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ニュースレターNo.16/2000年4月発行

4 JPNICからのお知らせ English Page

4-2 WHOISサービスによる情報公開について

WHOIS サービスの目的

インターネット上では、ネットワークの接続性に関する技術的なトラブルに限らず、SPAMなどの迷惑メールや、一度に多くのメールを送りつけるメール爆弾といったいやがらせ行為、さらにシステムの弱点を突いて侵入するクラッカーによる被害など、さまざまなトラブルが発生しています。また、最近ではドメイン名と知的財産権に関連する話題なども取り上げられています。このようなさまざまなトラブルを解決するためにはどのような手段を取ればよいのでしょうか。

インターネットは、それぞれのネットワークの自律的な管理のもとで成り立っている広域ネットワークです。JPNICなどのネットワークインフォメーションセンター(NIC)やインターネットレジストリ(IR)は、資源の割り当てや登録を行う機関であり、インターネット全体を集中的に維持・管理する機関は存在しません。

このような状況の中で、ユーザーがトラブルを自律的に解決するための情報源として、JPNICはWHOISサービスを提供しています。ネットワーク間のトラブルを解決しようとするユーザーは、相手ネットワークの連絡先をWHOISサービスで検索することができ、特別な運用管理機関を必要とせずに、ユーザー同士の直接のやりとりによって自律的にトラブルを解決することが可能となっています。

また、新しいドメイン名を登録しようとする場合、希望するドメイン名がすでに登録されているかどうかを調べるためにもWHOISサービスは広く利用されています。

この二つの目的を満たすためにNICがWHOISサービスを提供することは、インターネットにおいて世界的なコンセンサスとなっています。

さらにJPNICでは登録業務が規則通り正しく行われていることを担保するためにも、登録した情報をWHOISサービスを通してインターネットコミュニティに公開しています。

社会情勢の変化

インターネットは常に新しいサービスの提供基盤となりながら拡大を続けています。安価な専用線サービスやホスティングサービスなどが普及し、今までエンドユーザーであった個人ユーザーが情報発信側になるなど、利用形態も変わってきています。この流れの中で、ドメイン名の登録やIPアドレスの割り当てを受ける対象も、学術研究機関や企業などの組織に限らず、個人ユーザーである場合が多くなってきました。

JPNICでは前節で述べた目的を満たすために、資源利用者の情報、連絡先の情報をWHOISサービスとしてオンラインで提供してきました。個人ユーザーによる情報登録の増加は、割り当て・登録情報の中に個人の住所や電話番号などが登録されることにつながりますが、これらがWHOISサービスでオンライン参照可能となったことで、トラブルを引き起こすことが多くなってきています。

JPNIC における情報公開ポリシーの変更

JPNICでは、これまで「インターネットの自律的な発展に由来する原則」として情報公開を行ってきました。しかし、インターネットの個人ユーザーが急増している近年の状況と、個人情報保護に関する国内外の社会的動向は、JPNICの情報公開の形に対して見直しを要求しています。

この問題を検討するためにJPNICでは「WHOISデータベースにおける情報公開問題検討タスクフォース(DBPI-TF)」を設置しました。そして、NICとしてどのようなポリシーに基づいて情報提供サービスを行うべきであるのか、また、公開すべき情報は何で、非公開とすべき情報は何であるのかを議論してきました。

DBPI-TFでは1998年の夏に中間報告として「JPNICのWHOISによる個人情報公開について」[*1]という文書を公開しましたが、さらに検討を重ねた結果、個人情報保護に関する社会的要請にこたえるためには情報公開ポリシーを修正することが必要であるとの結論に達しました。

基本原則

JPNICにおける情報取り扱いの基本原則は以下のとおりです。このニュースレターが皆様のお手元に届く頃には、これに基づいた新しい情報公開ポリシー文書がJPNICのWEBなどで公開されている予定ですので、詳細につきましてはそちらをご覧ください。

情報の収集に関するポリシー

JPNICはドメイン名の登録規則、あるいはIPアドレスの割り当て規則に示された情報を、それぞれの規則に記載されている目的のために、登録者あるいは割り当て者から収集する。また、収集したデータはJPNIC内部では業務上の目的のためにのみ使用し、その他の目的には使用しない。

情報の公開に関するポリシー

何を目的として、誰に、どの情報をどのように公開するかを示す。情報公開にあたって、目的を達成するために必要な情報のみが適切な手段において提供される必要がある。

WHOIS出力の変更

新しいポリシーに従って、WHOISの出力形式が変更されます。個人情報保護と適切な情報公開という観点のもと、今まで公開されていた項目のいくつかが表示されなくなります。具体的な変更点、スケジュールにつきましてはJPNICのWEBで公開されているアナウンスをご覧ください。

国際連携

さる2月27日に、APTLD (Asia-Pacific Top Level Domain Forum)のWorkshopが韓国のソウルで開催されました。これはAPRICOT2000の中で行われたものですが、ここでJPNIC DBPI-TFにおけるこれまでの議論と、今回の新しい情報公開ポリシーについて発表を行い、各国のNIC、レジストリ、レジストラ関係者と議論を行いました。

今後も各国関係者と連携を取りながら、継続的に議論を進めていく予定です。

おわりに

個人情報保護を踏まえた適切な情報公開とは何か、という問題は、今後ますます増大するであろうインターネットの個人ユーザーが、安心してインターネットを利用するためには不可避の問題です。JPNICではこの問題に対する議論の結果として、今回のポリシーの変更を行うに至りました。インターネットコミュニティの皆様のご理解とご支援をお願いいたします。


[*1] 「JPNICのWHOISによる個人情報公開について」
http://www.nic.ad.jp/jp/topics/archive/19980824-01.html

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