メインコンテンツへジャンプする

JPNICはインターネットの円滑な運営を支えるための組織です

ロゴ:JPNIC

WHOIS 検索 サイト内検索 WHOISとは? JPNIC WHOIS Gateway
WHOIS検索 サイト内検索

ニュースレターNo.13/1999年4月発行

1.巻頭言 “JPNICを取り巻く技術課題”

運営委員長 佐野 晋

 JPNICがインターネットの技術革新に追従し、その時のニーズを満たすためには、多くの技術課題を解決していく必要がある。ここでは、現在、重要だと考えられている3つの技術課題について述べたい。

 第1の技術的課題はデータベースである。現在、JPNICのデータベースには20万件のデータが保存されており、1999年度末には40万件程度になるものと予測されている。データベースはJPNICの業務の中核をなすもので、申請業務、DNSサービス、whoisサービスは、このデータベースをもとに機能している。信頼性と確保は重要な課題であるが、今後はスケーラビリティを確保し、国際的にどのように連携するかが大きな課題となるであろう。特に、会員との分散的な管理、他のレジストリとの連携は重要である。分散管理のためのプロトコルや、ローカル言語の扱い、各国レジストリの情報の項目の整合性などの問題を解決しなければならない。

 第2の技術的課題はセキュリティである。JPCERT/CC(*)の報告をみてわかるように、国内でも多数の不正アクセスが発生している。JPNICでも、不正アクセスについての問い合わせを頻繁に受けるようになってきた。その多くは、JPドメインからの不正アクセスやスパムメールの発信の調査または停止の依頼である。また、不正アクセスやスパムの発信元のアドレスは主要サイトでブロックされるため、このアドレスが再割り当てで第3者へ割り当てされた場合、不都合が生じるおそれがある。また、JPNICデータベースの改ざん防止対策も重要課題である。現在データベースのオンラインによる変更依頼は職員が確認することになっている。実際、不正な変更要求が送られてきたこともあるが未然に発見され防御されている。すでにオペレータによる確認は限界にきており、なんらかの認証機構の導入が緊急の課題として検討されている。

(*) http://www.jpcert.or.jp

 第3の技術的課題は次世代インターネットプロトコルIPv6への対応である。IPv4のアドレス枯渇に端を発したIPv6はプロトコルスタックとしては、ほぼ実用に耐えられる状況にあり、1999年は本格的利用に向けて動きだそうとしている。実装上の問題が解決したIPv6も、アドレス割り当て、資源管理の立場からみると、まだまだ解決しなければならない課題がある。IPv6の割り当て業務についてはAPNICやARIN、RIPE/NCCのような地域レジストリが中心となって行なわれるが、JPNICはどのように割り当てに協力するのか、現在のDNSサービスやwhoisデータベースとの関係などはまだ明確ではない。日本はIPv6について先進的に活動しており国際的なリーダシップを求められている。JPNICも同様の期待がよせられており、それに答える必要があろう。

 国際的にインターネットガバナンスを中心とする政治的な議論のなかで、JPNICはこのようなインターネット本来の技術的な問題へのアプローチを忘れてはいけない。もし、メキシコのwhoisサーバを知るために、サーチエンジンを使わなければいけないとしたら、これはレジストリとして技術的敗北である。

このページを評価してください

このWebページは役に立ちましたか?
よろしければ回答の理由をご記入ください

それ以外にも、ページの改良点等がございましたら自由にご記入ください。

回答が必要な場合は、お問い合わせ先をご利用ください。

ロゴ:JPNIC

Copyright© 1996-2024 Japan Network Information Center. All Rights Reserved.