ニュースレターNo.12/1998年12月発行
2.最新トピックス
2.4 ネットワークサービスのORドメイン名からNEドメイン名への移行について
JPNICでは、1996年11月にネットワークサービスのためのドメイン名としてNEドメイン名を新設し、それまでORドメイン名を利用していたネットワークサービスに対して、NEドメイン名への移行をお願いしました。その際に、NEドメイン名に移行するネットワークサービスに対しては、1999年3月末日まで新旧両方のドメイン名の併用を認めることといたしました。JPNICからのお願いを受けて、451のネットワークサービスから、NEドメイン名への移行申請を受け取りました。他のネットワークサービスは、ORドメイン名を使い続けることを選択しました。JPNICとしては、それぞれの判断を尊重しています。
新旧両ドメイン名の併用期間の終了まで1年余りとなった1997年末ごろから、JPNICでは併用期間終了後の扱いを検討してきましたが、その結果1998年4月に、新旧ドメイン名の併用期間を当初の予定通り1999年3月末日をもって終了する旨のアナウンスを行ないました。このアナウンスを受けて、複数のネットワークサービス提供者から、NEドメイン名への移行は長い時間のかかる作業であり、1999年3月末日をもって併用期間を終了した場合、届かなくなる電子メールが大量に出るなどの混乱が予想されるという理由から、JPNICに対して併用期間延長の要請がありました。
JPNICでは、この要請を受けて、併用期間の扱いについて再検討することとしました。再検討においては、次の2点を基本的な考え方として対策を検討することになりました。
- 併用期間を無制限に延ばす結果になることは避けたい
- JPNICからの移行のお願いに協力下さったネットワークサービスに過度な負担を強いることは避けたい
この2つの原則をもとに対策を検討した結果、併用期間延長の効果がある(具体的には、併用期間終了時の混乱が小さくなる)ことを確認したうえで、併用期間の延長を個別に認めるのが妥当という結論に至りました。またこの問題に関して、JPNICからインターネットユーザに対して積極的に広報活動をしていく必要性があると判断しました。
具体的なアクションとして、1998年10月5日に、併用期間の延長を希望するネットワークサービスに対して、新旧ドメイン名の利用状況調査をお願いしました。また、ORドメイン名からNEドメイン名への移行作業を進めており、旧ドメイン名を一律新ドメイン名に置き換えてよい準備ができているドメイン名のリスト作成への協力をお願いしました。後者のお願いに対しては、10月末日の締め切りまでに約50のネットワークサービスから回答が寄せられています。JPNICでは、このリストを使って、ネットワーク管理者や一般ユーザに対して、メイリングリストやアドレス帳の書き換えをお願いする広報活動を行なうことを計画しています。
JPNICにおいては、ネットワークサービスのORドメイン名からNEドメイン名への移行を円滑化するためにできる限りの配慮をしていきたいと考えておりますので、関係各位のご協力をお願い申し上げます。