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ニュースレターNo.21/2002年7月発行

第3回ICANN報告会レポート

第3回ICANN報告会が、JPNICおよび(財)インターネット協会の共催で4月24日、東京都千代田区の日本教育会館において行われました。この報告会は、3月10日から14日までアフリカ・ガーナの首都アクラにおいて開催されたICANN会議の主な決議内容等についてのレポートと、「ICANN改革」に関するパネルディスカッションという2部構成で行われました。

報告会の前半では、はじめにJPNIC職員の入交尚子によるICANNアクラ会議における決議の報告があり、次に(株)日本レジストリサービス(JPRS)取締役、堀田博文氏から「ICANN改革案」の概要についての説明が行われました。

アクラ会議での主な決議事項は、以下の5点です。

  1. 2001年11月にALSC(一般会員制度研究委員会)から出されていた報告書について、「一般ユーザーがICANNの仕組み作りに参加できるシステムは保持すべき」との見解が示されました。
  2. 2 ICANN改革に関して「発展と改革に関する委員 会」を設置し、2002年5月31日までにICANN改革の枠組みとスケジュールを理事会に提出することが決定されました。
  3. .orgの再委任募集プロセスについては、次回ブカレスト会議までにレジストリ応募者の検討を行い、事務総長から理事会へ報告書が提出されることが決定されました。
  4. 国名などが凍結されていた.infoドメイン名の取り扱いについては、各国政府に解放することが決定されました。
  5. LACNICが中南米地域の新RIR(地域別インターネットレジストリ)として暫定的に認定されました。これで、アジア太平洋地域のAPNICやARIN、RIPENCCに次ぐ四つ目のRIRとなります。

この他にも、.proの認定やセキュリティ委員会の委員会規定承認などが決議されました。

続いて説明が行われた「ICANN改革案」とは、ICANN事務総長のスチュアート・リン氏が提唱しているもので、設立から3年経つ現在、その責務を達成できていないICANNのあり方や方向性を根本から見直す、組織構造・意思決定プロセスの改革案です。この改革案の中で、使命を達成できていない理由としては、重要な関係者の参加が少ない、プロセスの過度な重視、資金不足という3点が挙げられており、理事会、資金確保、ポリシー策定の組織構造、透明性およびプロセスについての改革案が示されています。

改革案についての説明に引き続き、第2部では、堀田氏がモデレータとなり、会津泉氏((株)アジアネットワーク研究所代表)、荒野高志氏(ICANN ASO Address Council)、加藤幹之氏(ICANN理事)、坪俊宏氏(JPNICドメイン名担当理事)、村井純氏(ICANN理事)(以上50音順)の5名をパネリストに迎えて、ICANN改革をテーマに議論が行われました。

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ICANN理事の加藤氏(左)、村井氏(右)も参加。

ここでは、各パネリストからICANN改革に関する所感を頂いた後、ICANNのミッションとは何か、理事会の構造/ポリシー策定の構造は適正か、といった問題を中心に意見が交わされました。

この議論の中で、理事会に関しては「必要最低限の意思決定をするためのリーダーシップがとれる人物で構成すべき」「各理事が自己の専門以外の分野でも等しく意思決定に参加することの問題」「IETF等とのコーディネーションが重要であり、その点で多面的視点が重要である」といった理事の構成に対する意見や、「世界を5つの選挙区に分割しての理事選出では、アジア・太平洋地域で1区域となっており、域内の多様な意見を反映させるには大き過ぎる」「理事会の構成案だけを取り上げて議論するのではなく、改革案を包括的に検討すべき」などの意見が出されました。

また、ICANNへの政府の関与の方法に関しては「政府による理事選出を資金提供と引換えと考えた場合の問題」「各国政府の多様性を正しく反映できるのか」「各国の利害による政府間の対立の可能性」といった問題点が指摘される一方、「政府にはccTLD契約の締結という、他に果たすべき役割がある」という意見や、「資金提供はしてもらうが、政府が選出する理事は民間人なので譲歩できるものであり、実現可能」という肯定的な意見も聞かれました。

ここでの議論は、一つの結論を出すという位置付けではなく、それぞれの立場から、それぞれの考えを表明していただくことを目的としていましたので、さまざまな立場や考え方が存在することが再確認できるものであり、また、それだけにICANN改革が難しい問題であることを実感できるものでした。

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左/ICANN改革案について説明する堀田氏。
右/パネルディスカッションの様子。
  左より堀田氏、坪氏、荒野氏、会津氏、加藤氏。

ICANN改革についてJPNICとしては、JPRSとの共同で「ICANN改革に関する意見書」の提出をICANNに対して行いました。JPNICでは、今後もこのようにICANNの活動に積極的に参加していくと共に、皆様への情報提供をタイムリーに行っていきたいと考えています。

参照URL

第3回ICANN報告会配布資料
http://www.nic.ad.jp/ja/materials/icann-report/20020424-ICANN/
ICANN改革に関する情報
http://www.nic.ad.jp/ja/icann/reform/
ICANNアナウンスメントの日本語訳(随時更新)
http://www.nic.ad.jp/ja/icann/

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