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ニュースレターNo.22/2002年12月発行

ICANNブカレスト会議報告~ICANN改革~

2002年6月24日から28日まで、 ルーマニアの首都ブカレストでICANNブカレスト会議が開催されました。 この会議での主要なテーマとなった「ICANN改革」について、 ご説明します。

ICANNの発展と改革に関する委員会(Evolution and Reform Committee:以下ERC)は、 ICANN事務総長であるStuart Lynn氏による改革案発表(リン提案、 2月24日発表)以降寄せられたさまざまな意見を検討した結果として、 ICANNブカレスト会議を目前に控えた6月20日、 改革に向けての青写真(A Blueprint for Reform:以下「青写真」)を発表しました。

この「青写真」では、 リン提案にあった各国政府による理事の選出、 および各国政府による資金提供はなくなり、 政府による関与は弱められています。 政府諮問委員会(GAC)は指名委員会に代表を1名選出し、 理事会、各支持組織の評議会、 各諮問委員会に投票権のないリエゾンを1名ずつ選出するとしています。

理事会については、 一般投票によるAt-Large理事の選出がなくなり、 指名委員会が選出する8名、 各支持組織から2名ずつ選出される6名、 および事務総長から成る投票権のある15名で構成され、 理事会の投票権のないリエゾンとして、 各諮問委員会とIAB/IETFが1名ずつ、計5名を選出するとしています。

理事や評議会メンバーを選出する指名委員会は、 リン提案での理事による選出ではなく、 各部会が選出する19名による構成となっています。 支持組織では、 ドメイン名支持組織(DNSO)がgTLD支持組織(GNSO)とccTLD支持組織(CNSO)に分割されます。 プロトコル支持組織(PSO)はなくなり、 その機能は技術諮問委員会(TAC)に含まれます。 また、ポリシー策定においては、一般参加の促進や、 オンブズマンの設置等によるオープンで透明性のあるプロセスの推進を勧告しています。

ICANNブカレスト会議では、 この「青写真」を中心にICANN改革の議論が行われました。 ccTLD部会では「青写真」の多くの点を支持しながらも、 ICANN改革のプロセスが性急である、 ccTLDによる指名委員の選出を増やすべきである、 gTLDとccTLDとでは資金確保モデルが異なっている、 支持組織の名称はCCSOとしたい、 といった意見が出されました。 資金提供に関しては、 IANA機能等のccTLDにとって必要とされるサービスについては積極的に行う、 としています。 また、ccTLD部会とGACとのワークショップにおいて、 両者は合同ワーキンググループを組織することに合意しました。

その他の部会からは、 ICANNと契約関係にある組織により高い地位を与えるべきである、 個人ユーザーからのインプットが含まれていない、 指名委員会は公益を反映させる形にすべきである、 評議会メンバーを指名委員会が選出すべきではない、 多様性をより反映させるために各支持組織からの理事選出を3名とすべきである、 などの意見が聞かれました。

また、At-Large活動を推進しているグループは、 更なる透明性と広範な参加の実現を求め、 個人ユーザー参加の場としての新たなAt-Large制度の導入や、 At-Large諮問委員会・At-Large運営委員会の設置を提案しています。

各部会やパブリックフォーラムでの議論を経て、 6月28日に行われた理事会では「青写真」が大筋において採択され、 ERCがICANNコミュニティの参加を求めつつ「青写真」に基づいた移行作業を監督すること、 および、移行実施に向けてERCは、

  • ICANN組織のすべてにおいて地理的・文化的多様性を保証する具体策の考案
  • ユーザーコミュニティからの幅広い参加の場としてのAt-Large諮問委員会の設置についての考察
  • 指名委員会が各インターネットコミュニティの代表でバランス良く構成され、運営されることの保証
  • 重要なインフラ事業者や技術コミュニティとの効果的な協力
  • ICANNのポリシー策定において、透明性のあるボトムアップなプロセスを強化・促進することの保証

を考慮するということが決議されました。

写真:ICANN会議
ICANN会議の様子。ブカレストのホテルにて。

参照URL

ICANN改革について
http://www.nic.ad.jp/ja/icann/reform/

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