第6回JPNICオープンポリシーミーティング議事録 [午前の部 10:00-12:30] [本議事録について] - 開催概要、プレゼンテーション、決定事項は別途公開しています - 議題5-10についての[午後の部]の議事録は別途公開しています [午前の部 議題] 1.オープニング (I) 2.JPNICポリシー策定プロセスの提案について (P) 3.IPv6アドレスポリシーの現状 (I) 4.既割り振りIPv6アドレス空間の拡張について (P) (P) ミーティングでコンセンサスの確認を行う発表 (I) 情報共有を目的とした発表 [発表および質疑応答] 1.オープニング (JPNIC IPアドレス検討委員長 芦田宏之) [発表概要] JPNICオープンポリシーミーティングの紹介、過去のミーティング、当日の 議題の紹介等を行った。 [質疑応答] なし 2.JPNICポリシー策定プロセスの提案について (JPNIC IP事業部/IPアドレス検討委員会) [提案概要] JPNICにおけるポリシー提案に対するコンセンサス形成のプロセス、および 「コンセンサス」の定義を明確にする。これを明文化したドキュメントを 施行することを目標に、IP-USERSメーリングリストでドラフトを公開する。 初年度のポリシーWGチェアはIPアドレス検討委員会が選任する。 [主なご意見] ・IPアドレス管理指定事業者をはじめとし、コミュニティに対してポリシー 策定プロセスの周知・ミーティング参加への呼び掛けをより積極的に行う べきである。 ・IPアドレス管理指定事業者、東京以外の地方からの参加者等、関係者が参 加しやすいように工夫するべきである。 [コンセンサスの確認] ・提案されたポリシー策定プロセスを定義した文書を施行し、初年度のポリシー ワーキンググループのチェアとして藤崎智宏氏をIPアドレス検討委員会より 選任することで問題ないか。 →賛成多数 [コンセンサスの確認に伴う質疑応答] ・ポリシー文書のコメントを募集する期間の一定期間とはどのくらいの期間を 示すのか明確にしておいた方がよい。 (回答) ドラフト公開後最低2週間のコメントの募集期間を設け、期間の延長は オープンポリシーミーティングのチェアが判断できるものとする。 [結論] ・提案を行ったポリシー策定プロセスでコンセンサスが得られた。 ・ポリシー策定プロセスの文書のドラフト公開後、2週間以上のコメント募集 期間を設け、IP-USERSのメーリングリストで最終的なコンセンサスの確認 を行う。 ・初年度のポリシーワーキングループのチェアは藤崎智宏氏とする。 [発表内容についての質疑応答] ・オープンポリシーフォーラム(OPF)事務局はJPNICとのことだが、実際の 運営をJPNICが行いながらも中立性を確保できるのか。 (回答) JPNICがOPFの調整を行うと中立性を保てないため、JPNICとは独立したポリ シーワーキンググループ(ポリシーWG)が調整を行うかたちとした。ただし、 ポリシーWGのチェアにはJPNICの事情を理解していただく必要があることか らIPアドレス検討委員になっていただくことにした。また、はじめの1,2年 はキックオフのためにIPアドレス検討委員の選任によりメンバーを決めて いく。JPNICではなく検討委員が選任することにより、JPNICの事業部がOPF に対して直接影響を及ぼさないかたちになっている。 ・ポリシーWGが設立されることによりIPアドレス検討委員会はなくなるのか。 (回答) IPアドレス検討委員会(検討委員会)は引き続き存続するが、役割が変わる。 検討委員会はJPNICの事業に関する諮問機関となり、ポリシーWGはポリシー について検討を行う機関とする。 ・検討委員会の役割を今後告知していってほしい。 ・IPアドレス管理指定事業者に対して、OPFへの参加をより強く広報する必要 があるのではないか。また、ミーティングでのコンセンサスは多数決で決定 とのことだが、多数派工作への対策として、参加者の母数を増やすべきで はないか。 (回答) 必要性は認識しており、そのようにしていきたい。 ・APNICでコンセンサスが得れらた提案のうち、JPNICによるローカライズが 許されないものについてはJPNICオープンポリシーミーティングで報告を 受けるかたちとなるのか。 (回答) その通りである。ただし、一方的に決定したことについてご報告するとい うのではなく、APNICから提案が出されている時点でOPFでご紹介し、調整 を行うとの前提である。この点についての定義は不足しているので今後 明確にしていきたい。 ・OPFによる決定事項についてさらにJPNICで実装検討を行わなくてはいけな い理由を教えてほしい。 (回答) いちから内容そのものについて再度検討を行うというものではなく、 JPNICの規則や契約、費用等の観点から実装を行って問題ないか検討を 行い、内部の承認手続を経ることが必要であるためである。 ・IPアドレス管理指定事業者契約ではこのプロセスについて触れていないが、 運用で直接的な影響を受けるためIPアドレス指定事業者への周知を徹底 してほしい。 (回答) 指定事業者への周知については事業部としても課題として認識しており、 IPアドレス管理指定事業者連絡会での参加の呼び掛けに加え、まずはプ ロセスの明文化が必要ではないかと考え、この度の文書化の提案に至っ た。契約書への反映については、弁護士との相談等、通常の文書化より 重いプロセスとなるためまだ対応できていないが、ご指摘の点について は認識しており、対応していきたいと考えている事項である。ご意見を いただけたことにより必要性を再確認でき、参考になった。 ・ポリシーの適用に伴う運用への影響をIPアドレス管理指定事業者へきちんと 伝えていただく必要があると考えているが、指定事業者との連携はIPアドレ ス管理指定事業者連絡会での報告のみで充分だと考えているのか。 (回答) 提案が公開された時点で、まずIPアドレス管理指定事業者には報告する。 そして、ミーティングのみではIPアドレス管理指定事業者を含めた関係者 から充分な意見を取り入れることができないことを前回より認識したため、 メーリングリストでのご意見募集期間をこの度プロセスに設けた。ただし、 複数のフォーラムで議論を行うことは望ましくないため、IPアドレス管理 指定事業者のために別途フォーラムを設けることは想定していない。指定 事業者の方もご意見がある場合、OPFで表明していただく必要がある。この プロセスについて、IPアドレス管理指定事業者への周知の必要性は認識し ており、今後行っていきたい。 ・了解した。個々に提案が行われている内容について、JPNICとしてIPアドレ ス管理指定事業者契約上問題ないか、その都度精査していただけると認識 してよいのか。 (回答) いいえ、そうではない。さきほどご説明した契約書についての対応は、 本プロセスそのものについて、契約書の内容にどのように反映していくべ きか検討したい、ということである。 ・東京だけではなく、地域のプロバイダの方が議論に参加する余地が必要であ る。メーリングリストでの適切な周知機関を設ける等、対策について検討し ていただきたい。 (回答) 了解した。 ・IPアドレス検討委員がポリシーWGを諮問するのであれば、OPFでの決定 事項に対して、そこでなんらかの影響を及ぼすことにはならないのか。 (回答) 性悪説によると現在の枠組みではその可能性は否定できないが、 実質検討委員としてはそのようなことを行う方を選任していない。 ・枠組みだけ見ると狭いコミュニティで物事が決まっていくように見えるの で、もっとこのプロセスについて広報していってほしい (回答) 了解した。 ・例えば運用責任者についての提案はユーザよりもIPアドレス管理指定事業者 の方が影響を受ける内容であり、また、ポリシーよりも運用に近い話だと 考える。 (回答) 確かに現在のミーティングでは運用とポリシーに関する提案が明確に棲み 分けされていない。将来的には分類することを考えていきたいが、それま では分けないかたちで進めさせていただきたい。 ・ポリシーWGチェアはIPアドレス検討委員長が務めるのか。 (回答) 今回は、そのようなかたちになっているが、今後はポリシーWGのチェアが 検討委員も務めるというかたちになる。また、将来的にはチェアを立候補 制にして選任していきたいと考えている。 ・このプロセスに関わっている検討委員会の議論の内容が公開されておらず、 活動内容も明確ではない等、透明性がない点が懸念される。 (回答) 検討委員会の議事録が公開されない理由は、過去においては実際の申請内 容に対する審議を行っていたため、公開することができなかった。現在は 状況が変わっており、公開しても問題ないと考えている。この点の検討も 踏まえて、検討委員会の活動について不透明な印象を与えるものがあれば 改善していきたい。 ・例えばミーティングの東京以外の地域での開催等、IPアドレス管理指定 事業者、東京以外の地域からの参加者等、必要な関係者から均等な意見 をもらえるように工夫するべきではないか。 (回答) APNICでもオンサイトのミーティングとメーリングリストで対応しており、 出席できない方の意見はメーリングリストで吸収している。OPFの東京以 外の地域での開催は検討していきたいと考えているが、現在と同等の出席 者を確保する方法等、考慮すべき課題はある。 3.IPv6アドレスポリシーの現状 (JPNIC IP事業部 穂坂俊之) [発表概要] APNICおよび他の地域におけるIPv6アドレスポリシーの現状、初期割り振り基準 の運用についての紹介を行った。 [質疑応答] なし 4.既割り振りIPv6アドレス空間の拡張について (日本電信電話株式会社 藤崎智宏) [提案概要] 初回申請としてIPv6アドレスを取得済みの組織が、現行のポリシー運用にあ わせたかたちで、取得済みIPv6アドレス空間を拡張をできるようにする。こ れは追加割り振り申請とは見なされないため、追加割り振り基準は適用され ない。 [主なご意見] ・提案内容そのものについての反対意見はなく、APNICへの提案方法について の確認、コメントがあった [コンセンサスの確認] ・APNICへもっていくべきではないと考える方 →0名 [結論] ・ミーティングでご紹介した内容に、会場からの意見を反映させ、APNICに 対して提案を行う ・提案者が会場からの意見を反映させた内容をIP-USERSのメーリングリスト へ提示し、2週間以上のコメント募集期間を設け、最終的なコンセンサス の確認を行う。(IPアドレス検討委員長より確認のメールを送信済み) [コンセンサスの確認に伴う質疑応答] ・今回の提案からこのミーティングで提案が行われたポリシー策定プロセス が適用されるのか。 (回答) 提案を行ったポリシー策定プロセスはまだ正式には適用されていないが、 ミーティングでのコンセンサス確認後、ip-users メーリングストでの最 終確認は行うべきであると考える。 ・IP-USERSのメーリングリストに意見を求める期間はどのくらいか。 (回答) 2週間とする。この期間は、提案者から本ミーティングで出た意見を反 映させた内容をメーリングリストに出してからの期間である。 [発表内容についての質疑応答] ・ポリシーの追加割り振り基準に言及するよりも、過去に割り振りを受けた 人も現在の運用にあわせて割り振り空間の拡張を行える、というかたちで 提案を行った方が通りやすいのではないか。 また、拡張する空間は/29まででよいのか、それともそれ以上のアドレス が必要であった場合、今回は拡張はせず、追加割り振り申請を行った方が よいのかもあわせて検討する必要があると考える。 (回答) 現状の運用では/29の空間まではリザーブされているので、最大このサイ ズまではAPNICで対応してもらえると考えた。この点についてはみなさん のご意見をお伺いしたい。 ・ゆくゆくは初回割り振りで受けられるサイズが/29になることを想定して いるのか。 (回答) 現状の運用では実質、/32以上の割り振りを受けることが可能であり、最 小割り振りサイズの変更について提案を行うことは想定していない。過 去に割り振り申請を行った組織は/32のサイズで割り振りを受けていたた め、現状の運用にあわせたいというのが主旨である。 ・ヨーロッパではHD-ratioも初期割り振り申請時に考慮しているが、その点 はどう考えているのか。 (回答) 現在それを提案に含めることは考えていない。 ・その点については、今回の提案とは分けたほうがよいと思う ・この提案は時限措置なのか、継続措置なのか。 (回答) 時限措置の必要性は感じていないため、継続的に有効である。 ・その場合、再現なく必要であれば追加割り振り基準を満たさずに追加割り 振りを受けることになるのではないか。 (回答) 対象は、初回割り振り申請のみで、1回きり有効であることを想定して いる。この点については提案内容に明示的に含める ・当然のことを指摘しているように思えるが、改めて提案しなければいけな い理由を教えてほしい。 (回答) 対応可能であるのかについて、どこでも明言されていないため、なんら かのかたちで明文化してほしい、といことが提案の背景である。 ・現在のポリシーでは対応できないのか。 (回答) ポリシー文書では明記されておらず、APNICに問い合わせたところ、できな いとの回答ではなかったが、できるとはっきりした回答もなかった。つ まりは明文化されていない。 ・明文化にあたり、ルールの変更としてポリシー文書に反映させるべきなの か、運用の明文化としてガイドライン文書の含めるべきなのか。 (回答) 内容からすると、ガイドライン文書に含めるべきだと思うが、まだはっ きりと決めているわけではない。これについては、どちらが適切である のかに応じて調整していきたい。 [午前の部 終了] 引き続き午後の部で議論を行いました 以上