第11回IPアドレス管理指定事業者連絡会(大阪会場)議事録
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会議名:第11回IPアドレス管理指定事業者連絡会(大阪会場)
日時 :2004年2月18日(水) 10:00-12:00
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場所 :新大阪ステーションホテルアネックス
出席者:16名
議題 :1.IPアドレス事業料金体系の見直しについて
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1.いただいたご意見
・維持料はユーザに費用として転嫁しにくい。割当て手数料を全廃とせず、
減額としてはどうか
・維持料のレンジをより細かく設定してほしい
・大きなサイズの割り振りを受けている事業者の値下げ幅を狭めれば、小さ
なサイズの割り振りを受けている事業者の値上げ幅も縮小するのではないか
2.議事
[ご挨拶]
JPNIC IP事業部、佐藤晋(司会進行)よりご挨拶を行った。
本日ご説明を差し上げる内容は2月13日(金)のJPNIC総会と基本的に同様の
内容である。配布資料は総会の際に利用したものと同じであり、プレゼン
テーションは指定事業者様向けの内容に若干変更させていただいた。
[発表]
JPNIC IPアドレス担当理事、前村昌紀より、資料「IPアドレス事業料金体
系見直しの検討について」に基づき、説明を行った。
現在のJPNICの意志決定プロセスではJPNIC会員が最終的な採決を行うかた
ちとなる。しかし、指定事業者の皆様に非常に大きな影響を及ぼす変更が
あることは理解しており、指定事業者に十分に説明を行い、ご意見をいた
だいたうえで変更を行いたいと考えている。
[質疑応答]
・スライドp.17によると割り振り・割り当て業務に関する支出が多い。しか
し、小さいサイズの割り振りを受けている事業者はあまり割り当てを行わ
なず、そのような事業者が割り当て分の費用も負担するということはあま
り望ましくない。割り当てを行っている方にその分を負担していただくべ
きではないか。従ってRIRの料金体系に合わせることには反対しないが、
割り当て手数料を全廃せずに減額として実施してはどうか
→今回の料金体系は費用構造の複雑化を避けること、そして維持料ベースで
あるAPNICモデルにあわせることを基本方針とした。個人ユーザへの割り
当て等において大量の割り当てを行っている事業者が存在するが、機械処
理を行っているにも関わらず、非常に大きな金額をご負担いただいている。
こういった事態を避けるためにユーザ割り当てとしてでなく、インフラ
ストラクチャーとして割り当てを行っていただくことは、本来の運用とは
異なったかたちでご登録いただくことになり、望ましいかたちではない。
これが割り当て手数料見直しの動機の一つとなった。すでに類似のご指摘
を受けているおり、いただいたご意見については継続して検討していきた
い。同時にJPNICからの提案の背景をご理解いただければと思う
(JPNIC IPアドレス担当理事 前村)
・維持料のレンジが細かく分かれていない。その場合どうせ同じ料金を払う
のであれば、直近の必要性とはまた別に、維持料の上限までアドレス割り
振りを希望する事業者が増えるのではないか
→ご指摘ごもっともだと思う。感覚は非常に理解できるが、JPNICはAPNICと
比較すると既に細かくレンジを設定している状況であり、その点はお許し
いただきたい(JPNIC IPアドレス担当理事 前村)
・維持料ベースに課金体系を変更することは理解できるが、特別維持料が懸
念材料である。3年だけなのか、今後も継続するのか。また、割り当て手
数料であればユーザに転化しやすいが、維持料だと転嫁しにくい事情があ
る
→基本的に3年で、基本維持料のみで費用負担ができるようになると考えてい
る。IPアドレスの割り振り数は増えても、人員を増やさずに対応していけ
るだろうということがその理由である。また、割り当て手数料がそのまま
ユーザに対して費用を転化しやすいことは理解できるが、収支のバランス
上、この料金体系を維持することは望ましい状況ではない。
JPNICの課金体系の変更に伴い、事業者の皆様にとってユーザへの価格転嫁
の方式の変更の検討、社内でのご説明、その他重要なご対応をお願いする
であろうことは、想定した上でこのようなご提案をさせていただいている。
ただ、このように直接ご意見をいただけると再度その重みを確認する上で
非常に重要な検討材料になり、できるだけ多くのご意見をいただきたい
(JPNIC IPアドレス担当理事 前村)
・料金体系の見直しに伴い申請手続きが変更することはないと考えてよいの
か
→料金体系の見直しを理由に手続きの変更を行うということではないが、業
務改善はこれまで通り継続して行っていきたい。特に明示的なアナウンス
は行っていないが、日々業務改善は心掛けている。料金体系に限らず、業
務の改善についてもお気づきの点があれば是非ご意見をお聞かせいただき
たい(JPNIC IPアドレス担当理事 前村)
・新しい維持料を算出した根拠を教えてほしい。P.10を参照すると/15を分
岐点として、大きな割り振りを受けている事業者は大幅な値下げ、小さな
割り振りを受けている事業者は大きな値上げとなる。大きな割り振りを受
けている事業者の値下げ幅を縮めれば、小さな事業者の値上げ幅も狭まる
ではないか
→維持料の料金設定は基本的にAPNICの課金体系を参考にしている。ただ、
/19と/20のレンジについてはAPNICと同じものを適応すると30万となり、
値上げ幅が大きくなるため、/19と/20をあわせた場合に30万円となるよう
に設定させていただいた(JPNIC IP事業部 佐藤晋)
→ご指摘の通り、小さなサイズの割り振りを受けている事業者にとって4倍
の値上げは大きな値上げであり、その影響範囲も大きいと思う。その一方
で、例えば、維持料としてお支払いいただいているのは360万だが、割り
当て手数料も含めると4000万お支払いいただいているという事業者もいる。
そういった意味では現在の料金体系は大きなサイズの割り振りを受けてい
る事業者には非常に大きな負担を強いている制度といえる。
そして、同じサイズのアドレスをAPNICから割り振りを受ければ400万で収
まるにも関わらず、JPNICに留まっていただていることが現状である。現
状の料金体系を維持した場合、APNICではなく、JPNICから割り振りを受け
ている意義を失いかねない。現在の料金体系は、大手の事業者にお支払い
いただている料金をもとにその他の事業者へのサービス費用をまかなって
おり、大手がAPNICに移管すると、その他の事業者にも影響を及ぼす。で
きるだけ値上げは行わないことが望ましいと考えてはいるが、この度の料
金体系の変更には背景があることをご理解いただければと思う
(JPNIC IPアドレス担当理事 前村)
・JPNICの料金体系の見直しに伴い、事業者も料金体系の見直しが必要。ま
た、DHCPでユーザにアドレスを付与している事業者と、固定的にアドレス
を付与している事業者ではこの度の料金改定に伴い、受ける影響が異なる
のではないか
→DHCPの場合は指定事業者のインフラストラクチャーとして見なされるため、
現行の課金制度では、ユーザへアドレスを付与した単位では、割り当て手
数料が発生しない。一方、ユーザに固定的にアドレスを付与した場合、ユー
ザ単位で割り当て申請が必要であり、ユーザへのアドレス付与毎に割り当
て手数料が発生する。従って、ユーザ割り当てを行っていなかった事業者
にとっては、確かに変更後の課金体系による維持料の値上げはコストの値
上げにつながる。
しかし、ユーザに対するアドレス付与の運用方法の違いにより、JPNICへ
の支払額の差が発生するべきではないと考え、今回の改訂はそのような主
旨で行った(JPNIC IPアドレス担当理事 前村)
・割り振り手数料が1件4円として設定されている理由を教えてほしい。また、
割り振り手数料は2004年8月以降割り振りをうけた場合に発生するのか
→APNICからJPNICへの課金は1アドレスUS2(2.4円)セントであり、割り振り
申請に伴うJPNICで発生する審議のコストと対APNICへの作業コストを加え
て4円とした。2004年8月以降、割り振りを受けると割り振り手数料は発生
する(JPNIC IPアドレス担当理事 前村)
その他お気づきの点があればアンケート、もしくは持ち帰ってご検討いただき
その結果をquery@ip.nic.ad.jpまでご意見をいただければと思います。
以上