ニュースレターNo.23/2003年3月発行
国際化ドメイン名RFC発行
JPNICが長らく標準化活動に取り組んできた、国際化ドメイン名(Internationalized Domain Name; IDN)のRFCが2003年3月7日に発行されました。
2003年3月7日、IDNの技術仕様を規定するRFCが3本発行されました。IDNはドメイン名を表現する文字として、従来の英数字に加え、漢字や仮名などの使用も可能とする技術であり、日本語ドメイン名はIDNの技術に基づいて実現されます。
JPNICは、1999年5月にIDNの調査研究を開始するとともに、2000年からはIETFに設立されたIDN WGに積極的に参加してきました。IDNを実現するうえで、「インターネットの基盤システムであるDSNには、極力影響を与えないこと」「インターネットの安定した相互接続性を維持すること」が極めて重要であると考え、標準化作業を推進してきました。今回RFC化されたIDNの技術仕様は、JPNICが取り組んできた活動趣旨が反映されたものとなっています。
今回発行されたRFCの概要は以下のとおりです。
・RFC3490 IDNA(Internationalizing Domain Names in Applications)
国際化ドメイン名のアーキテクチャと処理手順を規定します。国際化ドメイン名で使用できる文字はUnicodeで規定された文字(一部禁止文字を除く)とし、国際化ドメイン名の処理は、アプリケーションプログラム内部で規定の順序に従ってNAMEPREPの実施とPunycodeへの変換を行うこととしています。また、Punycodeを他の文字列と区別するための識別子(ACE Prefix)として"xn--"を規定しています。
・RFC3491 NAMEPREP(A Stringprep Profile for Internationalized Domain Names)
国際化ドメイン名は国際化された文字列であり、アプリケーション内部でドメイン名として処理するためには、適切な正規化処理が必要です。NAMEPREPは国際化ドメイン名にSTRINGPREP(RFC3454)を適用するための規定として、IDNAから指定されています。
・RFC3492 Punycode
国際化ドメイン名を英数字とハイフンの組み合わせで表現するアスキー互換表現形式の具体的な符号化・復号化アルゴリズムとして、IDNAから指定されています。Punycodeという名前はアルゴリズム考案者による造語です。
3月中旬には、IDNの参照実装としてJPNICが開発しフリーソフトウェアとして配布しているidnkitのRFC対応版(idnkit-1.0)がリリースされました。
(JPNIC 技術部準備室)