ニュースレターNo.11/1998年3月発行
4.各種申請に関する最新情報
4.2 ASの申請方法
AS申請について
ASとは
ASとはAutonomous Systemの略称で、the Internetで経路を交換するときに使う情報の一つです。経路情報はASの間で交換されます。経路を選択する際などにもASは重要な役割を果たします。経路情報の交換には、BGP4(BorderGateway
Protocol version4)というプロトコルが主に使用されています。このBGP4では、ASを0から65535までの数字(16bit)を使って区別しています。したがって、ASは限られた数しかないため、浪費や死蔵は慎まなければなりません。これはIPアドレスと同じです。
現在、the Internetで実際に使用されているASの数は2400個程度です。また、外部とやりとりをする必要がない時に使うために、64512から65535までの部分が予約されていて、この部分をプライベートASと呼びます。
IRR
IRRとはInternet Routing Registryの略称です。これは経路情報を登録することによって、the
Internetの経路情報の交換を円滑かつ 安全に行なうことを目的としています。IRRは米国のMerit等が中心となって運営しています。詳細はhttp://www.ra.net/RADB.tools.docs/.databases.html等を参照して下さい。
現時点では、JPNIC自体はこの運用に関与していません。しかし、IRRに経路情報を登録していないと、経路を受け取らないASがいるなど、運用上の不都合が実際に発生するようです。詳細については、接続されるAS等にご相談下さい。
割り当て
1997年7月まで日本でのASの割り当てはJEPG/IPが行なってきましたが、現在はJPNICがこれを引き継いでいます。ASはIPアドレスと同様にIANA(InternetAssigned
Number Authority)で管理されており、JPNICはIANA→APNIC→JPNICという階層のもとで割り当て業務を行っています。
したがって割り当て済みのASに関する情報はAPNICに転送され、そこのデータベースにも登録されます。
経路情報の交換はASの間で行なわれているため、the Internetで経路情報の交換をする必要がある場合にはASの割り当て対象となります。なお、ASの数は有限であるため、実際に使用される場合にのみJPNICではASの割り当てを行なっています。
ASの割り当てについてはRFC1930というガイドラインがあり、日本語訳(http://www.nic.ad.jp/jpnic/ipaddress/rfc1930-jp.txt)もありますので、こちらも参照して下さい。
申請
ASの申請件数は月数件程度と少ないこと、申請ごとに技術的な条件が大きく異なっていること等から、現在のところすべての申請はJPNIC
IP+AS WGで個別に審査しています。申請に当たっては、query@ip.nic.ad.jpまでメールでご連絡下さい。
過去の実績では申請をいただいてからおおむね7日間に2回程度のやりとりがあって、割り当ての可否が決定されています。やりとりの主な目的は、実際にASを使用されることを確認することです。また、APNICのデータベースの登録に必要な情報もご連絡いただきます。これらの過程で、計画されている接続構成などを連絡していただく場合もあります。お送りいただいた情報は、JPNIC内での審査のみに使用され、他に漏れることはありません。
データベース
現在ASに関するJPNICのデータベースは作成中です。すでに割り当てられているASの情報などを取得したい場合は、ftp://ftp.nic.ad.jp/jpnic/ipaddress/as-numbers.txtをご利用下さい。
APNICに登録されている内容については、whois.apnic.netの whoisデータベースをご利用下さい。