======================================================================== 会議名:第8回IPアドレス管理指定事業者連絡会 日時 :2003年7月31日(木) 14:00-17:00 場所 :大手町サンケイプラザ 出席者:71名 議題 :1.IPアドレス担当理事からのご挨拶 2.JPIRR運用実験と今後の活動 3.IPv6ポリシーにおける課題のご紹介 4.IPレジストリシステム開発検討状況について 5.IPレジストリシステムの仕様について 6.ARIN管理下IPアドレスの移管について ======================================================================== 1.IPアドレス担当理事からのご挨拶(IPアドレス理事 前村昌紀) IPアドレス担当理事、前村昌紀より、以下の挨拶が行われた。 ここ一年、IPアドレス事業について改善をしている段階である。先日のJPNIC オープンポリシーミーティング(JPOPM)の開催もその一環である。できるだけ、 IPアドレスの管理を行いポリシーの範囲内で、IP指定事業者負担を少なくでき るよう改善していきたい。 審議業務の改善や割り振りサイズの大きくなっていることなどを考えると、 少しでも改善されていると認識しているが、IP事業部側から見えない部分もある ので、ご指摘いただければと考えている。 JPNICの業務が、IP指定事業者の業務の効率化につながることを願っている。 IP事業はIP指定事業者からの収入で成り立っている、との意識のもとに、今後 の業務の改善を行ってきたい。 レジストリシステムの開発は、昨年度中止した事項である。今回ある程度固 まってきたのでご報告し、いろいろとご意見をいただき、可能な限りIP指定 事業者からの声を生かしていきたい。 ただ、全ての声を聞きいれることは難しい部分もあるので、その点は理解して ただくために適切で十分な説明を行いたい。ご不明点、気づいた点は是非聞か せてほしい。 2.JPIRR運用実験と今後の活動(JPNIC IRR企画策定専門家チーム Co-Chair 近藤邦昭氏) JPNIC IRR企画策定専門家チーム Co-Chairの近藤邦昭氏より資料に基づき説明 が行われた。 [質問/意見] 特になし 3.IPv6ポリシーにおける課題のご紹介(JPNIC IP事業部 奥谷泉) JPNIC IP事業部の奥谷より、資料に基づき説明が行われた。 [質問/意見] 特になし ------------------------------------------------------------------------ 15:06 -15:15 休憩 ------------------------------------------------------------------------ 4.IPレジストリシステム開発検討について(JPNIC IP事業部 佐藤晋) JPNIC IP事業部の佐藤晋より、資料に基づき説明が行われた。 [質問/意見] Q.前回のシステムの開発が中止になった経緯を詳細に教えてほしい。 A.まず、一時凍結とした際は、パフォーマンスの向上がネックになっていたが、 その後検証をした結果、このまま開発を進めても、十分に機能しないという 判断がなされ、中止を決断した。(IP事業部 佐藤晋) Q.開発を行うのか行わないのかを含めて検討を進めるとあったが、今回の説明 だと開発を進める前提で説明されているように思える。 A.現行のシステムを使い続けることは難しいということで、内部からの開発の 希望があるため、開発をすることを前提に話が進んでいる。 しかし、予算の承認がまだなので、開発を行うことは決定はしてない。 (IP事業部 佐藤晋) Q.中止になった経緯やその中止となった原因をどのように解決して、その上で IP指定事業者にとってどのようなメリットがあるのかを説明した詳細な資料 がほしい。 A.メリットについては、適宜提示していきたい。前回の中止に関しての具体的 な資料を提示することは検討する。(IP事業部 佐藤晋) A.開発をやることを前提に線表を引いてあるが、それは、JPNICのプロジェクト を実施する上で、必要なポイントを意識するためである。このまま実施する ということをお知らせすることではない。中止すべきという意見があれば、 中止しなければならない。 前回の開発中止の説明と今回なぜやらなければいけないのかということの十 分な説明がほしいとのことだったが、われわれの検討のなかでは、開発しな ければならないと考えているので、十分に説明をしたいと考えている。 (IPアドレス担当理事 前村) Q.各種申請手続きの見直しの説明の部分で、リナンバや部分返却の廃止とある が、これは既に検討されているのか。 A.これは課金にかかわってくるので、この部分も含めて見直しをし、もう少し シンプルにしていきたい。(IP事業部 佐藤晋) Q.手続きが簡単になって、IP指定事業者が支払うコストが削減となるのであれ ばよいと思う。 開発を行うことによって、開発費を捻出するためにコストアップとなるこ とは考えられるのか。 A.コストがあがることも想定はされるが、予算の執行方法をうまく利用して 実施していきたい。(IP事業部 佐藤晋) Q.11月のJPNIC総会の補正予算の承認をまって決定するとのことだが、IP指定 事業者と議決権を持っているJPNIC会員とは違う。総会での議決権を持っ ていないIP指定事業者の意見はどのように反映されるのか。 A.このような場やご意見の窓口を設けることにより、なるべく吸収したい。 (IP事業部 佐藤晋) A.ご指摘はごもっともである。社団法人の意思決定プロセスにおいては、会員 に議決権がある。IP指定事業者の意思を反映させにくい。 IP事業に留まらずJPNICの枠を大きく考え、この点について検討していか なければならない。議決権のあるなしに関わらず、IP事業においては、IP 指定事業者の理解を受けた上での活動しかできないと考えている。十分な ご理解を得た上で進めなければならないことを理解の上で行っている。 (IPアドレス担当理事 前村) Q.前回の失敗のフィードバックをしてほしい。 A.去年までのものをすべて開示することは難しいが、可能な限りやっていき たい。(IPアドレス担当理事 前村) Q.開発する機能に、IPv6サービス機能というものがあるが、現状では、割り振 り/割り当ては、APNICへ直接申請している。これは、新システムが稼働する までは現状の手続が続く、という認識でよいか。 A.その通りである。新システム稼働までは現状のままである。(IP事業部 佐藤晋) Q.仮に、レジストリシステムの開発の承認されなければ、それから現行のシス テムに追加することが検討されるのか。 A.特にご意見がなければそうなるが、必要というご意見があれば、早急な対応を 検討することも可能である。(IP事業部 佐藤晋) C.英語での申請は大変なのでIPv6サービス機能は必要である。 A.補足だが、新システム稼動後も、IPv6アドレスがAPNICのプールから割り 振られることは変らない。(IP事業部 奥谷) Q.Webトランザクションの対応の予定はあるのか。 A.Web入力することは考えているが、具体的な方法については決定していない。 現時点では、申請書の入り口がメールとWebを準備するということが決定し ているのみである。(IP事業部 佐藤晋) Q.JPRS(株式会社日本レジストリサービス)のように、CSVファイルを投入し て申請できるということでもよいので、1つ1つ申請を手入力するというの は避けてほしい。 A.そのようなご希望についても検討していきたい。(IP事業部 佐藤晋) Q.7/4に開催された、JPNIC OPMでは要求仕様の段階でIP指定事業者の意見を 伺うと説明されたが、どの段階で意見を伺うのか。明日、業者に対して説 明を行うとのことだが、仕様確定後にIP指定事業者から意見を出した場合、 反映されるのにはコストがかかるため、反映できないということにならな いのか。 A.今回の業者への説明会はあくまでも概算の見積もりを行うためである。8 月~11月の間で詳細な仕様をつめていく段階でIP指定事業者のご意見を伺 う予定。(IP事業部 佐藤晋) 5.IPレジストリシステムの仕様について(JPNIC 技術部 五關浩一) JPNIC 技術部の五關より資料に基づき説明が行われた。 [質問/意見] Q.JPNICハンドルの扱いで、組織ごとにハンドルを取得とあるが、同じ人が 複数の会社に所属しているケースは、どのようにすればよいか。 A.このようなケースについて検討させていただきたい。(技術部 五關) Q.JPNICハンドルと組織の関連付けの範囲はどの程度まで及ぶのか。 A.現在の割り振りを受けた指定事業者の範囲内で使用することが可能と考え ている。 (技術部 五關) Q.ある指定事業者の下でJPNICハンドルを取得し、その後別の指定事業者に 接続することになった場合はどのような扱いになるのか。 複数の指定事業者に契約しているユーザがいる場合は、それぞれの指定事 業者の元で、JPNICハンドルを取らなければいけないのか。 A.そのようになると思う。(技術部 五關) C.それはやめてほしい。 A.セキュリティまわりとJPNICハンドルの関係を検討したい。(技術部 五關) Q.前回のレジストリシステムの開発の失敗は、仕様が固まらないうちに行っ たことを原因。現在ダウンストリームアロケーション等の実装を検討されて いるが、仕様に反映させるための十分な検討期間があるのか。 A.ある時点で線引きを行い仕様をFIXする。その後必要に応じて追加を行って 行く予定。(技術部 五關) C.スケジュールによると、課金の見直し等システムの観点から以外にも検討し なければならない事項があるようだ。うまく行くようにしてほしい。 Q.開発検討についてと、システムの仕様についての説明があったが、その2つ の説明内容の紐づけができて説明が行われていない。現行のシステムが耐え られてないから、この仕様で開発しますということで、仕様について意見を 言えばよいのか、開発検討全体について意見を言えばよいのかわからない。 一般的に、サービスの仕様を決定してから内部の実装を考えるはずである。 レジストリシステムは内部の仕様であるため、そのシステムからサービス および規則ができるのはおかしい。進め方について検討していただけると よい。 A.今回は、開発検討について主にご意見をいただければと思う。五關からは、 現在私たちが検討を開始しているシステムの仕様で、IP指定事業者に関わる ものをピックアップし紹介した。個々の仕様についてというよりも開発全 体についてのご意見を伺うことが主眼である。(IP事業部 佐藤晋) Q.今回の説明の重みが開発検討であるのならば、システムの仕様と全体の説明 との結びつきがわからない。IP事業はJPNICとIP指定事業者の共同作業で進 めるビジネスで、両者が幸せとなるようなシステムとなるべきである。 現状だと、JPNICのレジストリシステムだけが、ポツンと決定しているよ うである。これでは、コスト削減にはつながらないのではないか。 A.今まで検討してきた内容を全てお伝えするのは難しい。 ご指摘いただいた内容についても検討していきたい。懸念されているよう に、JPNICが仕様を決定して、その仕様で指定事業者の皆様にお願いする という方法で進めるつもりはない。 全体の計画が計画通りに行かないこともありえるので、IP指定事業者の皆 様とは適宜コミュニケーションをとっていきたい。(IP事業部 佐藤晋) C.全体像をみせてほしいということが要望である。 Q.JPRSとハンドルがいづれ分かれるという方向で説明されたが、今後どうな のか。 A.JPRSと現在調整を行っている段階である(技術部 五關) Q.whois データベースの運用主体は現在JPNICとJPRSのどちらなのか。 A.運用主体はJPRSとなっている。IPアドレス情報がJPRSのWhoisを間借りし ている状態である。(技術部 五關) Q.JPNICハンドルについてだが、同一の人物が複数のハンドルを持っている ケースがあり、そのようなハンドルを悪意を持って使おうとしている。 その辺のチェック機構は検討しているのか。 A.名寄せの件については、検討したいと考えている。(技術部 五關) C.指定事業者が変わっても、チェック出来るような機能がほしい。 6.ARIN管理下IPアドレスの移管について(JPNIC IP事業部 佐藤香奈枝) JPNIC IP事業部の佐藤香奈枝より、資料に基づき説明が行われた。 [質問/意見] Q.ERX(Early Transfer Project)で当該の各RIRへの移管された後に、維持料 を徴収を計画があるのか。もしくはそのような情報はあるのか。 A.RIRの動きについては、直近で決定してることはないが、APNICに確認した ところ中長期的に課金をすることも視野にいれていると聞いている。 JPNICとしては、RIRの動きも踏まえて、課金について検討すること考えている。 (IP事業部 佐藤香奈枝) Q.RIRによる課金とは別に、JPNICで独自に課金を行うことは考えていないのか。 A.絶対ないとは言えないが、もしもそのようなアイデアが出たらは、相談させて いただきたい。(IP事業部 佐藤香奈枝) 17:00 閉会 以上