ニュースレターNo.18/2000年12月発行
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5-6 APNIC Open Policy Meeting報告
2000年10月24日から10月28日まで、APNIC Open Policy Meetingがブリスベーンにて開催され、APNICトレーニング、各種のSIG、そしてAPNIC総会などが行われました。
APINC会員、APNIC配下のNIR、RIRなどが主な出席者ですが、基本的には会員以外にもオープンなかたちをとっています。
APNICトレーニング
APNICに対して申請を行う会員を対象にトレーニングが実施されました。こちらは会員のポリシーへの理解、よりスムーズな申請を手助けするものとして、APNIC Open Policy Meeting開催時に限らず、会員の希望により、実施することが可能です。
各種SIG
SIGでは、コミュニティからの意見に耳を傾けるということで、各セッション(Address Policy、Routing, Whois database、IPv6)のテーマごとに会員から意見が提案され、出席者でそれについて検討するかたちになっています。今回は時間の関係上見送りとなったものも含め全部で23の提案が出され、会場から積極的に意見、質問などが投げかけられた活気のある意見交換の場となりました。
SIGでのプレゼンテーションの詳細は以下のURLより参照可能です。
http://www.apnic.net/meetings/
JPNIC IP-WGからは今回以下の発表を行いました。
Address Policy SIG
「ISPとエンドユーザへの割り当てを区別する」 奥谷 泉氏
現状、多くのインターネットレジストリーではISPへの割り当てにおいて、ポリシーに記載されているように利用率を基にではなく、実績ベースで判断している。この現状の運用をポリシーとして書面にて反映させることが提案されました。ISPとエンドユーザのネットワークの定義をより明確にすることが必要ということで検討事項となりました。
「割り当て審議の大原則の明文化、共通化」 廣海 緑里氏
前回のSIGでの提案にひきつづき、ポリシーとは別にレジストリー間で審議における共通の運用ガイドラインを交換するためにワーキンググループかメーリングリストをもうけることが提案され、メーリングリストにて検討を続けるということでコンセンサスを得ました。
Whois database SIG
「APNIC データベースにおける個人情報保護」 前村 昌紀氏
JPNICにおけるDBPIのとりくみを紹介し、APNICでも同じ内容の検討を提案。ARINではISPの選択として一部実施しているとのコメントなどがありましたが、情報開示の手順、オーストラリアと日本の状況の違いなども検討に入れる必要性などがとりあげられ、今回は検討事項となりました。
Routing SIG
「IRRの重要性」 近藤 邦昭氏
APNICでIRRを実施する意義、JPNIC IRR研究会の説明があり、APNICでもIRRとしてデータベースを準備することを検討しているとのコメントがありました。
IPv6 SIG
「JPNICのIPv6への取り組み紹介」 荒野 高志氏
JPNICにおけるIPv6の取り組みが紹介されました。
その他
その他議論を呼んだプレゼンテーションとしてはAPNICより、APNICのPA割り振り条件の明確化が提案されましたが個々の条件をより具体的に定義する必要があるということで検討事項となりました。
また、静的な割り当てを希望しているネットワークに対して/48のIPv6アドレスを一律に割り当てることが提案されました。JPNICも提案に賛成を表明し、SIGでのコンセンサスは得られましたが実際にどういうかたちに適応されるかは今後見守っていく必要があるでしょう。
APNIC総会
前回同様、APNIC、ARIN、RIPE NCCより現状報告があり、SIGでの発表内容について、挙手によるコンセンサスがとられました。
今回の総会においての大きな議題はAPNIC EC、そして ICANN ASO ACの選挙でした。
APINC EC(理事)としてはJPNIC IP-WGの代表として前村 昌紀氏が当選しました。ASOのACはKRNIC Seung Ming Lee氏に決定となりました。
また、SIGで提案された内容に対して継続的に検討する必要性について議論が交わされ、今回はメーリングリストにて議論を続けていくかたちになりました。
次回のAPNICミーティングはAPRICOT開催時にクアラルンプールにて行われる予定で、今回同様、興味のある方はAPNIC会員でなくても出席することが可能となっています。