メインコンテンツへジャンプする

JPNICはインターネットの円滑な運営を支えるための組織です

ロゴ:JPNIC

WHOIS 検索 サイト内検索 WHOISとは? JPNIC WHOIS Gateway
WHOIS検索 サイト内検索

ニュースレターNo.14/1999年8月発行

3.最新トピックス English Page

3.10 IPアドレス割り振り/割り当てに関するJPNIC体制およびポリシーの変更について -APNICポリシーへの対応 -

(JPNIC 事務局)

インターネットの成長にともなう世界の動き

 急激なインターネットの成長にともなって、インターネットコミュニティは アドレスの枯渇を遅らせる理由から、また経路情報表の項目を減らす、または増やさない努力をするためにIPv4アドレス空間についてかなり厳しい割り当て/割り振りについての規定をしています。これはIANA(現在ICANNとして再編成中) が中心となり、3つの地域レジストリが合同で執筆し、IETFで1996年に承認されたRFC2050、及びJPNICの上位レジストリであるAPNICが執筆し、現在ラストコールとして公開されているAPNICポリシードキュメントにその詳細が記述されています。

 JPNICはAPNICが設立されるよりも早い時期から運用を始めていたこと、国別レジストリとして独立した運営をしていたことなどの理由で、JPNICのポリシーはAPNICのそれと必ずしも同じではありませんでした。しかしながら、最近APNICはこのポリシードキュメントの公開に合わせて割り当て、割り振りについてのチェックが厳しくなって参りました。そのためJPNICも世界の動向に歩調を合わせる方向で業務を修正する必要がでてきました。

JPNIC の対応

 JPNICはこの機会に現在使用されているドキュメントを全て見直し、IPアドレス業務もAPNICのポリシーに擦り合わせて行く形で少しづつ変えて行くことになりました。現在の予定では、申請フォームを含む新しいドキュメントの公開は今年の9月頃に、そして新ルールの全面施行は来年の1月を想定しています。

 とは言うものの、現行のままではJPNICがAPNICからアドレスの割り振りを受けることができなくなったり、受けられても遅延する可能性が出てきたため、JPNICでは現在のルールを変えない範囲内で少しづつ審議の方法を変え始めています。現在のルールでは総アドレスの量が/21を超える割り当てをするときは、その前に審議が必要である、ということになっています。この審議の時に少しづつ既存の、また将来のアドレスの使用方法の正当性を示す情報を集めるようになって来ています。

審議方法の変更

 これにともなってJPNICでは審議情報の検討を基本的に事務局の専任職員であるIPアドレス担当者が行なうようになり、部会メンバーは技術的なアドバイスを必要に応じて行なう諮問機関としてのみ審議に関わることになりました。という訳で、部会のメンバーは審議を申請された会員名、顧客名などを目にすることがなくなりますが、目まぐるしく変って行くインターネットの技術、機器のスペックなど、事務局員が網羅できない知識を補うかたちで協力します。もちろん、部会のメンバーの皆様には必ずNDA(守秘義務同意書)に署名を頂いており、はっきりと「公開された」事項以外の事柄は開示しない旨を確認しております。

 では「既存、及び将来のアドレス使用方法の正当性を示す情報」とはどのようなものでしょうか。ISPとしてのインフラに関しての情報としてはサブネットごとのリマーク(簡単なメモ程度の説明)、サービス内容(ダイアルアップ、バーチャルホスティング、専用線、コロケーション、等)現在使用している機器、特にアクセスサーバの機種、ポート数(使用するアドレスの具体的な数)、これからの機器設置計画、もしアクセスポイントを持って複数の拠点でネットワークを運用している時はそれぞれのアクセスポイントごとにこれらの使用機器、これからの設置計画、そのほかアクセスポイントを結ぶネットワークのトポロジマップ、ネットワーク構成図などもご提出頂けるとネットワークのアドレス要求が明確になります。

 BCP(ベストカレントプラクティス)と呼ばれる今時点の最良の方法が推奨されています。これにはダイアルアップサービスの動的アドレス割り当て、バーチャルWebにHTTP/1.1を使ったアドレス割り当てなどが含まれ、条件が合えばIP unnumberedも推奨されています。これはどうしてもこれを使用しなければならない、というものではありませんが、特にダイアルアップに静的アドレスを振っているような場合は、JPNICがAPNICからの割り振りを申請した際に注意や指導を受けることが考えられます。

 ISPのインフラではない場合も基本的に必要な情報はサブネットごとのリマーク、使用機器の種類、数、その増え方、拠点の数、それぞれの設備、ネットワークのトポロジ等が必要です。よく受ける問い合わせに、「十分な情報というのは何と何ですか?」というものがあります。このような質問には「JPNICの担当者が御社のネットワークとそのアドレス要求について明確に理解できるくらい」の情報であるとお答えしております。これは曖昧であるという指摘もありますが、審議を申請されるケースはひとつひとつ使用される用途も機器もソフトウエアも違っており、ひとつのマニュアルで表すことができない、という難しさがあります。しかしながら、今後はできるだけ明確な条件を示せるように改善して行く方向で検討致します。そしてこれはAPNICを始め、ヨーロッパのRIPE NCC、アメリカのARINも同じスタンスです。それは審議時間に関しての質問でも同じようなことがいえます。IPアドレス担当者が十分にネットワークとアドレス要求を理解して、正当であると判断したところで承認されることになります。

世界のインターネットの中の日本

 何故今更JPNICがこのような細かい情報を集めなければならないのかを考えるにあたって、世界の状況を見てみる必要があります。最近の経路制御表の項目は60,000前後と言われています。そして、米国Meritの調べによると、広告されているプレフィクスは/24が圧倒的に多いことがわかっています。このためにレジストリは割り当てにきちんとクラスレスを使用してアドレスを必要なだけ、なるべく集成できるかたちで割り当てるようにポリシーを作ろう、ということになりました。そして現在ある3つの地域レジストリが基本的なところで整合を保ち、全てのインターネットユーザにとってなるべく公平で一貫したポリシーの製作が始まったのです。これらのことが声高に叫ばれるようになり、日本でもその歩調を世界に合わせることになったのです。

 JPNICをはじめ、レジストリはどこもインターネットをコントロールすることはできません。つまるところ、大規模なバックボーンをもち、経路を制御しているISPにしかそれはできないのです。このことは米国のあるISPが/19より長いプレフィクスを流さない、というポリシーを決めた時の状況を思い出すと明らかです。しかし、レジストリは限りあるインターネットの資源をできるだけ効率よく、公平にユーザに提供できるためにどうしたら良いのかを考える役割と責任を負って努力をしています。

 これからも皆さんのご理解とご協力をお願い致します。

このページを評価してください

このWebページは役に立ちましたか?
よろしければ回答の理由をご記入ください

それ以外にも、ページの改良点等がございましたら自由にご記入ください。

回答が必要な場合は、お問い合わせ先をご利用ください。

ロゴ:JPNIC

Copyright© 1996-2024 Japan Network Information Center. All Rights Reserved.