ニュースレターNo.12/1998年12月発行
2.最新トピックス
2.8 JPNICのwhoisによる個人情報公開について
はじめに
JPNICは他国のNICと同様、割り当てたドメインやIPアドレスについて割り当て先の名前・住所・技術担当者などの情報を公開しています。一般にこういった情報の公開をNICはwhois(フーイズ)と呼ばれる方法で行なっています。なお公開に当たってはネットワーク運用以外の目的での使用を禁じています。
割り当て先担当者の氏名・住所・電話番号などを公開していますから、個人情報保護の観点からの配慮が必要となります。以前はそれほど問題とはならなかったのですが、インターネットの普及・国内外での個人情報保護の流れに伴って公開方法について再考が必要になっています。
ここではwhoisによる個人情報公開についてJPNICで行っている検討内容を紹介します。
1.データベース公開問題タスクフォース
whoisによる個人情報公開について検討を行なう目的で'98年度いっぱいを活動期間として「データベース公開問題タスクフォース」が6月に設立されました。その活動を以下のように進めています。
1) 現状を明確に定義する
whoisのありかたを再考するには現状を明確に認識することが必要です。JPNICのwhois運用はInterNICにならう形で長年現在の状態で続いてきており、現状を述べた文章はありませんでした。
JPNICの現状認識を示す資料として「JPNICのwhoisによる個人情報公開にについて」と題する文書を作成し'98年8月にJPNICのウェブページ(http://www.nic.ad.jp/jp/topics/archive/19980824-01.html)ならびにdomain-talkメーリングリストで公開しました。
文書の内容は以下の通りです。
- 現在の方針の基になっている考え方
- 目的外使用への対応
- 個人情報公開に関して進行中のことがら
この文書はそもそも今後の議論・考察の土台となるものです。そこに述べたことがらを今後とも変えないという意図はありません。
2) 早期に対策を要する問題の検討
'98年11月現在、データベース公開問題タスクフォースはwhoisデータの組織的抜き出し防止対策を検討しています。具体的にはdomain-list-j.txtなど組織的抜き出しに使えるファイルの一般配布停止です。単に一般配布停止を実施する手続きを考えるだけでなく、配布を認める際の条件、一般配布停止に伴う不便の回避策なども検討しています。
3) データベース検討部会の今後の方向性
上記の問題の検討が終わり次第、データベース公開問題タスクフォースは個人情報公開について今後の方向性を検討します。whoisの運用にかかわる問題は本来データベース検討部会で扱うものですので、その方向性はデータベース検討部会に対して示すことになります。来年度以降は個人情報公開についてはデータベース検討部会で扱います。
2. インターネットウィーク98でのBOF開催
98年12月15日から18日まで京都で開催されるインターネットウィーク98のセッションの1つとして「whoisとプライバシー」と題するBOF(birds of a feather:非公式な話し合い・議論の場)が12月16日18:00から開催されます。興味のある方はご参加下さい。BOFの議事録を後日ウェブページに掲載予定です。