---------------------------------------------------------------------- 第19回IPアドレス管理指定事業者連絡会 会議記録 参加者:東京64名、大阪21名、福岡5名 ---------------------------------------------------------------------- [議題] 1. IP事業における主な活動 2. 最新ポリシー動向のご紹介 3. IPv4アドレスの枯渇に関する状況とJPNICの対応方針 4. JPNICにおける料金体系の見直し 5. 指定事業者満足度調査に関するご報告 ---------------------------------------------------------------------- 1. IP事業における主な活動(IP事業部 佐藤晋) [質疑応答] なし 2. 最新ポリシー動向のご紹介(IP事業部 奥谷泉) [質疑応答] + lame状態にある逆引きDNSへの対策範囲はどの程度なのか。サーバの設 定は適切に行っていてもJPNICに登録しているものと一致しなければ lameと判断されるのか。 →ケース1 ns2のサーバを運用し、JPNICへはns1と登録 lameチェックがns1に対して適用され、存在しないためlameと判断 される(JPNIC) →ケース2 ns1、ns2の2台のサーバを運用し、JPNICへはns1のみ登録 lameチェックの対象はns1のみ。ns2はチェック対象外(JPNIC) →ケース3 JPNICから直接ゾーン委譲してないサーバ(/24未満のゾーン) lameチェック対象外(JPNIC) 3. IPv4アドレスの枯渇に関する状況とJPNICの対応方針(IP事業部 前村昌紀) [質疑応答] + JPOPMのショーケースでは本ポリシー策定のために一刻の猶予もないと 聞いていた。「ポリシー動向のアップデート」では、APNICで提案した 枯渇に向けたポリシーは一部コンセンサスに至ったとの報告があったが、 提案中コンセンサスに至った点と至らなかった点を教えて欲しい。 →以下の点については賛同が得られた。(JPNIC) ・グローバルに進めること ・節約方向にポリシーを変えないこと、 ・アドレス回収、再使用議論とは別に進めること →以下の点については賛同が得られず、メーリングリストでの議論に 差し戻しとなる。(JPNIC) ・ブロックを割り振らずに残すこと ・前もって割り振り終了日を告知すること + 実装の準備期間を考えると5年でIPv4アドレスが枯渇してしまうというの は厳しい。コアなバックボーン部分は何らかの対応策があるかもしれない がエンドサイトやディストリビューションの部分の対応や、IPv6とのデュ アルスタックやNATの検討などを選択肢の余地として残すのであれば、あ と2年ぐらいである程度足並みが揃っていないと対応が難しいと考える。 →2007年春はまず全世界に対する周知活動を目的とし、2007年秋に、春 にいただいた意見に基づき提案活動を行う予定である。この時期まで に有効な提案をできるのかが鍵となると考えている。(JPNIC) →これまでの経緯としては2006年の1月からIPv4アドレスの枯渇に向 けて検討を重ねてきた。検討当初は、IPv4の枯渇に対する問題点の 特定もできていない段階であったが、1年間活動を進めた結果、よ うやく整理がついて現時点の状況まで至った。海外のレジストリと 事業者のみなさんも対応しないといけないと言う意識を持ってから、 問題点を整理して実際にアクションを起こせるようになるまでには 少し時間がかかるかもしれない。(JPNIC) + 提案要素を全て通すことを目指して提案を行うとコンセンサスに至る まで時間がいくらあっても不足するだろう。重要な部分がまだコンセン サスに至っていないとはいえ、少なくともすでにAPNICでコンセンサス が得られた点について周知を進める、または問題意識の共有だけでも 周知に向けて検討をしたほうがよいのではないか。 →JPNICが各地のRIRミーティングでこのような提案を行っている背景に は世界的に関心を持ち、取り組みが必要なポリシーと考えているから である。幸いなことにIACNN等も関心を持っているとの動きもあり、 認知度は向上してきていると考えている。(JPNIC) + 割り振り終了日を設けることについては、全世界で統一しないといけな いのか。割り振り終了日にこだわり続けることによりポリシーの制定が 遅れるのであればやらないほうがいいかもしれない。包括的にアドレス の利用状況を把握していくことにして行くのも一つの方法ではないか。 (JPNIC) →割り振り終了日を設けないとすると、アドレスに余裕のあるRIRを選 んで、アドレスの割り振りを受けようとする動きが活発になると考え られるが、もしRIRがそれでも対処可能だと言うのであれば、割り振 り終了日を統一しなくても問題はないと思われる。(JPNIC) →各地域でアドレスの消費傾向が違う場合もあるため、基本的には割 り振り終了日を設けて、個別に例外を作る等の対応が必要な可能性 もある。そういう議論もありえるだろう。(JPNIC) + 割り振り終了日については割り当て済IPv4アドレスの回収がどの程度進 むのかがわからないと決められない可能性もあるため、この点を明確化し ていく必要があると考えている。(JPNIC) + 今後とも議論が積み上がったり、状況が変わっていくようであれば皆様 にもお知らせをしていきたいと考えている。(JPNIC) 4. JPNICにおける料金体系の見直し(IP事業部 佐藤晋) [補足] + 現行のAPNICポリシーで、IPv6の割り振り基準であるHD Ratioが0.8から 0.94に改定ことがAPNICで決定した。 + これによりIPv6アドレスの割り振り時にJPNICからAPNICへ支払うper address feeの金額が増額となる。 → /32の割り振りを受ける場合、JPNICからAPNICへの支払額がUS$143 からUS$674へ変更 + この結果、JPNICから指定事業者へのIPv6割り振り手数料も同様に変更 する可能性がある(詳細は「ポリシー動向アップデート」P.23-28参照)。 [質疑応答] + 2008年度に予定しているJPNICの料金改訂にあたってはAPNICの維持料の検 討を待っているとのことだが、2004年に説明した内容を当初の予定通りそ のまま実施するのではなく、APNICの料金体系の変更をJPNICの料金体系の 変更に盛り込もうとしているのか。 → 基本的にはJPNICとAPNICの料金体系をあわせておきたいと考えてい るが、2008年に予定しているJPNICでの料金改訂に間に合うよう APNICでの料金改訂を実現することは難しいと考えている。従って、 JPNIC単独で一度料金改定を1回行なったとしても、その後、APNICの 料金制度にあわせたJPNICの料金改定もう一度必要になると現時点で は想定している。(JPNIC) + APNICで以前提示していた料金改定案を見たのだが、それではNIRに対す る増額がかなり大きなものになっていたと思う。もし、その案がそのま ま通ったとすると、APNICからJPNICに対する増額分は、そのまま指定事 業者に対する増額分になると考えてもいいのか。 → 増額分も含めてIPアドレス事業にかかる費用は指定事業者に応分に 負担していただくことになる。ただし、この要因よりもどちらかと いうと、APNICのMembership FeeとJPNICの指定事業者に対する維持 料を合わせないといけないという側面が強いと考えている。(JPNIC) → IPアドレスの分配サービスを受けるにあたり日本のISPはAPNICと JPNICのいずれかを選択することが可能であるため、仮想的な競争状 態が存在し、ここに大きな開きを作ってしまうと、事業者がAPNICか らサービスを受けることを選択する流れになると考えている。従っ て、APNICとJPNICの料金を揃える方針にする、としている。そうい う事情もあり、APNICの料金が決まると大きな枠組みの変更となるた め、指定事業者のみなさまと情報共有を行っている。(JPNIC) + APNICの料金案に関する議論に対して、指定事業者として意見があれば JPNICに伝えればいいのか → JPNICに申し付けていただければ議論に反映できるよう努力は行うが、 APNICミーティングなどで直接発言していただいたほうが説得力があ ると思う。議論はオープンに行われるため、APNIC会員ではなくとも 参加可能である。(JPNIC) 5. 指定事業者満足度調査に関するご報告(IP事業部 奥谷泉) [質疑応答] なし 以上 ----------------------------------------------------------------------