なレジストリが行うことがのぞましい。 ・新しいNICが出てきているが、どういう条件をだすかも議論しているが、ここ では省略する。 ・こういう部分については、日本からのインプットが必要で意見がほしい。 ・ICANN総会、次回4月サンフランシスコで実施される。 - JPNIC IPアドレス検討部会 主査:前村昌紀 ・そもそも、1992年にJNICとしてアドレス割当をはじめた。 ・1997年に社団化された。 ・ボランティアなメンバがJPNICだった時代があったが、目指すところは、事務 局職員がJPNICであり、WGとかは、会員の意見を示す諮問機関になるべきと思 っている。 ・意志決定プロセス - JPNICの上位機関はAPNICなのでAPNICの行っていることは聞かないといけ ない。 - とはいえJPNICは会員組織なので、総会で意見を聞く。 - 検討部会でポリシを考えて、運営委員会に提出して、理事会に提出され Acceptされる。 - APNICでは上位組織はICANNがある。 ・JPNICの問題点 - JPNICはアドレスの割り振りとドメインをやっている。 - ドメインは今非常に大変である。 - アドレスは1月に新しいポリシを施行した。これはAPNICのポリシ変更が起 こったため。これに対して、会員からいろいろ意見はもらっている。これ には、会員、APNIC、JPNICのそれぞれにいろいろ問題が在りそうだと思っ ている。 - これをどう改善してゆくかを取り組んでいる。 - 審議過程をレビューしたり。ドキュメント改版など取り組むなどである。 ・割当の基準の根底は、必要な数を過不足なく割り当てる。実際には、難しい。 ・v6に完全に変わるまでは分配を保証する必要がある。節約しながら公平には非 常に難しい。決して、枯渇だけが問題ではない。 ・ユーザ自身がポリシを作っていくということに非常に努力している。 ・インターネットが爆発的に発展しているが、それに一息追いついていないので、 3年達ってもまだ聡明期にある。 ・ICANNからLIRまで均一なポリシを作ることが大切である。 - メディアエクスチェンジ株式会社:石田慶樹 ・立場はLIR、つまり業務委任会員である。 ・サービスプロバイダなんだけど、サービスプロバイダにおろしているので、ち ょっと普通とは違う。 ・実際に申請作業をしている訳ではないが、申請作業をコメントしている中で思 ったことを中心に話す。 ・JPNICと申請者の狭間で非常に大変である。 - JPNICが何を聞いていて、何を意図しているのかを翻訳してあげないとい けない。 - その逆もある。 - JPNICから「これはどうゆうこと?」というのが「どうゆうこと?」とい う場合がある。 - 申請そのものが後のほう、つまり初心者に厳し苦なっている。 申請を馬鹿正直にやってちょっとだけしかもらえない。でも嘘を書いてが ばっともらってもペナルティもない。つまりとったもん勝ちである。 ・ルールは変わっていないのに、聞いてくる内容がどんどん変わる。いろいろな 理由で変わるのは分かるが、そういう時には説明がほしい。 ・質問に対する詳しい説明がない。JPNICから利用技術をいろいろ推奨されるが、 それが技術的に検討されているか疑問である。NATをお使いくださいと推奨す るのはどうなのかな? ・階層的ルーティングに関するドキュメントがあると思うが、実際には、できて いない。 - 2のべき乗の細切れでの割り当てが原因か? ・ちょっと聞かれるのが、他のNICは違うとセールストークになっている場合も ある。 ・JPNICに要望していきたいこと - ルールの明確化、明文化。 - 少なくとも、全てのルールをWebにアップしてほしい。 - 申請者に分かり易く、明確な基準を出してほしい - 今の文書はすごく分かりづらい。 - 我々が読んでだってわからないのだから初心者が分かるはずが無い。 - 合理的な基準で、迅速に割り当ててほしい。 - 計算機があるけど、アドレスがない。これが実際に起きている。 - つまるところ、技術的に納得できるものがほしい。 ・原理原則とはなんなんだろう。 - 必要なところに必要なだけ割り当てる - じゃ、必要って? - そもそもIPアドレスってなんだろうか?そこら変を明確にすることできち んとなるんじゃないだろうか。 - アドレスはインターネット上でユニークな識別子でエンドエンドの通信を 実現するものである。 - 究極のドキュメントには記述する必要がある。 - ホストとは何?アドレスとホストの関係って? - ホストとは考えてみるとあいまい - NAPT、仮想IP等、考える必要がある。 - アドレスを識別子として利用するサービスもある。 - 対極にある極論 - アドレス少なく、多くのホストをNAPTで解決 - 全てにアドレスつける。 - これは対極する側面、どちらがどっちというわけではない。 ・私見 - アドレスは有限、だけど所詮人工物なので代替はある。 - v4は将来枯渇するだろう、でも現在枯渇しているわけではない - アドレスの割当は、技術的問題として解決するべき、考慮するのは、技術 に関するコストである。 - NTTコミュニケーションズ:益田恵太郎 ・NTTComで販売やっています。このとき、エンドユーザから意見を聞いているの で、それを取りまとめてみました。 ・アドレスの関係で話をする業種としては、ISP(LIRではない)、学術系、ベンチ ャー系などで、ここら辺から多くの意見が出ている。 ・大きく、情報開示、時間、コストの問題がある。 ・お客様とISPのアドレス割当相関関係について - 一種、二種の事業者がアドレスがたくさんほ欲しい。それは、その下にお 客様がたくさんいるから。それで、固定的にアドレスが欲しい。こんな流 れである。 ・問題点 - アドレス割当の審議。お客様の観点では、少ないアドレスを使っている時 は問題ないが、たくさんになった場合、とたんに審議という話になり、資 料の提出が必要となる。この資料の中身に何があるのか、どういう経過に なっているのか、どうしてそういう資料をださないといけないのかなどの 透明性が全然ない。 この他、どういう審議がなされているかエンドユーザが全然分からない。 - どれだけのお客さんがつくのか分からない新規事業の場合、お客様の数の 予想がつかない。サービスそのものが非常に秘密の場合、JPNICにどう話 をしたらいいのか、守秘義務ってあるのか、などの関係が良く分からない。 - アドレス割当まで時間がかかるのはなぜなのか?が一番の疑問である。 - プールアドレスが底をついた。というはなしを良く聞く。これはISPの責 任問題となる。商売しているんだから... - 要求したアドレス量に対して少ない量が割り当てられる。これは、事業の 見直しをしないといけない場合がある。 - アドレスがこないとNOCの開放がおくれ、コストがかかる。 - アドレスが増えるたびにコストがかかっている。 - 実際のハードウエアにかかるコストではなくて、需要予測などの事務的な ものが多い。 - LAN設計の見直しでベンダにお金を払う。 - ISP個々で割当数の考え方が違う。これをもとに営業の駆け引きで使われ るケースもあるのでないか。 - つまり、割当側にかかるコストが評価されていない。と思う。 ・ケーススタディ - CATV事業者がインタネット接続を営もうとしている。 - ISPとの契約が最初にある。この段階でどれだけ売れるか分からない。モ ニター募集で開始。小規模でモニタ募集をした。 - エンドユーザから非常に反響が大きかった。 - ISPに回線増強とアドレス大幅追加する。 - ISPから審議が必要と言われた。 - 審議資料の作成と提示、これが計4回で約2ヶ月かかった。 - 審議が終わったかと思ったら、ISPのアドレスがなくなる。 - 結局、これにかかるコストは損失も含め1000万を超えた。 ・まとめ - やっぱり、初心者に分かりやすいドキュメントがほしい。 - 申請に関する流れはエンドユーザはわかっていない。各者の責任分解点を 明確にしてほしい。 - 割当期間に対するコスト評価もきちんとやってほしい。 - 公聴会とか意見交換の場を定期的に設けてほしい。 ■ フリーディスカッション - テーマ:JPNICの割り当ては厳しいのか? ・世界的にポリシを統一しようとしているらしいが、ICANNのほうではどうなっ ているのか?(SONY:山田氏) ・動きはある。作ろうとはしているが、グローバルって何かがまだ決まっていな い。ここを議論しないといけないと思っている。地域性で変わってくる可能性 はある。(AC:荒野氏) ・アドレス割当の公平性についてであるが、昔から、繋いでいるところには大き なブロックがある。 そういうところに対して取り上げるとかして公平にして欲しいが、そういう考 えがあるのか?(SONY:山田氏) ・原則、使わないアドレスは返してという運動はしている。が、言っているに過 ぎない。昔は、どんどん使えと言っていたが、ある日突然返せという方向に変 わる。 実際に返そうとすると、リナンバなどのコストがあって、非常に難しい。 (AC:荒野氏) ・技術によって空間を減らすことはできる。新しくやる人は厳しく、コストをか けるのはそこだけでいいのかという問題はある。 正確に使っているかどうかの調査はやってもいいんじゃないか? (SONY:山田氏) ・聞いてみる程度などは、新しい試みとしてやってみるのも手かもしれない。 (AC:荒野氏) ・APNICではアドレスは、リースという概念ということになっている。なので、 使わなかったら返すという形のポリシにはなっているが、実際は細切れで使っ ているので、現実的かどうかは非常に微妙である。v6の考え方では、どんなも のでも/48でとなっている、これを踏襲して/28で統一でもよいのではないか? 究極的には。 (JPNIC IPアドレス担当理事:荻野氏) ・先に使っている人と、後からの人で公平性を保ってほしい(SONY:山田氏) ・お客様がデータセンタ事業をやっていて、お客様にホスト数を出してもらった ところ、7ホストだった。/29では足りないので/28で申請すると/29で1ホスト 削れと言われた。何を根拠に1ホスト削れというのか?JPNICにそんな権限あ るの? (IRI:大橋氏) ・審議担当者が理解できていなかった可能性がある。ポリシという側面で、必要 なものは出す。結局、クレームを出して頑張ってもらうしかない。 (IP-WG Chair:前村氏) ・かなり頑張ったがだめだった。ユーザがどうしても必要なのに、理由も無く 「承認できません」という結論だった。(IRI:大橋氏) ・方法としては、一度承認されなかったものについて、異議申し立てができる窓 口が必要であろう。(MEX:石田氏) ・そういう意味では、ip-goiken で、ご意見を改めて頂戴しますというという窓 口を作っている。期間は年内一杯だが、IP-USERSにも再度流す。 (IP-WG Chair:前村氏) ・お客様は急いでいる。2週間とかそういうのは待ってられない。で仕方なく我 慢するしかない。サービス業として正しいのか?極論、/29とか/28で争いたく ない。 JPNICからはホストを削れといわれれば、削らないといけないのが現実だが、 根拠を明確に提示でき、正しく判断できる審議担当者を育ててほしい。 (IRI:大橋氏) ・時間がかかることは非常に問題があることを認識しているし、/28や/29で戦い たくないというのもよくわかる。ip-wgで動いているところはある。ただ、大 きくても、小さくても公平性を保つ必要がある。それには、人のリソースを育 てなければならないし、システマティックにする必要はある。議論したいのは、 こういう問題をどう改善してゆくかのワークフローを考えなくてはならない。 (JPNIC IPアドレス担当理事:荻野氏) ・事務局の代弁をすると、承認しないのは、それはそれなりに理由がある。申請 者側が技術的な説明になっていないのかもという可能性もある。LIRも申請の やり方が分からないというのもあるかもしれない。申請方法をJPNICから正し く伝えていない可能性がある。なので、そちらも改善してゆく必要もある。 (AC:荒野氏) ・APNIC,ARINとの議論の中で、ホストの問題があった。 ここではコストの問題を議論したかった。JPNIC側が苦労するときは、LIR、エ ンドユーザも苦労する。ダブルカウントでコストがかかっている。これを認識 しないといけない。どうやったら、LIRとJPNICが上手く関わっていけるのか。 (JPNIC IPアドレス担当理事:荻野氏) - テーマ:新サービスと新技術について ・新サービスに対応する場合、ドキュメント改版を早くやったほうがいいのか? 個別に対応しても良いんだけど、ドキュメント出すと施行から移行期間など含 め、半年かかってしまう。これは、現実的ではないと思っている。 (JPNIC IPアドレス担当理事:荻野氏) ・Flet'sやADSLが出てきたけど、これに対するドキュメントは無い。3ヶ月の移 行期間は、本来エンドユーザを守るために在るのだが、逆にドキュメントが出 ないという仇になっている部分もある。このバランスについてはどうだろうか? (AC:荒野氏) ・JPNICからのドキュメントはエンドユーザとしてはべつに期待していない。LIR の立場からすると、意見交換の場があるといい。ドキュメントになる前のたた き台のところで議論に参加できるなど、よい意見交換ができる場のほうが重要 ではないだろうか。 (NTTCom:益田氏) ・ドキュメントについて議論する場が定期的にほしい。例えば、OPMのようなも の。そういうものが、最終的にドキュメントになればよい。 (JPNIC IPアドレス担当理事:荻野氏) ・APNICでもそういう話が出ている。Consistencyに関してどういう文書を書けば いいのか?がちがちのドキュメントを書くと地域差を考慮しなくなってしまう し、お互い不幸だろう。もう少しラフなガイドラインがいいんじゃないかと思 っている。 (AC:荒野氏) ・IP-USERSとかで、審議ガイドラインを決めるミーティングがあるといいかな? JPNICでもそういうポリシに関して議論する場が必要だとおもいますか? >挙手お願いします。(ほぼ全快同意) だとすると、OPMみたないものをJPNICでやったほうがよさそですね。JPNICで OPMみたいな場所を作っていきたいとは思っている。ポリシは皆さんで作って ゆきたい。そういう口火に今回なってくれれば良い。 (JPNIC IPアドレス担当理事:荻野氏) ・事務局の持っている、審議の内規を作ろうを取り組んでいる。また、APNICポ リシーミーティングの相似形を作っていき、みんなで作り上げていく方向にし たい。 (IP-WG Chair:前村氏) ・2年前にJPNICのミーティングに招待されてから、大きな変化があったと思う。 前よりも、インタラクティブになって良い方向になっていてよいと思う。こう いうミーティングを開催したメンバだけでなく、前村さんと荒野さんの功績は 大きいと思っている。 会場からの意見も非常に興味深く、すべてメモをとらせてもらった。 APNICは、今回のみなさんの意見を真摯に受け止めて、JPNICと一緒に問題点の 改善に努めて行きたいと思う。 (APNIC:Paul) - 閉会宣言(JPNIC IPアドレス担当理事:荻野司) ・今回得られたコンセンサスを実行していきたい(荻野) 以上