ニュースレターNo.22/2002年12月発行
MINC理事に就任して
国際ドメイン名の普及を推進する組織であるMINC理事に就任した、 JPNIC理事の小西和憲より、今後の抱負などを語ってもらいました。
後藤副理事長の後任として推薦され、 国際化ドメイン名の普及を目的として2年前に設立された、 Multilingual Internet Names Consortium (MINC)の理事にこの度当選しました。 JPNIC後藤副理事長がこれまで会長としてMINCを牽引されていたのは存じていましたが、 私自身は理事就任後に日本への期待の大きさを認識した次第で、 今はこの重圧を感じています。
国際化ドメイン名は、1998年にシンガポールで考案・試作され、 アジアのネットワーク団体Asia Pacific Networking Group (APNG)により、検討・促進がなされました。 さらに、IETFへ働きかけ、作業部会を創設させチェアを送り込み、 アジア生まれの技術を国際標準規格とするよう、 アジアの関係者が協力・活動してきたアジア主導のテーマです。
IETFがプロトコルの標準化を担当するのに対し、 MINCは国際化ドメイン名の啓蒙・管理・運用面での国際協調を推進する団体です。 ICANNの機能と似通った点もあり、 ある人はICANNとの機能競合を強調しますが、私の理解では、 ICANNが「官」に近い団体であるのに対し、MINCは「民」が集い、 ICANNとは相互補完する国際機関です。
わが国でも、国際化ドメイン名の普及も念頭に、 「官」に近いJPNICから「民」である会社「(株)日本レジストリサービス(JPRS)」を誕生させ、 さらには、民間企業の活力を結集する団体「日本語ドメイン名協会(JDNA)」を設立し、 普及に向けた活動を展開してきました。
長く待ち続けてきたIETFにおける国際化ドメイン名の標準化も、 2002年10月末にやっと「標準化待ち」のフェーズに移行できました。 まもなく確実に正式な標準化が達成されるのです。 つまり、プロトコルの標準化は目処がつきましたので、 これからは「啓蒙・管理・運用面での国際協調」が重要となったわけです。
国際化ドメイン名への理解がまだ充分でない関係国への啓蒙、 文字を簡略表記するために生まれた異体字の管理、 システムの相互接続性等について等、JDNAやJPRSの協力も得て、 さらにICANNとも相互補完して、 国際化ドメイン名ビジネスの発展に貢献できるよう、 関係者の協力も得て努力したいと存じます。
参照URL
- MINC
- http://www.minc.org/