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ニュースレターNo.10/1997年12月発行

2. 最新トピックス

2.2 gTLDの新設の現状と展望について

2.2.1 最新国際情勢についての報告

 前回のニュースレターにも書きましたトップレベルドメインの問題は、その後も急速な進展を続け、International Ad Hoc Committee (IAHC, 国際臨時特別委員会)の最終報告で増設が提案された新しいトップレベルドメインの登録機関(レジストラ, Registrar)の公募が7月の中旬から始まりました。3か月でこの公募は締め切られましたが、世界で80を超える機関が登録機関の資格を認定され、レジストラ協議会(CORE, Council of Registrar)の会員となりました。

 これと並行して世界知的所有権機関(WIPO, World Intellectual Property Organization)では「ドメイン名異議申し立てパネル(ACP, Administrative Challenge Panel)」の運営方法などについて議論するための会合を9月1日,2日に開き、その成果を受けて「ドメイン名異議申し立てパネルに関する実体ガイドライン(SUBSTANTIVE GUIDELINES)」が、IAHC の後継機関である暫定ポリシー管理委員会(iPOC, interim Policy Oversight Committee)の手で作成されつつあります。この分ですと、当初の予定である1998年1月からはいくらか遅れるにしても、新しいトップレベルドメイン名が登場することはさほど遠くないように思われます。

 iPOCでは一連の動きを広く世界に理解して貰うための広報活動を行なうことを望んでいましたが、今回JPNICがスポンサーとなり11月7日に東京の九段会館で「インターネットドメイン名システムの新しい展開 -- 暫定ポリシー管理委員会(iPOC)のメンバーを囲んで新トップレベルドメインの諸問題を話し合う会」と題する講演会を開催し、iPOCの中心メンバの方々に講演して頂き、広報に貢献することができました。また、翌日の11月8日には同じく東京でCOREの第一回の総会が開催され、この2日間は東京がこのgTLD問題の中心地となったかのようでした。

 JPドメインとは直接の関係はありませんが、インターネットの将来の方向性を考える上で今後も関心を持って見守っていく必要があると考えています。

関連ホームページ
http://www.iahc.org
http://www.gtld-mou.org
発表文書
http://www.iahc.org/press-final.html
http://www.iahc.org/draft-iahc-recommend-00.htm
http://www.gtld-mou.org/gTLD-MoU.html
http://www.gtld-mou.org/docs/core-mou.htm
発表文書の日本語訳
http://www.nic.ad.jp/jpnic/hottopics/iahc-press-final.txt
http://www.nic.ad.jp/jpnic/hottopics/iahc-final-report.txt
http://www.nic.ad.jp/jpnic/hottopics/iahc-gTLD-MoU.txt

2.2.2 gTLDの新設についての経過

(JPNIC JPドメイン名登録検討部会)

1) gTLD 新設の意味とこれまでの経過

 住んでいる国・地域を問わず誰もが登録申請できるトップレベルドメインがgTLD(generic Top Level Domain:一般トップレベルドメイン)です。現在は、InterNICによって.com、.org、.net の3つが管理されていますが、来年始めには7つのgTLD(.firm、.store、.web、.arts、.rec、.info、.nom)の新設が計画されています。

 今回進められている gTLD の新設は、その存在根拠を gTLD-MoU(gTLD-Memorandum of Understanding)という覚書文書においています。これは、本年2月4日に IAHC(国際臨時特別委員会:ISOCとIANAの主導により昨年11月12日に設置)によって出された「gTLDの事務手続管理と運営管理に関する勧告」に基づいて作成されたものです。10月末現在、この覚書には、世界中の170の組織が署名をしています。この覚書は単にgTLDを増やすということのみを目的とするものではなく、グローバルなDNSの管理と改善のためのポリシーを策定し展開するための国際的な枠組みという位置付けになっています。

 現行の gTLD( .com、.org、.net)については、そのレジストリ業務が、NSF(全米科学財団)からNSI(Network Solutions, Inc.)へ委託される形になっていますが、この契約も来年の3月には終了します。米国連邦政府は同契約を継続しない旨の発表をすでに行なっています。現行の3つのgTLDが gTLD-MoU の流れに合流するのかどうかについては、まだ明確ではありませんが、今回の一連の動きは、これまで米国が中心となって管理してきたgTLDを全世界の共有資源として管理していこうとする動きであると言えます。

 今回の動きの中でもう一つ注目すべき点は、インターネットコミュニティと知的所有権コミュニティとの間における話し合いです。ここ数年、主に.comドメインにおいて、ドメイン名と商標との間における紛争が発生しています。その内幾つかは訴訟となり、また幾つかはNSIの紛争解決ポリシーに基づき、第三者の商標を侵害しているか否かの判断もされないままドメイン名使用を差し止められるという事態も発生しています。ドメイン名は単なる記号であるという主張がある一方で、著名商標と同じ文字列のドメイン名を第三者が登録し、商標権者に高額で売りつけようとしたり、一般ユーザーから誤認されることを承知の上で悪用するという行為があるというのも事実です。このような観点から、今回のgTLDの新設に当たっては、紛争解決の仕組みをドメイン名登録申請手続きの中に組み込むことが前提とされています。現在、オンライン調停、オンライン迅速仲裁、ドメイン名異議申し立てパネル(ACP)の3つの方法による紛争解決が検討されています。ACPについては、現在、実体ガイドラインの策定が進められていますが、10月末現在では「修正第2版」となっており、まだ最終版にはなっていません。

2) 今後の動き

 7月17日~10月16日までレジストラの公募が行なわれ、その結果、80数組織がレジストラとして決定しました。すべてのレジストラは、CORE(レジストラ協議会)のメンバーとなります。COREは、gTLD共有レジストリシステム(SRS)を構築し管理していく役割を担っています。10月24日には、このSRSの構築ベンダーも決定し、開発作業が進められつつあります。

 本原稿を執筆している時点(10月末)においては、新しい gTLDの登録申請受付の開始は、来年2月15日の予定となっています。予定通り開始できるかどうかは、SRSの開発作業如何であると言えるでしょう。

 なお、JPNICは、gTLD-MoU の署名組織の一つとして、また、日本のインターネットコミュニティにおける情報センターとして、gTLDの動きを今後もフォローしていきます。

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