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ニュースレターNo.29/2005年3月発行

特集2:JPNICの個人情報保護法施行に向けた対応

~IPアドレスレジストリとして~

2005年4月1日より「個人情報の保護に関する法律」(個人情報保護法)が全面施行されるにあたり、JPNICとしてもこの法律に対応するために様々な取り組みを行っております。JPNICは個人情報保護法でいうところの個人情報取扱事業者に該当し、また、IPアドレスレジストリとしてWHOISによる情報公開を行っていることから、今回はIPアドレスレジストリとしてのJPNICの個人情報保護法対応についてご説明いたします。

まず、JPNICの個人情報保護法対応の基本方針としては、法令を遵守して取得した個人情報を適正に扱うとともに、IPアドレスレジストリとしての「登録情報公開の原則」にも対応していくということになります。IPアドレスの割り振り・割り当ての情報をWHOISデータベースで公開するというIPアドレスレジストリの特殊性から、WHOISによる情報公開サービスの提供にあたっては、個人情報保護法に則り、利用目的に登録情報が公開されることを明確に定義し、予め登録者の同意を得た上で情報を取得することが重要となります。

その他にも個人情報保護法に定められている個人情報取扱事業者に課せられる義務に対して、以下のような対応を行っていきます。

利用目的の特定、利用目的による制限(個人情報保護法15条・16条)

個人情報に関わらずJPNICがIPアドレス管理業務に必要とする情報の利用目的は、「JPNICのIPアドレス割り当て管理業務における情報の取り扱い等に関する規則」(以下、情報取り扱い規則)にて定めました。ここでは、申請・登録業務等で利用する以外にJPNICおよびAPNIC WHOISで情報公開を行うことを明記しています。

適正な取得、取得に際しての利用目的の通知(同法17条、18条)

JPNICが個人情報に該当する情報を取得する場合、その多くはIPアドレス管理指定事業者(以下、IP指定事業者)を通じて取得することとなります。そのため、各IP指定事業者の皆様にも、割り当て先ユーザーに対して個人情報に該当する情報がJPNICに提供されること、JPNICの定める目的で利用されることについて同意を得ていただくようにします。ただし、現在既にWHOISに登録されている情報につきましては、これまでポリシーや規則等でも定めている「情報公開の原則」に同意していただいているものとみなすことが可能と判断できるため、改めて同意の確認を取ることなく、登録者の方やIP指定事業者の皆様の手を煩わせずに対応する予定です。

データ内容の最新性・正確性の確保(同法19条)

JPNICでは、情報の更新手続きを提供すると共に、更新権限をもつIP指定事業者様に、ユーザーからの申告があった場合に、すみやかに更新手続きを行っていただくことをお願いします。これらについても情報取り扱い規則にその旨を明記しております。

安全管理措置、従業員・委託先の監督(同法20~22条)

個人情報取扱事業者としてJPNIC全体の個人情報保護方針を定め、それに基づいた内部規定の制定と従業員への徹底を行っています。特にIPアドレス管理業務においては、担当者毎にIPレジストリシステム内データへのアクセス権限の設定や、情報取り扱いマニュアルの見直しなどにより、データの安全性を高めるために配慮してまいります。

第三者提供の制限(同法23条)

取得した情報について、利用目的に定めた範囲以外で第三者へ提供することを情報取り扱い規則で制限いたしました。
なお、第三者提供とは別に、WHOIS登録者の利便性を図るため、WHOISの担当者情報を引き続き(株)日本レジストリサービス(JPRS)と共同利用することとし、情報取り扱い規則にその旨を明記し、登録者にはあらかじめご了承いただけるようにします。

公表等、開示、訂正等、利用停止等(同法24~27条)

本人からの開示請求について、その手続きを情報取り扱い規則に明記しました。また、登録された情報のJPNIC WHOISでの公開について、本人から変更を希望された場合の措置として、管理者連絡窓口に登録する担当者をIP指定事業者が代行できるようにしたり、「担当者情報」の替わりに、部署などを登録できる「担当グループ情報」を新たに設けて登録できるようにしました。また、割り当て情報の組織名などに個人名が入る場合も、IP指定事業者の判断で、割り当てを一意に識別できる名称に変更できるようにするなど、個人がJPNIC WHOISでの情報公開にあたって支障がある場合は、それを回避できるようにしております。

苦情の処理(同法31条)

JPNIC全体としての苦情対応窓口をquery @nic.ad.jpとします。また個人情報管理責任者を任命し、以下の体制を再確認することで、窓口への苦情・問い合わせに迅速に対応できるよう努めています。

この他にも、「担当者情報」の削除申請手続きを明確化したり、現在のWHOISでの公開情報の項目や内容の見直しを行い、「ネットワーク情報」、「AS情報」の[通知アドレス]と[最終更新]にある電子メールアドレスを非表示化するといった対応も併せて行っていきます。

このように、2005年4月1日以降、個人情報およびその他登録情報を安全かつ適切に取り扱うための対応を行っていきますが、今後も状況やケースに応じて柔軟かつ機動的に見直しを行っていくつもりです。その際には、IP指定事業者をはじめとする皆様の協力と連携が不可欠になりますので、十分にコミュニケーションを行いながら進めていきたいと思います。

(JPNIC IP事業部 佐藤 晋)

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