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ニュースレターNo.15/1999年12月発行

2.JPドメイン名の登録数 10万ドメインを突破 English Page

2.2 JPドメイン名の登録数10万件突破に寄せて

1993年度~1995年度 主査 神山 一恵(NTTソフトウェア(株)/JERIC)

私がドメイン名割り当てグループ主査をつとめさせていただいた1993年度から1995年度の3年間は、100校プロジェクトの開始、商用インターネットサービスの誕生と、今考えてみると今日のインターネット社会の基礎が作られた変化の激しい時期でした。その中で、我々がもっとも力を注いだ地域型ドメインの導入当時を振り返ってみたいと思います。

地域型ドメイン導入検討のきっかけは100校プロジェクト開始の発表です。従来のままACドメインに収容すると、全国の「東小学校」「第一中学校」など多数の重複申請が懸念され、また数的にも年間の申請が200件足らずのころに短期間で100という数字は相当のインパクトがありました。また、商用サービス開始にともないさまざまな地域密着組織のドメイン割り当ての需要への対応も課題となっており、米国で始まったUSドメインを参考に、地域型ドメイン導入によってなんとか事前にネームスペースを広げておこうと考えていました。さらに技術的にもACやCOへの偏りによってドメイン名検索に時間がかかるなどの影響が懸念されていました。そして日本地図の「かな」索引とにらめっこし、村の名前の重複問題やスペリングの問題に悩み、それが夢にまで出てくる日が続き…、1年間数々の議論・検討を重ね、1993年12月から1年間パイロットプロジェクトを経て1994年12月に本格導入に至ったのです。とかく「長い」ことで不評を買う都道府県名フルスペルでの導入には、近い将来Web技術の発展等により長いドメイン名を気にしなくても自由にインターネットを利用できる時代が来るに違いないとの期待感もありました。

それから6年。懸念されていた偏りによる遅延の技術的問題はコンピュータの性能と回線速度の飛躍的な向上が解決しています。残念ながら、「長い」問題の解消までには、現在もあと一歩というところでしょうか。結局その問題がもっとも深刻だった(もちろん、それだけが理由ではないと思いますが)学校については今年EDドメインが誕生することとなりました。そして、地域型は当時の思惑とは幾分ずれてはいるものの、地方公共団体で主に有効活用されているようです。

それにしても10万件という数は当時からは予想もできない数字で、ご担当の皆様のご苦労はいかばかりかと思いますが、JPNICには今後も従来の枠にしばられることなく時代に合った利用しやすい「名前」を育む役割を期待したいと思います。

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