ニュースレターNo.21/2002年7月発行
ICANN改革に対する意見書の提出について
ICANN改革に関する論議は、2002年2月24日に発表された、ICANN事務総長であるスチュアート・リン氏による「President's Report : ICANN - The Case for Reform」を契機として本格化しました。ICANN理事会内に設置されたCommittee on ICANN Evolution and Reformは、4月10日より一般からの意見募集を開始し、5月31日付けでリン提案や提出された意見などを踏まえての見解を発表しました。
この流れの中でJPNICは、4月29日に(株)日本レジストリサービスと共同で、「ICANN改革に関する意見書(Comments on ICANN Reform)」をICANNに提出しています。
この意見書では、ICANN改革を考える上での基本事項として、まず次のことを述べています。
- インターネットガバナンスにおいて重要なことは、一つの組織に権限や責任を集中させずに、複数の組織が連携して権限と責任を分担することであり、ICANNにとって重要なことは、インターネットコミュニティ全体がIANA機能を持つICANNという"権威"を信任するという状況を作ることである。
- ICANNは民間セクターによる運営を基本としており、今後も米国政府からの完全移管を目指すべきであり、各国政府はICANNの中心的なプレーヤーではなく、民間セクター中心の運営をサポートするという役割に徹するべきである。
- ICANNは自らのミッションを再定義して、その達成に専心すべきであり、ミッションが達成できる範囲でできる限りミニマムな組織とすべきである。
- 改革のソリューションは複数存在するが、一定期間経過後にその見直しを行うことを前提として、一つのソリューションを決めて進めることが大切である。
また、同意見書では、ICANNのミッションとして、米国政府から民間組織への完全移管という、組織の離陸期に必要となるミッションと、インターネットの名前とアドレスの割り振りシステムのグローバルなテクニカル・コーディネーションという、本来的に達成しなければならないミッションを定義しています。更にこのミッションを前提として、理事会の構成比や選出方法、政府からの資金確保やサービス料などについて、リン提案に対応する形での意見表明を行いました。
参照URL
- ICANN改革に関する情報
- http://www.nic.ad.jp/ja/icann/reform/