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ニュースレターNo.10/1997年12月発行

7. 参考情報

7.5 ドメイン名およびIPアドレスの割り当てについての調査結果報告

(1996年11月申請分)
調査協力 株式会社リクルートリサーチ

Ⅰ. 調査概要

【調査目的】 1996年11月にIPアドレス、ドメイン名の取得申請を行なった組織に対して申請業務全般についてのアンケート調査を行ない、その結果から今後のJPNICのサービスを改善するヒントを得ること
【実施時期】 1997年9月3日~1997年9月16日
【実査方法】 電子メイル(一部郵送)によるアンケート調査
【調査対象数】 IPアドレス申請 21組織 ドメイン申請 1626組織 
【回収数】 IPアドレス申請 7組織 ドメイン申請 435組織 

Ⅱ. アンケート概要

 回収率について95年と比較するとIPアドレス申請では33.3%(95年は23.7%)と増加し、ドメイン申請では26.8%(95年は35.0%)と減少している。調査は申請手続きをしてから9ケ月以上経過してから行なわれている。

第1章 ドメイン申請者について

 今回が初めての申請であった組織は全体の12.4%(94年:24.7%、95年:15.9%)で残りの87.6%(94年:74.1%、95年:84.1%)の組織は以前に申請をしたことがあると回答している。94年、95年に比べて初めて申請した組織の割合は少なくなっている。

第1節 初めて申請をした組織のみを対象とした質問について

●インターネット接続のために、IPアドレスおよびドメイン名の取得が必要であることを何から知ったかという質問に対して、「人から聞いて」(35.2%)という回答が一番多く、その次に「書籍」(27.8%)、「雑誌・新聞」(16.7%)と続いている。3年間を通してみてもほぼこの3項目が多いことがわかる。
●インターネットに関して分からないことがある時、どのようにして調べたかという質問に対しては、「人に聞く」(53.7%)、「書籍」(48.1%)、「WWW, FTP等インターネット」(44.4%)の3つが5割前後と、他の項目に比べて多い。特に「人に聞く」、「書籍」は3年間を通してみても突出している。
●JPNICの存在をどのように知ったかという質問に対しては「人から聞いて」(37.4%)、「書籍」(22.2%)、「雑誌・新聞」(20.4%)という回答が多く、3年間を通してみてもほぼこの3項目が多いことがわかる。
●JPNICの活動内容について知っているものはどれかという質問に対しては、全体的によく知られていたが、今回から選択肢に加えた「広報・普及啓蒙」(14.8%)、「統計情報の収集・管理」(13.0%)の2項目はいずれも認知が低かった。
 また前回と同様に「コンピュータネットワーク情報の収集・管理・提供」(33.3%)、「インターネットに関する社会的課題の検討」(35.2%)、「国際的連携(94年、95年は『APNIC活動との協調』)」(36.0%)についての認知も低かった。
●申請に必要な情報の取得方法はすぐ分かったかという質問に対して、「よくわかった」を5、「わからなかった」を1として平均を計算すると3.3となり、94年の3.9、95年の3.5に比べ若干ではあるが、評価が下がっている。
●申請に必要な情報(申請書式など)はどこから取得したかいう質問に対しては、「WWW・FTP等インターネット」という回答が4割を超え一番多かった。次が「JPNICから電子メイルで」で3割強を占めている。
●申請に関する文書の置き場所をすぐに見つけることができたかという質問で、「すぐ分かった」を5、「わからなかった」を1として平均すると3.6になる。
●申請に関して全体的にはわかりやすかったかという質問で、「わかりやすかった」を5、「わかりにくかった」を1として平均を計算すると2.7となり、平均的である。
 ちなみに同様の計算を94年、95年の結果は、それぞれ4.2、3.0であり、徐々に評価が下がっていることがわかる。
●このような申請業務を煩雑と感じたかという質問に対して、「煩雑に感じた」という組織は5件で約1割であった。「煩雑とは感じなかった」を5、「煩雑と感じた」を1として平均をとると3.1で、平均的である。

第2節 すべての組織を対象とした質問について

●申請方法は、やはり「電子メイル」がほとんどで、95.9%に達している。この項目は3年間を通じて9割を超えている。
●申請してから最終通知を受け取るまで何日程度かかったかという質問に対しては、平均で12.0日である。94年には24.0日であったのが、95年には8.7日に短縮し、今回12.0日と増加している。回答の中には100日を超えるものが4件(180日が2件、120日と100日が1件ずつ)あったが、今回の平均値の計算からは除いている。
●これらの期間は申請組織にとってなんらかの影響を及ぼしたかという質問に対しては、「特になかった」が6割である。これは94年、95年の7割という数字よりも約10ポイント程度少ないが、「意外に早かった」は2割で、1割強であった94年、95年よりも多い数字である。
●希望したドメイン名は取得できたかという質問に対しては、約9割の組織が取得できたと回答している。ドメイン名の総数が増えているためか、希望ドメイン名の取得率は、僅かずつではあるが、年々少なくなってきている(93.8→91.7→87.1)。
●取得できなかった理由としては、「一組織一ドメインの原則に反した」、「申請が競合」等のコメントがあった。(第4節「自由回答について」参照)
●手続きは申請から最終通知(割当、却下、手続き完了の通知)まで順調に進んだかという質問に対しては、5割強が「そう思う」と回答している。「そう思う」を5、「そう思わない」を1として平均をとると4.1になり、この結果は94年、95年とほぼ同じである。
●申請に対するJPNICの対応が親切であったかどうかという質問では、真ん中の「3」という回答が多く5割弱を占めた。「親切だった」を5、「不親切だった」を1として平均をとると3.6となり、この結果は94年、95年とほぼ同じである。
●申請に対するJPNICの職員の知識に関してどう思ったかという質問では、95年に比べ、「十分だった」という回答が増えた(15.3%→35.9%)。
●問い合わせに対する最初の回答はどれくらいできたかという質問では、そもそも「問い合わせをしなかった」という回答が4割強を占めたが、問い合わせをした中では「24時間以内に来た」(20.9%)という回答が多かった。

第3節 総合評価およびその他の指標との関係

●昨年度より、申請業務におけるJPNICの総合的な評価を5段階で聞いている。「良かった」を5、「良くなかった」を1として平均をとると3.8(95年は4.0)となり概ね良い評価であったと言える。しかし昨年度0件だった「良くなかった」という回答については、今回16件あり、今後の注意が必要である。
●「手続きの順調さ」「JPNICの対応」「職員の知識」「レスポンス(最初の回答がどれくらいで来たか)」についての5段階評価の平均をグラフにすると、下表の通りになる。これから「対応」が一番の課題で、次が「レスポンス」ということがわかる。
●前述の「総合満足度」で「良かった」と回答した149件を「良かったグループ」、「あまり良くなかった」「良くなかった」の2つを合わせた52件を「良くなかったグループ」として見ると、2つのグループで評価が大きく異なるのは「手続きの順調さ」であり、この項目の評価を上げることも総合評価を上げることにつながるものと考えられる。

第4節 自由回答について

Q9 『申請に関して分かりにくかった点などがありましたら、 具体的にお書き下さい。』という質問に対する自由回答

●まあ分かりやすかった(Q9において2の評価をしたグループ)
回答件数:3件
 申請を行なうこと自体は難しくはないが、申請の内容に不備がある等の場合、どの部分が不備なのかがわかりにくい。また、申請情報の取得が難しかったといった意見がある。
●普通(Q9において3の評価をしたグループ)
回答件数:4件
 申請自体を行なうのに支障はないが、JPNIC公開文書の内容が分かり難かったという意見が大勢をしめた。
●やや分かりにくかった(Q9において4の評価をしたグループ)
回答件数:9件
 JPNIC側が提供している情報(JPNIC公開文書、Web、ftp等)が難解であったり、整理がされていないという意見が多い。
●分かりにくかった(Q9において5の評価をしたグループ)
回答件数:5件
 NE.JPドメインの新設時期と重なったため、NE.JPにからむ移行、新規申請の分かり難さを指摘された。
 また、JPNIC公開文書についても、難解である、説明が不十分である、読み難い等の厳しい意見が多い。

Q15 『希望したドメイン名が取得できなかった理由は何ですか。 具体的にお書き下さい。』という質問に対する自由回答

●一組織一ドメインの原則に違反した
回答件数:7件
 一組織一ドメインの原則を事前に理解していなかったケースと、同一法人内でのドメイン取得の有無の確認ができていなかったケースの二例に分かれている。
●第3レベル一意性制限ルールに抵触した
回答件数:4件
 当時はこのルールがまだ存在したが、現在は解除されている。
●申請が競合
回答件数:13件
 事前調査の不足による既存ドメインとの重複があるが、その他に、特殊事情として96年12月10日に行なわれた第3レベル一意性制限ルールの解除前の事前申請受付期間(11月19日~12月9日)の一部が含まれたため、申請の競合があったものと思われる。
●ORドメイン、NEドメイン
回答件数:4件
 ネットワークサービスのためのドメインが、ORからNEドメインへ切り替わったため、属性の申請に不備があったケースである。
●その他
回答件数:6件
 申請者側のミスによるものもあるが、ORドメインの取得の申請を行なったが取得できなかったケースが多く、割当対象であるかないかの判断をJPNICが行なっていることに対する問題提起があった。

Q20 『JPNICの対応に関して特に良かった点、 悪かった点などがありましたらお書き下さい。』という質問に対する自由回答

●良かった点
回答件数:20件
 通常の業務手順で申請から割当までが終了するケースが多く、こうした場合の対応については評価は高いと思われる。また、こうした評価を回答した申請者は相対的に総合評価は高い。
●悪かった点
回答件数:51件
 申請手続き(公開文書含む)の煩雑さ、難解さに対して改善を求める指摘と、質問や割当審議にはいった場合の連絡不十分に対する指摘がほとんどである。また、事務的な申請処理に対する苦言も多いが、この点については賛否両論あると思われる。
●その他
回答件数:6件
 特筆事項なし。

Q21 『その他JPNICで改善すべき点などありましたらお書き下さい。』という質問に対する自由回答

●対応が親切(Q17およびQ23の評価が非常に良かったグループ)
回答件数:12件
 JPNIC公開文書(割当規則、申請書式等含む)の改善については多くの申請者から指摘がある。また、一般的な広報活動の充実を求める提言も多い。
●対応がまあ親切(Q17およびQ23の評価が良かったグループ)
回答件数:16件
 通常の処理にのらない申請に対しての対応について改善を求めるものが多い。その他情報提供業務(WEB、ftp等)の充実の要望も多く認められる。
●対応が普通(Q17およびQ23の評価が中間的グループ)
回答件数:32件
 主な要望については、前項と同様であるが、申請から割当までの期間をもっと短くする要望が強い。
●対応がやや不親切(Q17およびQ23の評価が悪かったグループ)
回答件数:9件
 JPNIC公開文書に対する改善を求めるものがほとんどである。
●対応が不親切(Q17およびQ23の評価が非常に悪かったグループ)
回答件数:9件
 主な要望については、その他の項目と同様であるが、OR.JPドメインの割当対象を明確にすべきであるという意見があった。
●その他
回答件数:3件
 特記事項なし。

Q22 『JPNICに今後どのようなことを期待しますか。』という質問に対する自由回答

●総合評価が「とても良かった」グループ
回答件数:17件
 JPNICの主要業務であるインターネット資源の割当業務の維持と、品質向上、及び、公平な割当を維持するための努力を求めるものが多い。また、具体的な要望として、データベースの充実とプライバシーの保護の要望があがっている。
●総合評価が「良かった」グループ
回答件数:15件
 割当規則の改善を行なうための、公開議論などを今後も継続しより多くの人のコンセンサスを得る努力を望まれている。また、申請の自動化(WEBでの申請)を行ない、いつでも申請ができる環境の期待がある(具体的にはInterNICを指している)。
●総合評価が「普通」グループ
回答件数:27件
 主な期待は、前二項と同様であるが、申請料金の値下げ、つまり組織の効率的な運用による、コスト負担の低減の要望が多い。
●総合評価が「あまり良くなかった」グループ
回答件数:8件
 主な期待は特に変わらないが、申請手順の簡略化、公開文書の改善の要望があった。
●総合評価が「とても良くなかった」グループ
回答件数:7件
 積極的な期待を持てないという意見が多い。

第2章 IPアドレス申請者について

●申請組織数の減少
 IPアドレス申請者については、回収が7票しかなく、初めて申請した組織も1つのみであった。ちなみに95年、94年の回収数はそれぞれ14票、52票で、初めての申請はそれぞれ4組織、18組織となっており、11月という1ケ月間に申請した組織の数は年々減っている。したがって今後、統計的に何らかの結果を出すためには、11月の申請だけではなく、1年分程度の申請に対して調査を実施する必要がでてくるであろう。
●申請方法と最終通知までの期間
 申請は7組織中6組織が「電子メイル」で1組織のみが「郵送」であった。ちなみに95年は14組織中1組織が「郵送」、94年は52組織中17組織が「郵送」による申請であった。
 申請から最終通知を受け取るまでは、短いもので7日、長いもので15日ほどかかっているようである。そしてその期間が業務上支障を来たすものだったかという設問に対してはほとんど(6組織)が「特に影響はなかった」と回答している。
●希望数のアドレス取得の成否
 回収できた7票を見てみると、2組織を除いて、希望数のアドレスの取得に成功している。取得出来なかった理由としては「よく分からない」というものと「IPの不足により契約プロバイダから取得して欲しいとの回答を受けた」というものであった。
●JPNICの対応および職員の知識
 JPNICの対応および職員の知識については、概ね良好で、「不親切だった」、「(知識が)不十分だった」という意見は見られなかった。
●総合的評価
 JPNICの総合的評価も概ね良好で、5段階評価でいえば、最も良い評価である「5」が3組織、「4」が1組織、「3」が3組織で、悪い評価である「2」「1」という回答は見られなかった。
●その他(自由回答)
その他自由回答では、
・「わかりやすいドキュメントおよびDBを作成して欲しい」
・「公開文書の一部分が更新されても他の公開文書と連動がとれていない場合が時々あるように思います」
・「以前はHPから文書の一覧をみることができたので良かったのですが、新しいHPになってからあの文書はどこにあるんだろうと思った時に探すのが少し大変になった気がします。検索があると便利だと思います」
というような意見が見られた。


Ⅲ. まとめ

 今回の調査も、前回よりはやや短いものの、手続き終了後9ケ月以上経過していた。3年間の結果を比較した場合、大きく5つのことが言える。

 1つめは調査実施前から明白なことであるが、1ケ月の間のドメイン名申請組織の数が年々増加していることである(94年11月:126件、95年11月:448件、96年11月:1626件)。一方IPアドレスの申請の方は年々減少している(94年11月:94件、95年11月:59件、96年11月:21件)。

 2つめはQ5で聞いている「活動内容の認知」について、この結果が例年と大きく異ならなかったことである。「コンピュータネットワークに関する情報の収集・管理・提供」「国際的提携」については3人に1人の認知であるし、今回から加えた「統計情報の収集・管理」「広報・普及啓蒙」の2つについては1~2割と低い認知率であった。94年の結果レポートからJPNICの積極的な対外活動の必要性が指摘されているが、この3年間での内容認知には、あまり変化が見られていない。

 3つめはQ9で聞いた「申請手続きに関するわかりやすさ」について、この平均値が年々下がっている(4.2→3.0→2.7)ことである。また94年、95年には「分かりにくかった」という回答は皆無だったが、96年では54組織中9組織が「分かりにくかった」と回答している。

 ここは初めて申請した組織に対してのみ行なわれた設問である。申請手続きをもっとわかりやすくするためにはどうすればいいのか、検討が必要なところであろう。

 4つ目はQ12で聞いた「対応のスピード」についてであるが、96年の平均は12.0日間で、94年の24.0日間に比べては短いが、95年の8.7日間よりは長くかかっている。また本文中でも触れたが180日が2件、120日と100日が1件ずつあった。いろいろと特殊な事情があるのであろうが、なるべくそのようなケースはなくしたいものである。

 5つ目はQ17、Q18で聞いた「JPNICの対応」、「職員の知識」についてであるが、平均値はやや向上しており(対応:3.3→3.6、知識:3.4→3.8)このままの調子でいきたいところであるが、昨年皆無だった「不親切だった」「不十分だった」という回答がそれぞれ13件、11件と少なからず見られるのが気になるところである。

 また、フリーコメントに目を通すと、良い評価、悪い評価と様々であるが、昨年も指摘させて頂いたように、申請組織毎にJPNIC側の対応にムラがあり、問題のないところは問題なく進むが、対応が大きく遅れるケースもあったようである。手続きが順調に進まないところに対するケアを心掛ければ、全体的に総合満足度をもっと高いものにすることも可能であろう。

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