ニュースレターNo.29/2005年3月発行
新JPNIC WHOISについて
2004年11月より運用を行っている新IPレジストリシステムの実装に伴い、JPNICでは2005年3月22日より新JPNIC WHOISの運用を開始しました。新WHOISでは、従来通り、Webとコマンドラインによる検索を提供いたしますが、検索対象の情報や検索結果の表示形式が従来から変更となっておりますので、主な特徴をご紹介したいと思います。
新JPNIC WHOISの主な特徴
1)検索対象情報の追加
2)(株)日本レジストリサービス(JPRS)とのWHOISの分離
3)電子メールアドレスの一部非公開化
4)ネットワーク情報の階層的な表示
5)IPアドレスの表記の変更
6)「個人情報」の名称変更
7)「運用責任者」の名称変更
1)検索対象情報の追加
新JPNIC WHOISでは検索情報の対象が広がり、「担当グループ情報」、「割り振り情報」、そして、IPv6関連の登録情報の検索が行えるようになりました。IPv6関連の登録情報については2005年5月から、その他登録情報については2005年3月22日から、これら新設された情報の検索が可能となります。
2)JPRSとのWHOISの分離
これまでのJPNIC WHOISでは、IPアドレス・AS番号関連およびドメイン名関連のどちらの登録情報も検索が可能でした。しかし、JPRSが管理を行っているドメイン名関連の登録情報を、JPNICのWHOISサーバから参照させることは法的関係を複雑化させることから、JPRS、JPNICそれぞれのWHOISサーバにて検索できる情報を以下の通り分離しました。
- ・IPアドレス・AS番号関連の登録情報
- JPNICのWHOIS(whois.nic.ad.jp)にて検索サービスを提供
- ・ドメイン名関連の登録情報
- JPRSのWHOIS(whois.jprs.jp)にて検索サービスを提供
- ・担当者情報(現在の「個人情報」)
- JPRS、JPNICで当面引き続き共有するため、どちらのWHOISでも検索サービスを提供
同時に、これまで同様、単一のインターフェースによりドメイン名、IPアドレス関連の情報をどちらも検索できることによる利便性をみなさまに引き続き提供するために、IPアドレス・AS番号、ドメイン名関連の登録情報のどちらも検索可能なインターフェース(whois.jp)もございますので従来通りの検索をご希望される方はこちらをご利用ください。
3)電子メールアドレスの一部非公開化
WHOISでの電子メールアドレスの公開が多くのspamを招いていることから、本来の公開目的である「ネットワーク情報」の連絡窓口として登録されていない電子メールアドレスは、一部例外を除き、非公開としました。具体的にはy.[通知アドレス]、および[最終更新]の項目における電子メールアドレスが非公開となりますが「担当者情報」、「担当グループ情報」については例外となります。「担当者情報」においてはどちらの項目も公開、「担当グループ情報」においては、[最終更新]の電子メールアドレスが公開となりますのでご留意ください。
4)ネットワーク情報の階層的な表示
割り振り情報の新設に伴い、新JPNIC WHOISでは、検索が行われたIPアドレスに関する「ネットワーク情報」を[詳細情報]、[上位情報]、[下位情報]と階層的な形式で表示します。これにより、検索を行ったIPアドレスに関する「ネットワーク情報」をすべて参照できるようになりました。
- ・詳細情報:
- 検索を行ったネットワーク情報の詳細を表示します
- ・上位情報:
- 検索を行ったネットワーク情報の上位に関連するネットワーク情報が存在した場合、その情報をリスト形式で表示します
- ・下位情報:
- 検索を行ったネットワーク情報の下位に関連するネットワーク情報が存在した場合、その情報をリスト形式で表示します
5)IPアドレスの表記の変更
現在3種類ある「ネットワーク情報」のアドレス表記を、以下のルールに従って、プレフィクス表記とハイフン表記の2種類に変更します。
- ・プレフィクス表記については変更ありません
- (例)202.12.30.0/24
- ・クラスフル表記はプレフィクス表記に変更します
- (変更前)192.41.192.0
- →(変更後)192.41.192.0/24
- ・ハイフン表記については、終点アドレスの記載方法を変更します
- (変更前)10.1.0.0‐10.3.0.0
- →(変更後)10.1.0.0‐10.3.255.255
6)「個人情報」の名称変更
これまで「個人情報」として登録を行ってきた情報は「担当者情報」に名称を変更します。これは個人情報保護法において定義されている個人情報と混在することによる混乱を避けるためです。登録された情報の内容に変更はありません。
7)m.[運用責任者]の名称変更
名称がその役割をより正確に表すよう、これまで「ネットワーク情報」、「AS情報」にてm.[運用責任者]としてご登録いただいていました連絡先担当者の名称を[管理者連絡窓口]に変更します。
新JPNIC WHOISでの検索可能な情報、検索方法等の詳細は以下のURLにてご参照いただくことが可能ですが、みなさまにとって使いやすいものとなりますよう、今後もより見やすいかたちで情報を掲載して参ります。
- 「新WHOISにおける検索方法および検索結果の表示について」
- http://www.nic.ad.jp/ja/materials/ip/20050124/whois-20050124.pdf
新JPNIC WHOISについてご不明な点がありましたらip-service@nir.nic.ad.jpまでお問い合わせください。
(JPNIC IP事業部 奥谷泉)
参考URL
- JPNIC WHOIS(IPアドレス・AS番号関連情報の検索)
- http://whois.nic.ad.jp/
- JPRS WHOIS(ドメイン名関連情報の検索)
- http://whois.jprs.jp/
- JPNIC/JPRS振り分け用のWHOISゲートウェイ
- http://whois.jp/